物書き志望オタクの日記②

 継続は力なり、と偉い人は言うものの、それがどれほど些細なことであっても何かを継続することはとても難しい。むかし好きだったことも時間が経てば飽きて止めてしまうし、夢中になっていたことさえ、夢中になっていたという過去と一緒に忘れ去ってしまう。
 だからこそ──何歳、何十歳になっても同じ熱意、同じ思いを胸に何かを継続する人は自ずと『天才』と呼ばれるのだろう。

 ……などと気取った言い回しから導入するこの文ですが、言いたいことは簡単で「日記と題して日々を綴っていく」などと自ら書いてから早四年。そもそもnoteのアカウントを保有していた事実すら時の彼方に忘却していた事実に対し、自分自身に皮肉りたかったというだけの話です。

 いつかの青年は既に大学を抜けて暫くの社会人に、私はジョブチェンジしてなおオタクを止められず、寧ろ深層化している今日この頃。
 お久しぶりです、アグナです。

 久方ぶりに存在を思い出し、noteに文を投稿しようと思い立ち、放棄していたオタク日記の第二回を此処に書き残したいと思います。

 と言っても。恐らくは前回の「ソードアート・オンライン」の感想文を見るに、本来のオタク日記はラノベとの出会いから大学生当時に至るまでのオタク趣味の移り変わりを書き綴っていくためのものだったと推察いたしますが、生憎と中学時代の趣味に関しては既に記憶が曖昧で本来の目的通りに書くことは出来ないんですよね。

 今でもライトノベルには目を通していますし、何だったら社会人になったことで得られた金銭の自由を活かして日々新たな出会いを探してオタク道を邁進している次第ですが、年を重ねるごとに好みや傾向も変わっており、昔の自分と比べてもだいぶ趣味が変わってしまいました。

 感動と共に今でいう所の『推し』であった『ソードアート・オンライン』もアリス編を一区切りに読み進めるのを止め、今ではライトノベルは『ようこそ実力至上主義の教室へ』や『七つの魔剣が支配する』など一部のタイトルを除けばあまり読まなくなってしまいました。

 まあ、当時はファンタジーを中心に、いわゆる決まった『型』の無い作品が多数存在していましたが、現在のラノベ市場はラブコメがもっぱら主流で私の求めていたタイプの作品が減ってしまったことが主な理由ですね。

 直近だと『かぐや様は告らせたい』などラブコメそれ自体は嫌いではないのですが、こうもラブコメばかりだと辟易してしまうのは古参と名乗れる程度には様々なコンテンツに触れて来た弊害なのでしょう。
 別段、今の流行りや傾向に不平不満や愚痴を言いたいわけではないので悪しからず。

 おっと話があっちこっちに飛んでしまい申し訳ございません。
 日記形式の文に慣れていないから話がまとまりませんね。

 何が言いたいかというと当時の私の予定通り日記を書き進めることが出来ないと、まあそういうことですね。
 なので第二回ではライトノベルに夢中になりだした時系列から一気に飛んで、前回ちらりと名前を取り上げ、今のオタクとしての作品選びの基盤となった作品をご紹介できればと思います。

 紹介するのは奈須きのこ作の『Fate/staynight』です!

 ビックタイトルですね。たぶんオタクであるならば何かのきっかけで見たことがなくても知る機会があるだろう作品です。
 特に今ではスマホゲームの『FGO』が定期的にTwitterのトレンドに乗ることが多いので知名度は当時よりも広く知れ渡っていることでしょう。

 さて、そんな今でも私が激推している『Fate』シリーズの代表作との出会いですが、ちょうど自分が高校に入学してから一年と経った頃合いでした。
 その当時は流行りのラノベを一通り読破し、アニメから入った『問題児たちが異世界から来るそうですよ?』という作品をきっかけに神話やら伝説やらといった題材にハマっていた頃です。
 たまさか高校で出来た同じオタク友達に高校の図書館で出会った『カンピオーネ!』での、主役たち能力のチート具合を熱弁していた際、知人がこれらに匹敵するとして持ち出してきたのが『Fate』でした。

 高校の頃の私のオタク分野は基本的にライトノベルが中心でノベルゲー……読むゲームというのはそもそも存在すら知らず、界隈では既に有名であった奈須きのこと『Fate』の名前すら未知です。
 なので友人が薦めて来た『Fate/staynight』という作品に対して、私はあらゆる意味で完全初見でした。

 当初は「そういう作品もあるんだ」という程度で読む気はあまりなかったのですが、ちょうど後に『鬼滅の刃』を手掛けることとなるufotableさんが『Fate/staynight』をアニメ化するという情報を知り、その予習という形で『Fate/staynight』を読もうとなりました。

  これに関してはプレイステーションの『vita』を保有していたことも大きかったですね。というのも様々な媒体で『Fate/staynight』は発売していましたが、自分がプレイしたのは『vita』版でしたからね。
 ゲームコーナーなどで美麗な映像で流れる『Fate/staynight』のOPはちょっとやってみようかなって気にさせる程度には興味をそそりましたし。

 さてそういう経緯でプレイすることとなった『Fate/staynight』ですが、いったいどういう作品かというと、

 七人の魔術師が神話や伝説など過去に偉大な功績を残したいわゆる英雄と呼ばれる存在を使い魔《サーヴァント》とし、あらゆる願いを叶えるという願望器、聖杯を巡って殺し合う──。

 というものです。

 物語としては己の願いを掛けてたった一人になるまで殺し合うという王道的なもので、魔術師や過去に存在した英雄といった伝奇要素も扱う題材としては物珍しいものではないです。

 ……実際のところ詳しく内容を掘り下げていくとだいぶこの作品特有のあれやこれやと様々な設定があり、深みがあるのですが、型月厨のレッテルを押されても文句が言えない程度にハマっているこの作品について詳しく語りだすと長くなるので此処では割愛させていただきます。

 では何故、私がこの作品にハマったかというと、物語の奥深さや登場キャラの性格や背景など好きな点は多くありますが、一番にくるのは文章の美しさです。
 初めて奈須きのこ先生の文章に触れたあの衝撃は今でも忘れることが出来ません。それぐらいに文字それ自体を美しいと感じたのです。

 些細な日常の描写から主題となる聖杯を巡る殺し合い。作中を通して様々な展開が用意されていますが、そのどの描写を取っても文章がとても美しいと私の感性に深く突き刺さったと記憶しています。

 どのように美しいかを文字であらわすことが出来るほど残念ながら私は文字書きとしての技量を持ち合わせておりませんので此処で解説することは難しいのですが、少なくともライトノベルに三年以上のめりこみ、当時出版されていた作品全体の半分は目に通していた私をして、過去類を見ないほどに文章が流麗であったと言えば、当時の私が受けた衝撃は伝わるでしょうか。

 以来、私は型月作品は全て網羅し、新作は常に最速で予約し、逐次情報を追い続ける立派な型月オタクになってしまいました。

 高校時代、特に使う機会が無いと言って持っていなかったスマートフォンも『Fate/GroundOrder』が出るという事でそのためだけに入手しましたからね。にしても、あのメンテ地獄から八年間も続くタイトルにまでなるとは思いませんでしたけどね、と閑話休題。

 ということで第二回のオタク日記は自分のオタク経歴において一つの契機となったノベルゲーム『Fate/staynight』の紹介でした。
 読み返すとだいぶフワフワした中身のない感想文でしたが、そもそもこの日記自体フワフワした動機から始まっているので良しとします。

 まあ、noteの目的は、『文字を書く』という目的を達成するためだけのものだからね。中身がないのは許されよ。

 練習うんぬんというのならば適当にWordか何かに書きなぐって一人で満足するという手もあるんでしょうが、私としては常に「誰かに見られる可能性」があった方がキチンと文章として成り立たせねばならないプレッシャーが掛かるのでやはり練習なら人目に付く場所でやった方が身になる気がするのです。

 では、以上。
 第二回のオタク日記でした。

 いいね通知が来て、存在を思い出したことを理由に第二回を殴り書いた次第なので第三回があったら、またお付き合いいただければ。
 今度はライトノベルやノベルゲーとジャンルの大枠を知ったきっかけではなく好きな作品を羅列して書いていこうと思います。

 ではでは。

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