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No.1-株式会社山岡金型製作所


クリエイターさんと創造したい新しい製品


曲線美を追求した金型から生み出される射出成形品

どんな会社ですか?

当社は、1929年の創業以来、100年にわたり眼鏡フレーム用の金型を製造してきました。大正初期に流行した「ロイドめがね」の金型製造をはじめた先代の高い技術力が評判を呼んで、高度成長期には海外輸出などで生産が追いつかないほどの需要があったといいます。父の代では機械設備を整え、海外視察や技術研究開発に熱心に取り組みました。その後、顔面にぴったりフィットする独自のスポーツ眼鏡用金型を開発したことで、海外からも視察に来られるようになり、世界的なスポーツ・アイウェアブランドから依頼をいただくようになりました。

業界に先駆けて3DCAD・CAMを導入したことで自由自在な三次元の設計、試作が可能となり、4代に渡って受け継がれてきたアナログとデジタルの技術を融合して、他社には真似のできない高精度・高品質の眼鏡金型を製造していると自負しております。
最近では成型機を購入し、小さなものであれば設計から製造・販売まで行えるようになりました。これからも独自性のある新しいものづくりに挑戦していきたいと考えています。

型彫り放電の電極

技術について

当社では、主にスポーツやハイブランド向けの眼鏡金型の設計から製造までを行っています。最新の3D CAD・CAM技術と様々な工作機械を駆使して、超精密・自由曲面加工技術で眼鏡金型を製造しています。“自由曲面”とは聞き慣れない言葉かもしれませんが、顔面の複雑な形状にフィットするような繊細で有機的なカーブをイメージしてください。
工程としては、まず3DCADにて金型強度、樹脂の流れを踏まえ、設計を行います。

精密平面研磨機を用いて、金型の元となる材料の直角と寸法を揃えます。この高精度な設計を、様々な工作機械を使用し、切削加工にて再現します。
機械でできる限りの精密加工を行いますが、機械だけでは難しい微細なカーブを手作業で磨き上げて仕上げます。
こうして、上下別々に作った金型を合わせて中空にし、そこに加熱したプラスチックを充填して射出成形するため、完成した眼鏡フレーム樹脂の表面にわずかな凸凹や曇り、継ぎ目などが出ないように完全に滑らかな曲面が求められます。合わせる時に少しのずれも許されないので大変緊張感を伴う作業となります。

超精密・自由曲面加工技術で制作した眼鏡金型

ここがスゴイ!

・自社設計、試作、加工
3DCAD・CAMを早期に導入し、高精度の設計を数値化して自由自在な三次元の設計・試作ができます。
 
・複雑で有機的な曲面の製造
特殊な切削機と手削り技術を駆使して、超精密・自由曲面加工で、人の顔のような複雑な曲線にフィットする金型ができます。
 
・自社ブランドとギャラリー・ショップスペース
成型機を購入し、自社ブランド“molmena”を立ち上げて独自の製品を開発しています。自社にあるショールームで見ていただけます。

”molmena”ショールームの入口

 苦手なこと

・ブランディングと流通のノウハウがない
特殊な眼鏡金型の製造に特化してきたので、マーケティングに弱いです。
 
・完成までのスピードが遅く、コストがかかる
細密な金型の加工には非常に手間がかかるため、完成までの時間が長く、その分コストが高くなります。

 作っている主なプロダクト

・スポーツブランド・ハイブランド眼鏡金型
 
・インテリア小物

1輪挿しやペン立てに使用できるアルミを削り出したオブジェ

工場の様子

NCフライスで加工しているところ。発生する細かい切粉を油で洗浄しながら切削します。 電極に電気を流して雷を起こし、金属を溶かして切断します。

動画Ver

ワイヤーに電気を流して雷を起こし、金属を溶かして切断します。

動画Ver

プログラムに従ってミクロン単位の切削ができます。
射出成形機で、プラスチック材料を加熱し、溶融させた後、成形品の形状に射出します。

今回のプロジェクトでやりたいこと

百年の歴史を持つ眼鏡金型の製造で培ってきた技術力を生かして、暮らしのなかに「贅沢な余白」を生み出すようなものを作りたいと思っています。
私たちの強みは、最先端技術を取り入れながら職人の手業が生み出すような有機的な曲線を再現できることです。今回のプロジェクトでは、具体的にジャンルを限定せず外部のクリエイターさんと自由なアイデアの交換をしながら、戦略を一緒に考えていただけたらと思っています。

これまで眼鏡金型の製造一筋でやってきましたが、これからは自社でデザインした独自の製品を設計から販売するところまでを目指したい。最終的には、メガネメーカーとして新たな市場に挑戦し、OEM製作の依頼を増やすことも目標としています。そのために、成型機を購入して一緒に働いている弟や仲間と、「molmena」という自社ブランドを立ち上げました。「無駄」を省くのでなく、あえてとりいれたインテリア雑貨に挑戦し、工芸品のようなテイストを持ったものづくりを目指しています。具体的には、AXISビルのLIVING MOTIFに並ぶような製品をイメージしましたが、マーケティングに弱くてなかなか流通には乗りません。

物が売れにくい時代に逆行しているのかもしれませんが、魅力的なデザインや質感を大切にして新しい価値を提供できるような製品を生み出したいという思いがあります。そんな価値観を共有できるクリエイターさんと一緒に、ものづくりができたらと期待しています。

代表取締役社長 山岡 邦敏さん

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