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No.5-株式会社三栄金属製作所

クリエイターさんと創造したい新しい製品


パンチングメタルの成形技術を活用したプロダクト

どんな会社ですか?

当社は、1970年に田島の長屋で小さなプレス機を置いて建築金物をつくるところからはじまって以来、長年にわたり、さまざまな生活周りの金属製品を製造してきました。主に、流し台のゴミ受けや、お風呂場や洗面所の止水弁、扉の蝶番や化粧品のアルミキャップなどをつくっています。お客様の困りごとを解決することを最優先に設計から検品まで金属製品のことなら複合的に対応できるのが私どもの特徴です。できるかぎりどんなご要望でも挑戦していますが、当社でできないことは外注先と連携して柔軟に対応しています。現在、東大阪、京都、ベトナムに10箇所の工場を持っており、それぞれの工場に得意分野があります。国内外の大勢のスタッフが働いており、マンパワーに支えられている会社なので、人を大事にすることを第一に経営を行っています。

蝶番の金具を制作している様子

技術について

金型の設計と製作、プレス加工、樹脂成型から洗浄、検品まで金型製品全般の技術がありますが、当社ならではの強みとしてはパンチングプレスの絞り加工とインサート成型があります。

「パンチングプレスの絞り加工」は流しのゴミ受けやお風呂場のヘアキャッチャーなど、パンチングした薄い金属板をさまざまな形状に曲げて継ぎ目のない底付きの容器を作る技術です。パンチングメタルは穴の大きさによって小さなゴミが流れないように開口率を調整したり、薄いものだと穴を開けるときに割れてしまったりしますので絞るときに注意が必要で、金属加工のなかで最も技術を必要とされるプレス加工のなかでも、さらに繊細な技術が必要なため、他社に真似ができないプレス加工ができると自信を持っています。

「インサート成型」は、止水弁など、金属と樹脂が一体化した製品をつくる技術です。一台の機械につきかならず一人つかなければならないので他の成型屋さんはなかなかやりたがりません。1人ずつ手で作っていくような加工を得意としています。
また、製品の種類や数量が多いので検品は大変ですが、朝から晩まで12名ほどのスタッフによって、それぞれの製品によって異なるポイントを細かくチェックし、精度の高い検品を行っています。

パンチング絞り加工を施された製品

ここがスゴイ!

あらゆる注文に対応できる
金型製作から特殊な加工まで、はじめて製作するものでも、治具(機械の補助工具)からつくって製作できます。自社で対応できない場合には外注先と連携しています。

国内外に10の工場
東大阪、京都、ベトナムに工場を持ち、丁寧な教育体制で高品質を維持しています。

人を大切にする
離職者が少なく、国内外で次のリーダーを育てることに力を注いでいます。閉業する町工場からも、人と技術を受け継ぎ育てています。

三栄金属製作所の目標

苦手なこと

・B to Cの製品づくり

・単価UPの交渉

作っている主なプロダクト

・水回り製品(洗面台、お風呂の止水弁、流し台のゴミ受け)

・トラックや扉、蓋の蝶番

・椅子のキャスター

・化粧品ボトルのアルミキャップ

三栄金属製作所で作られる製品の数々

工場の様子

複雑な形の絞り加工には傷やシワ、割れが入らないようにするために、熟練の技術がいる。

動画Ver

インサート成形の機械。金属の周りに樹脂を充填して一体化させる。

動画Ver

金型への樹脂の装着を人の手で行うため、一台の機械に一人がつく。
3DCADで金型の設計から行うことができる。
金具の動きが硬すぎないか、傷やバリがでていないか、など丁寧にひとつひとつ検品する。

成形の様子

今回のプロジェクトでやりたいこと

今回のプロジェクトで目指したいのは、当社の強みであるパンチングメタルの絞り加工の技術を最大限に活かしたものづくりです。例えば、当社で独自に製作したものにゴミ受けを逆さにしたランプシェードがあります。製品化には至っていませんが、こんなふうに、いまある製品の認知にもつながるようなものを開発して、普段はあまり主役になることのない金属製品が注目され、当社の技術力を知っていただくきっかけになればと思っています。

独自で製作したランプシェード

創業当時の1970年代はサッシメーカーの全盛期で、今とは桁が2つ3つ違う受注がありましたが、私の時代になってお客様の困りごとを解決することを最優先でやってきました。「こんなのできませんか」と言われたらまずYes。どんなものでも大抵つくります。たとえ難しそうでも足を運んでお話をうかがいます。困っているから、うちに来てくださるんですから。同様に、やめていかれる工場から引き継いでほしいとご依頼があれば人も技術も受け入れ、育ててきました。厚物、薄物、蝶番など、工場によってやっていることが異なるのは、それぞれもともと持っていた技術をそのまま受け継いだためです。また、海外からの人材も積極的に受け入れ、離職者もほとんどおらず、人を大事にして、リーダーになる人を国内海外問わず育てています。とにかく町工場も含めて日本の中小企業を元気にしたい。ものづくりをずっと続けていきたい。それがこの何年か一番強く考えていることです。

前回も参加させていただきましたが、こういう取り組みに参加できる機会をありがたく思っています。今年は他の部署からもこのプロジェクトに参加して、社内に新しい流れを作っていけたらと期待しています。

製造部長 田桑 朝規さん

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