TRPG徒然雑記:「日本で遊ばれるクトゥルフ神話TRPGは異質」?それホント?

 どーも、黒単スーサイドです。
 少し前にTwitterでこんなツイートがTRPG勢に少しだけ話題になったのをご存知でしょうか?
https://twitter.com/yamaike/status/1308291415395299333?s=09
 余談ですがこの方VTuberの界隈ではちょっと苦手にしている方が多いみたいですね。
 それはさておき、私個人としてはこの方が言っていることの一部は分からなくはないと思いました。
 短くはないTRPGの歴史の中でクトゥルフ神話TRPGは所謂玄人向けのシステムとして名を馳せていた時期があり、昔を知る人には「皆よく遊んでるなぁ」と思っている方もいらっしゃるみたいです。
 そして次に目についたのこちら
https://twitter.com/yukitrpg/status/1233726896132673536?s=21
 飽くまで私がこのツイートから受けた印象ということで話をすると、「日本で遊ばれている現代日本を舞台にしたシナリオは、ルールブックで想定されている世界観からすると異質である。」という風に受け取れました。
 と言う訳で、クトゥルフ神話TRPGは異質なのかについて徒然気が済むまで書いていこうと思います。

まず私はクトゥルフ神話TRPGをどう思っているか

 私の率直な意見を言うと、クトゥルフ神話TRPGはそんなに好きじゃないです。
 私はどうせTRPGを遊ぶなら、現実の世界ではなくファンタジーの世界でヒロイックに魔法を使ったり、超能力を使ったり、異形の怪物になったりして楽しみたいので現実世界をベースにしたシナリオが多いクトゥルフ神話TRPGはそこまで魅力を感じないんです。
 こう言うと、「クトゥルフ神話TRPGは自由度が高いから出来るよ!」という意見が返ってくるのですが、それってサプリを積むか、独自にバリアント作ってやるかのどちらかになりますよね?
 私はそこまでの手間をかけてクトゥルフ神話TRPGでやりたいことをするよりも、基本ルールの段階からそういうことが出来るシステムで遊びたいんですよ。
 そうしたら色んなものを参照する必要がないし、どういう取り決めにするかをいちいち考えなくていいじゃないですか?
 だから私自身はクトゥルフ神話TRPGを好んで遊びません。

一方で…

 一方、野良オンセ界隈はクトゥルフ神話TRPG一色と言っていいほどクトゥルフ神話TRPGのセッション募集で溢れています。
 検索結果の件数から明確なデータを出すことはしませんが、この記事を読んでいる方にはそんなことしなくても分かると思います。
 また、私がこれまでに主催したTRPG体験会でも参加希望者数が明らかに多かったのはクトゥルフ神話TRPGでした。
 このことからもクトゥルフ神話TRPGの人気の高さがうかがえます。
 こういった人気の高さは、やはり動画による影響が大きいでしょう。

で、君達クトゥルフ神話読んだ?

 ここでとある疑問が頭をよぎります。
 それが一体どれだけの人がクトゥルフ神話の原作に触れてるのかということ。
 そもそもクトゥルフ神話TRPGには原作にあたるものがあるということすら知らない方もいます
 ここで言いたいのは原作の存在を全く知らずに遊ぶという例がクトゥルフ神話TRPGに関しては多過ぎる気がするということです。
 リプレイ動画を入り口に入ってくる方々と遊んだことがあるのですが、半分以上の割合で原作を読んだことがないし、その中でも8割程度の方は原作小説があることを知りませんでした。
 日本で有名な原作があるシステムだとログホラやゴブスレがありますが、これらは原作を知っている方が多数を占めている(様に感じる)のに対して、クトゥルフ神話TRPGは原作の知名度が極端に低い印象を受けます。
 まぁこれに関しては私も人のこと言えないんですが…

そもそも原作と遊ばれてるシナリオの解離が大きい

 クトゥルフ神話TRPGを遊んでしばらく経ってからラヴクラフト全集を読んだのですが、まぁ文章が回りくどくて読みづらいことこの上ない。
 あと、クトゥルフ神話TRPGのシナリオで役立つかと聞かれると、私はそんなに役に立たないんじゃないかと思いました。
 理由としては取り扱っている背景が違うからです
 今よく遊ばれているシナリオの多くは現代日本で、私が読んだ原作の殆どが1900年代前半の海外を舞台にしているんですよね。
 だからTRPGで遊ぶ世界と小説の世界では乖離が大きすぎるので、遊ぶ上でのガイドラインにはなり得ないんじゃないかなというのが私の意見です。

じゃあこれは異質なのか

 じゃあ原作とそこまで関わりが無い気がするシナリオを遊ぶことはクトゥルフ神話TRPGとして異質なのかというと、私はそうじゃないと思います。
 世界観のベースを作り上げたラヴクラフトにとってはその時代にいた場所こそがリアルな恐怖の舞台だった訳で、だったら現代日本に生きる我々のリアルな恐怖の舞台は現代日本でいいと思うんです。
 そもそも1900年代のアメリカの知識なんてそんなに多くの日本人が持ってるとは思えないですし、個人レベルでは知っている人がいたとしても、それを共有するにはセッションの時間はあまりに短すぎます。
 しかもリアリティを感じられるレベルにまで理解が到達するにはもしかしたら一生かかってもたどり着けないかもしれないです。
 それなら深い説明もなくリアリティを感じられる舞台を設定して遊ぶ方が簡単だし、より楽しめるとは思いませんか?

まとめの様なもの

 というわけで、私は多くの方が遊んでいる様な「現代日本を舞台にしたクトゥルフ神話TRPGは異質ではない」と思います。
 クトゥルフ神話の恐怖のリアリティのためには知っている時代の知っている国で遊ぶことが重要だと思うからです。

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