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ニュースで報じられていない、ジャニーズハラスメントの構造

この数日、ジャニーズ事務所の性的被害問題がニュースで報じられていますが、ニュースの内容を見ると、ジャニーズ事務所の問題、それを報じなかった報道機関の問題などが主流を占めていますが、これに隠れて大きな構造的な問題があることに気が付きます。

※ 本内容は、これまで広報、マーケティング、ブランディングのコンサルティングをしてきた経験則と外資系、日系企業の広報、マーケティングに携わった経験から執筆しています。

これまで、BBCニュースに端を発し、性的な被害にあったジャニーズジュニアの方々の記者会見や過去在籍した方の証言を中心に報道がされており、第三者委員会で、現社長の退任勧告などが出ていますが、すべて表面的な内容であり、広報、マーケティングに籍を置く方なら非常に不思議な感覚に陥るでしょう。
また、大手企業をはじめ、ジャニーズ事務所に所属しているタレントやアイドルの方々をCMやインフルエンサーとして契約している企業、また、映画や番組などに出演している方の取り扱いに関して様々な憶測がながれています。

注目すべきは、誰がキャスティングしているかということ。

報道やニュースでは、やれどこの企業がCM自粛を検討するとか、取りやめにするとかにフォーカスを充てられていますが、根本的な問題に触れられていないような気がします。
企業のマーケティング部門や宣伝、広告部門の方なら、キャスティングは大手広告代理店などに依頼するのが普通。この業界、企業が直接タレントと取引することは、ないのが実情であることを考えると、広告代理店の問題が報じられていないことが専門家から見ると不思議でなりません。

通常、企業のキャスティングを行う場合、タレントだけではなく、モデルなどもそうですが、広告代理店もしくは、広告代理店とクライアントでオーディションを行い(書類、スケジュールをはじめ、イメージなど)最終的に決定することが多いのが通例です。
その場合、クライアントは、多額の出演料に当たる契約金を支払うことになり、当然、広告代理店に対して、当該タレントやモデルに対して、周辺のファクトチェックやリスク管理を行っています。

これは、著名なタレントやモデルだけではなく、すべての対象者に契約前に行われます。

つまり、今回のようなジャニーズの件もそうですが、先日問題になった若手タレントの薬物問題など、当然広告代理店が周辺調査を行うことが通例です。
仮にしていないのであれば、瑕疵に当たりますし、やっていてもその調査が杜撰であれば契約不履行にならざるを得ない問題であると考えます。

広告代理店を使うことのメリットを企業側は享受していない。

特に大手広告代理店を使うことのメリットは、一括して、バイイング(広告出稿の抑え、特にTVや雑誌広告、オンライン広告)がスムーズにできる子音が挙げられます。その一方で、構造的に営業管理費を総額に対するパーセントで支払うことで、業務を丸投げできることがメリットとして挙げられます。
昨今、不祥事が続いている構造的な背景には、大手広告代理店に丸投げする慣例があること、発注する側の業界に対する無知、スキルのなさが起因している考えられます。

広告代理店からの提案は自社にとってリスクがないものかを考える時期に

タレント起用やモデルの起用だけではなく、広告出稿やデザインなど、多岐にわたる広告会社への業務発注ですが、金銭的な問題に加えて、リスクを考える時期に来ていると言えます。
当該タレントやモデルの行動や発言により、企業に与えるインパクトが大きいリスクになって跳ね返る可能性を発注側は認識して、契約をする必要があります。
また、契約条項で、広告代理店に対するペナルティを課す条項や契約方法の見直しなど、今後は積極的に取り入れることで、自社を守る必要があるんと考えられます。

なぜ、広告業界の構造的な問題が報じられないか?
以前は、スポンサー要請や営業要請という、聞きなれない暗黙のルールが存在していましたが、最近では、TVをはじめ媒体においてもそれを嫌う傾向にあります。
そうはいっても、TVや媒体社の収益をもたらす、広告代理店に対して、強く言えない風潮は現在でも残っていると言えます。

それが理由のすべてではないと思いますが、この構造的な問題点を指摘し、改善するようなことができない場合、企業側のリスクは今後増大する可能性が高いと言えるでしょう。






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