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3.釣り →

 半世紀をこえる人生で、一度もやったことがないものの一つが「釣り」である。機会がなく興味がもてなかったため、あまり気にもしていなかった。
 なぜ釣りをしなかったのか、その理由が判明したようなことをすでに書いてしまったが、このまま終わると座布団やらポップコーンなんかをぶつけられてしまうかもしれない。せっかくだからもう少し探ってみよう。

 億劫で短気な性格だったり、アウトドアが嫌いな点は、釣りをやらないことにつながりそうだ。
 いつだったか、誰かが「気が短いほうが釣りに向いている」と言っていた。いや、「短気を治すなら釣りをやったほうがいい」だったかな。今となっては曖昧模糊。その理由すら忘れてしまった。そんな話があったかどうかも……? まぁ、長年生きているとこんなものだ、と開き直ってさらに深く掘ってみる。

 水辺は私にとってはパワースポットともなりえる場所で、泳ぐこともできるから水が怖いわけではない。
 魚のエサとなるもの(虫?)も触ることは簡単にできる。気持ち悪くはないが、もし難しければルアーを使う釣りを楽しめばいい。
 チョウやガといった鱗粉系昆虫網はめっぽう苦手だが、それ以外の虫ならむしろ得意。余談になるが、たとえば嫌われ者の、コードネーム=Gと呼ばれるやつ。あいつが床を疾走していても飛翔していても、片手でキャッチできる。こう言うと、私がヒト科ではない疑惑まで深まってしまいそうだがニャ。

 鱗粉はダメでも鱗だけの生き物全般はとても尊い。水族館で鑑賞することもあれば、さまざまな調理法で食べるのも好きである。てきとうでよければさばくこともできるが、ふぐの調理師免許は持っていないので、それ以外で。

 子供の頃は夏の夜見世ですくった金魚やドジョウを飼ったり、道具を一から揃えてメダカを育ててみたりした。
 ちなみにドジョウの中には、ほっぺたが膨らんだ品種がいる。めずらしいので昔はよくテレビに登場していたのが、「シシドジョウ(宍戸錠)」だ。
 もう若い世代には通じない、いにしえのネタである。

 15年ほど前までは60✕45cmの水槽に淡水の熱帯魚各種を入れて世話を焼いていたことがあるのだが、始める寸前、その頃まだ若かったちょうにゃんが、セッティング中の水槽そのものや周辺機器に興味津々だった。
 近くの足場となるテーブルからニオイを嗅ぐ仕草をしつつ慎重に目測し、おしりを振って狙いを定める。水槽めがけて勢いよく飛び乗ったら天板を割ってしまい、バシャバシャバシャ「ごぼごぼごぼ……」。そんな兄に冷ややかな眼差しを向ける弟、じにゃん。
 魚たちを入れる前だったので混浴にはならなかった。ちょうにゃんにもケガはなく濡れただけだが、しばらくひとりでパニック状態に陥っていた。

 脱線と余談ばかりだが、以上の様子から(?)釣り自体が嫌いなわけではないのでは、という結論にいたりそうだ。

 そういえば、まわりに釣りをやるヒトがまったくいなかったことも影響しているかもしれない。ただ、前述した ねこ2つのブリーダーさんだけは釣りが好きで、よくクルマであちこち出掛けてバス釣りを楽しんでいると話していた。しかも自身で付けたハンドルネームが「ぷれ子」なのだ。

プレコとは
ナマズ目ロリカリア科アンキストルス亜科、およびヒポストムス亜科に分類される魚類を、おもに観賞魚としてみた場合の総称である

Wikipedia

 この先、もし機会があって釣りを始めたとして、懸念されるのは凝り性なタチゆえハマってしまうことだ。道具やファッションにはこだわるだろう。
 深みにハマった末、かつてプレイボーイとしても名を馳せた個性派俳優、シシドジョウが出てきて「嬢ちゃん、一緒に遊ぼうぜ」などと誘われてしまうかもしれない。さあ、大変!(どんぐり/50代・女性)

 現実問題として、水辺であれば海、川、湖などでも釣りができるとなると、やはり「沼落ち」がいちばん怖い。

 じゃ、次!「り」
 えー? また「り」!?

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