5.寝相 →
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寝相が悪いと言われたら、文字通り悪いことだと思われがちだが、寝相が良く=おとなしく同じ姿勢で眠り続けているより、寝返りを打ったほうが疲れは取れやすいので良いという話だ。
就寝中、適度にさまざまな動きをしているうち、血液の循環が良くなったり、固くて動きづらくなった筋肉の可動域を広げるはたらきもある。
もし一緒に寝ているヒトから寝相の悪さを指摘されても、開き直胸を張って上述の言い訳説明をすれば大丈夫。ただ、あまりに激しすぎると謎の筋肉痛が……翌朝出れば若い証拠だが、2〜3日たってから出た日にゃ、本当に謎すぎるカラダの痛みに「はて、なんだろう」と悩むことにもなりかねない。単なる老化現象運動不足なのだろうけど。
そして、寝姿にも風流な呼び名がある。文字のカタチになぞらえて親子三人の「川の字」や、一人でのびのび「大の字」になる、などと言い表すが、日本文化ならではのノスタルジックさが漂って、なんとも言えない味わいがある。
二人で寝るなら「命」や「炎」もできそうだが、眠るのはなんのためなのかと思わざるを得ない。カラダを休めるためではないのか、と。ラブホテルの休憩のように意味がわからなくなりそうだ。それこそ謎の筋肉痛に見舞われるのは必至。そんな技を寝ながらでも繰り出せるのは、カラダのやわらかい猫くらいのものだろう。あのひとたちは、だてに液体の異名をとっていない。その寝相たるや、ヨガの師匠か某国雑技団レベルかもしれない。
猫一匹なら「アンモニャイト」や「へそ天」は朝飯前(に寝ているとき)だ。雑巾を絞る途中か横綱あられのように、頭が向こうで足は一周まわって捻れた体位もよく見かける。
なお、我が家にいた猫は2つとも大型種のため、アンモニャイトのカタチはできかった。本当は、おなかの肉がじゃまだったという有力な説もあるが、ここだけの話にしておいてほしいとの遺言。
ヘビがトグロを巻いているように見えるアンモニャイトは上空からの天敵、カラスや猛禽類の目をごまかすためだと言われている。ついでに書くと、猫が威嚇するときに発する「シャー!」もヘビの真似である。こちらはサルやタヌキ、アライグマといった地上の天敵に対して使う。猫はライオンのように吠えることができないため、天敵が近づいてきたら「シャー!」と言って追い払うのだそうだ。
2匹以上になると液体の本領を発揮する。並んだり重なったりするだけではなく、溶け合ってしまうのだ。冬になるとよく見られる「猫団子」である。多頭飼いのお宅では、いったい何匹から構成されているのか飼い主さんにもわからない団子ができるとか。
我が家は2つしかいなかったので分量が足りず、団子未満の「陰陽太極図」☯を作ったりしていた。
【注意】
この先ゆるやかに下ネタへ移行します
苦手な方は猫の画像までで そっ閉じ 願います
ずいぶん昔の話になるが、カレシと同棲している犬好きの友だちがいた。誕生日にカレシからもらった小型犬も一緒に住んでいた。
ある日、酔っ払って帰ってきたカレシが家に入るなり床に座り込んで、なんだかんだと与太話をしながら、なぜかストリップのように1枚ずつ着ているものを脱いでいったそうだ。酔うとすぐ脱いでしまうタイプなのかもしれないが、よく家に帰るまでもったものだ。
ほどなくして酔っ払い特有の帰宅後安堵という状態なのか(知らんけど)眠くなったらしく、パンツ一丁のまま、その場で大の字に寝てしまう。
一部始終をすぐ横で観察していたカノジョから後日 聞いた話によると、「大の字」で寝てしまったカレシの左肩付近に、小型犬がちょこまかやってきて鎮座したのだそうだ。
カレシひとりで「大の字」を作っていたところに犬が加わったことで、まさに「犬の字」になった! 「これがホントの……」とか言いながら思わず手を叩いて大笑いしたという。それでも起きない酔っ払い。その場にいなくても画が浮かんできて、手を叩くほど笑える話である。
ところが犬はじっとしていない。しばらくすると、またうろちょろしはじめた。次の居場所をカレシの股の間に決めたらしく、股間にチン座する小型犬。
「こんどは『犬の字』から『太の字』になったわけね」
笑いをこらえながらも、なんとか振り絞ったリアクションに対して
「それがぁ、ぜんぜん太くないし〜、なんなら早すぎてぇ……」
とカノジョが続けたのだ。
寝姿文字から、いつの間にかサイズの話へとすり替わり、オチは人んちのまぐわい状況の愚痴となってしまった。
その後、二人は別れたようだが、性的な不一致が原因で犬も食わないものに発展したのかどうか、知る由もない。
じゃ、次!「う」
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