選ばれたい女
十代の頃、好きな人が細い子が好きだって言うから
無理めなダイエットをして痩せた。
だけどその人からは全く相手にされなかった。
大人になった私が若者に言えることは、
「異性の為にするダイエットはオススメしない」
ということ。
目的や目標、意味がなくなってしまった後に残るのは、大幅にリバウンドした体重とみじめな自分。
・・・でも良い事もいちを、ある。
残念ながら目当ての人以外に寄り着いてくる男性が増えること。
所詮、男性は見た目重視だということを改めて感じた。
それと同時に、
太っていようが痩せようが好きな人に選ばれないのは、自分が好きな人のタイプではなかった、という事実も思い知る。
とりあえず苦い経験となったけれど、まぁ、そんなダイエットするのは十代まで。
段々と自分の為に自分を磨くことを学び、楽しめるようにもなる。
でも、この世の中での評価は自分の意思とは関係なく勝手に下される。
思春期に多くの女子が散々悩んできたルックスは、歳を重ねる程に維持を強く求められ、自然の原理である年齢すら「細い」や「色白」等と同様に「若い」ことが良いとされる。
この女性の辛さは「30代越えたら腹が出るのは当たり前」と悪びれもなく言い放ち、遥か上の棚におわす男性様にはわかる筈もない。
男性が選ぶ側、女性は選ばれる側っていうこの立ち位置は、今の時代にはそぐわない。
・・・けど、選ばれたいって思っちゃうんだよね、女は。
どんなに理論的な考えを持ってても、それが正しくても、だから「君、良いね」って言われることは、まずまずなく。
こういう女は、間違いなく男から引かれる。可愛げないってね。
賢い女性はわかっている。
男性優位にしてあげることで、女性の立場は確保されることを。
どっちが好かれるかなんて明確だから、それをわかっているのにあえて避ける程バカにもなれない。
ただ、選ばれたいんだよ、私は。
それがたとえ滑稽に見えたとしても、選ばれない女より選ばれる女になりたい。