「ヤシノミ作戦」を考える
明日は衆院選の投開票日ですが、いまだに自分のところの候補者を知りませんでした(これを書くに当たってチェックした)。
小島慶子さんも言っているように、「あなたが最高!」なんて思える候補者なんていない。
いつも消去法ですから、そんなに迷う必要がないです。かなしいかな。
投票には行きます。行きますが、テレビの選挙報道を見ていても無力感しか覚えない……。
「ヤシノミ作戦」
そんななか目にとまったのが、「ヤシノミ作戦」についての記事。
特定の政策、今回は「選択的夫婦別姓」や「同性婚」について、これらを認めない政治家たちを「ヤシノミ」のように落選させようというこの活動。
夫婦別姓訴訟に敗訴し、自身も通称名を使うサイボウズ社長の青野氏が行っているんですね。
"違和感"を掘り下げると
最初この作戦を知って、反射的に違和感を感じたんです。
「落選を呼びかける」って、なんだかネガティブな、「いじめ」みたいな雰囲気がする……。
例えば、地元の飲食店について、「あのお店は好きだから、たくさん通って応援しよう」というのは良いですよね。
一方、「あのお店はキライだから、他の人にも行かないように呼びかけよう」とはしたくない。それに似たような違和感、もっと言うと嫌悪感を覚えたのかなと思います。
でも、キライな飲食店が存在していても基本的には自分には関係ないですが、政治家となれば話は別なんですよね。
「多様性を認めない候補者はごめんだ」
「たしかに、自分の考えとぴったりと合う政党や候補者はなかなかいないし、それを自分の選挙区の候補者のなかから選ぶのは難しい。でも、社会の多様性を認めない候補者はごめんだ、その人たちに入れるのはやめようというのは、わかりやすいし、選びやすいでしょう」(引用元:前記朝日新聞記事。以下同じ。)
と青野氏。
「(前略)選択的夫婦別姓と同性婚は、私には表だって反対する理由が見当たりません。当事者が望んでいて、あなたには直接関係ないことなのに、なぜ反対するのか」
ほんとソレ!
選択的夫婦別姓と同性婚は、多くの人にとって「自分事として感じられるし、○か×か言い切ることができる政策課題になってきていると思います」とのこと、これもそう感じます。
「ただし、なんでもかんでも落選運動ができるかというと、私はそうは考えません。議論が大きく割れている問題を扱うのには向いていません。(略)反原発にしても原発再稼働にしても、これが絶対に正しいと押しつけることには私は違和感を覚えます」
たしかに、「なんでもかんでも」ではなく、議論が成熟している政策など、対象を吟味するように気を付ければ有効な活動だなと思いました。(活動主体が訴訟の元当事者とのことで、一歩引いた目線は持ちつつ。)
"ひとりに100点をつける選挙制度"
今日のNHK「週刊まるわかりニュース」で、「ボルダ方式」という投票方式を知りました。
日本の選挙は、一人の候補者だけに一票を投じるもの。対してボルダ方式は、「1位は3点、2位は2点、3位は1点」などと分散して投票することで、より細やかに意思表示をすることができるもの。方式の違いで、結果も異なる場合があるということでした。
(参考:ボルダ方式についての記事。ちょと長くて難しい(汗)。)
番組では解説者が、通常の多数決は"一人だけに100点をつける制度"というように例えていました。「あなたが最高!」と思える候補者がいない状況にマッチしていない。
それから現行の選挙制度だと、一部に強固な支持基盤があれば、全員に広く支持されていなくても当選が可能だという趣旨のことも言っていました。たしかに。
今の制度では、投票先が割れてしまうことで、必ずしも広い民意が結果に反映されない。そう思うと、「ヤシノミ作戦」のように、有権者同士で合意形成しやすい政策については、団結して投票行動することは有効かもしれないと思いました。
参考:ヤシノミ候補者リストはこちら
「選択的夫婦別姓」と「同性婚」のいずれかに賛成の意思を示していない候補者をリストアップしたものだそうです。
最高裁判所裁判官もリストアップしてくれてるのがありがたい!
いつも投票所に行ってから、「そうか裁判官の国民審査もあったのか」と思い出すのが常だったので。
「見事に落選したヤシノミ候補者には、『落ちてジュースになったヤシノミ』のマークを付けていきます」(同サイトより)だそうです(笑)。
読んでくださってありがとうございます!