エンジェル
山田が机に向かっていると、エンジェルがパッと現れた。
そして、山田に「あなたの願いをひとつ叶えてあげましょう。ただし、悪い願いは叶いません」と言った。
山田は考えた。
まず、ひとつ聞いてみた。
「なんで俺のところにきたんだ?」
エンジェルは、「あなたの運が良かったからです」と答えた。
それを聞いて、また山田は考えた。
そして、考えたあげく決められなかったので、「明日言うよ」と言った。
「わかりました」とエンジェルが返した。
そして、次の日も結局願いを決められなかったので、また「明日言うよ」と山田は言った。
願いが決まらないままこのやり取りを毎日続け、とうとう一年が経ってしまった。
一年目の朝、エンジェルが「願いは何にしましょうか?」といつものように聞いた。
山田は苦しそうに答えた。
「お前がいると、俺は願いを考えることしかできない。そのせいで俺はもう疲れた。だから、俺の前から消えてくれ。これが願いだ。」
山田は、とうとう願いを言った。
エンジェルは「わかりました」と言って、山田の前から消えた。
その日から、エンジェルは山田の後ろか横にいる。