こんな関係性の話が好きってやつ

*こういうのが読みたいシリーズ
*ほぼ会話

見知らぬ部屋に閉じ込められて2日経った。初日にかけられた手錠は手首から血が出ようが声をかけられようが無言でひたすら壁に叩きつけていたら「ごめん、本当にやめて、ごめん……。」と泣きながら謝られ解かれることに成功した。その代わり包帯はぐるぐる巻きにされているが離れているのでヨシとする。

3連休だったため素直にこの部屋にいたが明日は仕事だし、そろそろ出たいなあと思いつつ先ほど朝食にと運ばれてきたパンを食べる。美味い。手作りと言ってたな。パン屋になれば良いのにアイツ。

ガチャリとドアが空きヤツがやってきた。名前はヒロトというらしい。苗字はなんでか教えてくれなかった。
手にはマグカップがあり、こちらをみて微笑み「カフェオレで良かったよね?」と聞いてきた。
好みは一通り把握されてるらしく、自分好みの食事が出てくる。便利。

「明日仕事あるんだけどさ「出さないよ?」

「お前の許可がいると思ってか?」

「ええ……なんでそんな……。いやごめんわかったよ、わかったから包帯取って傷抉ろうとするのやめてね?」

包帯に手をかけ脅す。なんやかんやこれが1番効く。
別に自傷趣味はないけど、自分のやりたいことが素直にできない環境にストレスを感じるから抜け出すためにはこれしかないのだ。お外、出たい。

「でもここにいればお仕事しなくて良いんだよ?食事だって運ぶし、毎日お世話するのに。」

「突然辞めたら迷惑でしょうが。」

「え、それは突然じゃなきゃ辞めてくれるの?」

「いいや?」

好きで始めた仕事だから全然続けるけど。そう言うと複雑そうな顔をして唸る。苦しそう。

「素直に囲われてくれないかなぁ……。」

「アクティブ人間閉じ込める方が間違ってる。」

「ここまでとは思わないじゃない?」

「読みが甘い!」

そう言ってパァンと両手を合わせて大きな声で「ごちそうさまでした!」と言えば「お粗末様でしたー。」と小さく返される。こういったのにノッてくれる辺りは君への好感度は高いよ。

「と言うわけで荷物いるから、出るよ。着替えて。」

「えっ、もう……ちょっ、急に脱がないで?恥じらい持って?」

「君が早く出てけばいいだけじゃん。」

「それにしても急…待って、俺も着替えろって言った?」

「部屋着で出れるタイプ?」

「ううん、ちゃんと着替えたいけど、そうじゃなくてね?」

「まあ行って帰ってくるだけだしジャージとかでもいいけど。」

「あ、もう全然話聞かない……戻ってくるの!?」

「……戻らなくていいんなら出るのもうちょっと後でいいけど?」

「え、いや、戻ってきて欲しいです……。」

「じゃあ着替えてきてよ。」

そう言うと不思議そうな顔をして部屋から出ていった。なんなんだアイツ。居て欲しいのか帰って欲しいのかどっちなんだ。
これだけいい環境なのだから住み着きたくなるのは仕方のないこと。ご飯も美味しいことだし。普通に住みやすい。

強いて言うなら、アイツの私への理解度が低いことくらいか。一緒にいるうちに解釈一致してくれればいいけど。

「ま、気長に待つしかないかな。」




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ヤンデレとかメンヘラに監禁されても割と適応するか、適応できなくてわがまま言いまくって疲れさせるヤツが好き
「マック食べたい!ビッグ!」
「あんな健康に悪いものより俺の作った「あの!不健康な!味が!欲しい!あとコーラ!」
とかジタバタし出す
子供……?


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