![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/131521241/rectangle_large_type_2_857ceaced25aa0b20ea33e4391ee2759.png?width=1200)
読書記録◎丸の内魔法少女ミラクリーナ
村田沙耶香さんを片っ端から読んでいる!
おなじく村田沙耶香好きの妹とこないだ話したこと。
「最初生命式読んで、ものすごい衝撃を受けてこんな世界観の小説見たことない!すごい!と思って他のも読んだら村田沙耶香はこれが通常運転やった」
読書記録書けてないけど、
半変身とか地球星人とかも読んでますますそう思った。この方はありえないと思ってしまう世界を気持ち悪いくらいにリアルに書いて表現してくる。
今回読んだ「丸の内魔法少女ミラクリーナ」は比較的新しい本。タイトルのインパクトがすごい。読んでみると、地球星人ほどの悍ましさはなかったから比較的読みやすかったけど、村田沙耶香節はもうドスコイドスコイ書かれてて最高だった。
単調でストレスフルな日々をキュートな妄想で脚色して何が悪い!
さまざまな世界との対峙の仕方を描く、衝撃の短編集!
村田沙耶香ワールドの神髄を堪能できる4篇を収録。
■「丸の内魔法少女ミラクリーナ」
OLの茅ヶ崎リナは、日々降りかかってくる無理難題も、魔法のコンパクトでミラクリーナに“変身”し、妄想力を駆使して乗り切っている。そんなある日、元魔法少女仲間のレイコが、恋人の正志と喧嘩。よりを戻すためには「レイコの代わりに魔法少女になること」を条件に出すと、意外にも彼は魔法少女活動にのめり込んでいくが……。
■「秘密の花園」
「見ているだけでいいから」と同じ大学の早川君を1週間監禁することにした千佳。3食昼寝付きという千佳の提案に、彼は上から目線で渋々合意した。だが、千佳の真意は、小学3年生からの早川君への初恋に終止符を打つため、「生身の早川君がいかにくだらない男か」を目の当たりにし、自分の中の「幻想」を打ち砕くことにあった――。
■「無性教室」
髪はショートカット、化粧は禁止、一人称は「僕」でなければならない――。「性別」禁止の高校へ通うユートは、性別不明の同級生・セナに惹かれている。しかし女子であろう(と推測される)ユキから、近い将来、性別は「廃止」されると聞かされ、混乱する。どうしてもセナの性別が知りたくなるが、セナは詮索されるのを嫌がり……。
■「変容」
母親の介護が一段落し、40歳になって再び、近所のファミレスで働きはじめた真琴は、世の中から「怒り」という感情がなくなってきていること、また周囲の人々が当たり前のように使う「なもむ」という言葉も、その感情も知らないことに衝撃を受ける。その矢先、大学時代の親友から「精神のステージをあげていく交流会」に誘われるが……。
ストレスフルな現代社会で、生きざるを得ないわたしであり、みなさま方かとは思いますが、
「丸の内魔法少女ミラクリーナ」では自分は魔法少女だと信じて疑わないことで、汚い社会から1歩隔絶して生き残っていく、、ある意味のたくましさ?違うかなぁ、素敵な生き方。なんかシンプルに羨ましかった。自分の中に信じていける芯があることって当たり前ではないし。一時それを奪われそうになって、でも最後に親友と取り返すっていうのも素敵。キラキラしたお話だとおもった。
他の短編も、それぞれグッとくるものばかり。最後の「変容」がまた良かった。変容していく社会、環境、人間関係、、おいていかれたように思っててもいつの間にか染められていくのってこわいような、人間に備わったある意味の生きていく力なような。
「当たり前」が今も多分、ちょっとずーつ、未来に向かって変わっていってる。自分もそれに応じて変わっていきたいような、変わりたくないような。観測できなくなったら、多分染まっちゃったってことなのかなぁ。わからん。