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10兆円企業のCEOたちはどのように時間を使っているのか?その実態を徹底解説

現代のビジネス環境において、成功する企業のトップであるCEOたちがどのように時間を管理しているのかというテーマは、多くの研究者やビジネスパーソンの関心を集めています。彼らのタイムマネジメント術は、単に彼ら個人の成功を支えるだけでなく、企業全体のパフォーマンスに直結する要素でもあります。さらに、その手法は我々一般のビジネスパーソンにとっても、日々の業務効率化やキャリアアップのための貴重なヒントとなるでしょう。

今回ご紹介するのは、ハーバード大学が実施した長期的かつ詳細な研究です。この研究では、年間平均収益が130億ドル(日本円で約1兆9000億円)を超える大企業のCEOたちを対象に、その日常的な時間の使い方を徹底的に調査しました。その結果は、私たちが日々の仕事に取り組む上で参考になるだけでなく、現代のビジネスリーダーに求められるスキルや価値観を再確認させてくれるものでした。また、それらのスキルや価値観をどのように身につけ、実践していくかについても考察を深めていきます。

研究概要:60,000時間のデータが明かすCEOの行動パターン、驚愕の調査手法とその信憑性

調査対象:選び抜かれた27名のトップエグゼクティブ

この研究の対象となったのは、貿易業界を中心とした大企業のCEO 27名です。参加者の内訳は男性25名、女性2名であり、平均収益130億ドル(日本円で約1兆9000億円)の企業を率いるエリートたちです。規模感をイメージするなら、日本企業の大手であるトヨタ自動車やソニー、あるいはソフトバンクグループのようなレベルの企業を思い浮かべてください。これらのCEOは、厳しいビジネスの世界で結果を出し続け、その地位を築き上げた、まさに選ばれし者たちと言えるでしょう。

調査方法:12年間、15分刻みの記録が示す真実

この研究の特筆すべき点は、その調査方法の徹底ぶりです。各CEOの専属アシスタントが協力し、CEOの1日の行動を、なんと15分単位で詳細に記録しました。この、まるでスパイ映画さながらの緻密なデータ収集は、12年という長期間にわたって続けられました。結果、合計で約60,000時間分という膨大な行動記録が蓄積されたのです。これは、一般的なビジネスパーソンの約30年分の労働時間に相当する、気の遠くなるようなデータ量です。

研究チームは、CEOのスケジュール表やメールのやり取りだけでなく、会議中の発言内容、移動中の過ごし方、さらには休憩時間の過ごし方まで、あらゆる行動を記録しました。これほど大規模で詳細な研究は非常に珍しく、特にCEOの日常的な行動に焦点を当てたものとしては、類を見ない成果であり、そのデータの信頼性は極めて高いと言えます。

結果:成功するCEOの時間配分と行動の特徴、そこから読み解く成功の秘訣

1. 圧倒的な労働時間:彼らはなぜ、そしてどのように長時間働くのか?

調査の結果、CEOたちが日々費やしている労働時間は非常に長いことが分かりました。

  • 平日の労働時間:平均9.7時間 - これは一般的なビジネスパーソンの労働時間よりも約2時間長く、日本の労働基準法で定められた1日8時間を大きく上回ります。

  • 週の総労働時間:平均62.5時間 - これは週休2日制で1日8時間労働の場合の週40時間と比較すると、20時間以上も長い計算になります。

  • バケーション中の労働割合:全体の70% - 驚くべきことに、CEOたちは休暇中でさえも、その時間の7割を仕事関連の活動に費やしていました。

これらの数字から、CEOたちは休暇中であっても仕事から完全に離れることはほとんどなく、常に経営に関する意思決定や調整に時間を割いていることが分かります。多くの人が理想とする「ワークライフバランス」とはかけ離れたように見えますが、企業の命運を握るCEOというポジションの責任の重さ、そして彼らの仕事に対する情熱を考えると、必然的な結果とも言えます。

長時間労働を可能にする、CEOたちの自己管理術

では、CEOたちはどのようにして、これほどの長時間労働をこなしているのでしょうか?その秘訣は、徹底した自己管理にあります。例えば、多くのCEOが、毎朝4時や5時に起床し、メールチェックや情報収集、戦略立案などの「一人時間」を確保しています。この時間帯は、誰にも邪魔されずに集中できるため、最も重要なタスクに取り組むのに適しているのです。また、彼らは限られた時間の中で最大限の成果を上げるために、タイムブロッキングポモドーロ・テクニックなどの時間管理術を駆使していることも明らかになっています。

2. 会議中心のスケジュール:効果的な会議運営が企業を成長に導く

CEOの仕事の中心は「会議」であると言っても過言ではありません。調査によると、CEOたちは労働時間の大半を会議に費やしていることが明らかになりました。

  • 1週間の会議数:平均37回 - 1日あたりに換算すると、約5~6回の会議に出席している計算になります。

  • 会議に費やす時間:全労働時間の72% - これは、CEOの仕事の約4分の3が会議で占められていることを意味します。

  • 会議の形式:61%が対面会議、15%が電話や書類対応、24%が電子メールやSNS - 対面でのコミュニケーションを重視する傾向が見られます。

会議を「時間の無駄」にしないためのCEOの工夫

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