同居人
昨日の夜、眠ろうと思ったらアイツがやってきた。
物音がする。
こんな夜遅くにか…眠たいのにしばらく気が散って寝られそうにないじゃないか。
私は一般的な程度に朝が早いので夜は遅くとも1時には眠っていたい。4~5時間寝られればなんとか日中に支障はないくらいだ。
しかしアイツはその1時頃にやってきた。
いや、本当はもっと前から潜んでいたのかもしれない。
私がいつも通り就寝しようとベッドに入り、アラームが鳴るかどうか確認をし、電気を消し、目を閉じた時、耳元で「ぷぅ〜ん」と羽音がした。
その瞬間、祟られたかのようなスピードで身体を起こし、電気を点け、何度か姿を探したが見つからない。
生憎私は手で叩いて殺すのが気持ち悪くて出来ない。
でもそんな私も勇気を出して何度か両手で叩こうとしてみた!
無理だった。アイツから見たら滑稽だったろう。
全く当たらない私の攻撃は。
止まって見えるわ!とでも言っていただろうか。
それが頭をよぎった瞬間、私は攻撃をやめた。
そっとまた元のように電気を消し、目を閉じた。
蒸し暑く息苦しい夜であったが、耳や口などに入られるのはまっぴらだったので布団を少し被り手足などは犠牲にしようとした。
そして朝、アイツは私に危害を加えておらず、一安心する。
身支度をしてそっと家を出た。
恐らくまだ潜む同居人を後にして。