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~プロローグ~ 海外医学部へ行こう!受験体験記

イタリア医学部 英語医学科を受験して、入学するまでの体験記


202○年、英語が上手になりたい、医師になる、この2つの思いが合わさった結果、海外大学医学部への留学を決意。
そこでまず思いついたのが、最近よく耳にした、ハンガリーやチェコの東欧医学部留学でした。

ここでまず、イギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダではなく東欧を選ぶ人たちの理由は、私を含めて大抵、

・費用が高すぎる
・アメリカは医師になるまで8年→長い
・入学試験の難易度がすごく高い。ネイティブでも難関。入学してからも周りのレベルについていくのが大変。  →留年、卒業できるかという問題
だと思います。

とりあえずネットで調べていると、ハンガリーやチェコ以外の国もヒットし始めました。ブルガリア、ポーランド、そしてついにイタリアが現れました。

「そうか、西欧にも英語医学部クラスがあるんだ!」

留学斡旋会社を通す必要もなく、より都会の医学部に通えるなら、その方が良い。ここで、私は初めて西欧医学部への留学を考え始め、本格的な準備が始まりました。

ヨーロッパの英語医学部の中から第1希望がイタリア、第2はポーランド、第3以降ちょっと忘れたのですが、エストニア、ラトビアなどだったと思います。早速IMATの試験を受けることに決めました。

IMATとはイタリアの国立大学医学部へ行くための共通試験です。
・論理的思考、常識問題
・生物
・化学
・数学、物理
の4構成からなるMCQ(選択問題)計60問の試験です。試験はこれ一つです。面接もありません。英語のcertificateも提出できますが、必須ではありません。

試験登録を決めたとき、締切り丁度1、2週間前で、高校の成績を取り寄せるなど大急ぎで準備をし、無事、締切り3日前に登録完了。試験までは残り1か月でした。

第1志望から順に、比較的都市部から順に地方へと、第15志望まで選んで登録しました。 しかし、これが後ほど大きな間違いだったことに気づきます。理由は後ほど。

一日10時間作戦でいけば、どこか受かるかなあ、と思いながら試験勉強を始めました。

Amazonでイギリスからテキストを取り寄せたり、インターネットを駆使しながら、1日8-10時間の勉強が始まりました。 この時、英語に特化した試験はないので、英会話などの練習は全くせず、IMATの過去問を解きながら、問題の範囲や雰囲気を掴み、それを中心に内容を肉付けしていく勉強を重ねました。

しかし、ここで需要な事実が二つ発覚。
その1、イタリア人学生と、外国人学生は、大学志望方法が異なる。
その2、「常識問題」が毎年2問だけれど、その年は12問に変更。

その1、はイタリア人と外国人学生はランキング方法が違うので、それに伴い、志望校の出し方も変わってきます。 知っていたらもっと安全圏の大学にしたなあ、と思うも時すでに遅し。
これが先ほど言った大きな間違いの理由です。
より詳細は、「各大学の入試試験(内容と体験記)」に記載。


その2、は、「常識問題」はオペラとか、イタリアの歴史、政治、文学、NATO加盟国はどこか、とか、イタリアやヨーロッパよりのものが多いです。毎年2問なので捨てるしかないと諦めていましたが、12問は全体の20%。大きいですよね。

ということで、試験準備の終わり頃、この2つに気づいた私は合格は簡単ではないぞと気づきましたが、試験の練習にもなるし、行ったことのないイタリアがどういう感じかも見られるし、試験会場へ行ってみよう!と、取り敢えずイタリアへ発ったのでした。

―イタリアへ到着―


 ホテルに泊まり、2日後の試験に備えます。  

そして、当日、念のため開場1時間前に到着したのですが、なんだか大学はフェスティバル? 生徒や、明らかに生徒ではない人たち、明るい色の飾りつけ。イベント状態。悪い予感がします。
実は前日に下見に来た際、同じようにイベントをしていましたが、その時は、今日までなのだろう、と思っていました。

しかし、様子は変わっていません。

入口のレセプションの女性に入試のために来たのだけれど、教室はどこでしょうかと聞くと、女性は私が渡した受験票や書類を見ながら、ブースの中から出てきてくれました。 そして眼鏡を上げながら、

「落ち着いて聞いてね。良い?」

悪い予感的中。
どうやら、キャンパスを間違えたらしく、今いるキャンパスは文系学部のようでした。文化祭みたいなものを催しています。
「医学部はここからタクシーで、20分あると着くわ、タクシー乗り場は、こう行ってこうよ」と、親切に教えて下さいました。
イタリアは日本のように流しのタクシーがおらず、電話で呼ぶか、タクシー乗り場へ行くか、になります。

遠くないとはいえ、初めての道を少し迷いながらタクシー乗り場へ着き、タクシーの中では、ここまで来たんだから、テストは無事に受けたい! と念じ続け、なんとか会場へ着きました。(*´Д`)ホッ

うん、こっちは生徒を待っている保護者であろう母親達もいて、ちゃんと試験会場っぽい。教室に試験開始20分前くらいに入ると(勿論一番最後)、監視員がテストの流れを説明をしているところで、「あれ、君、ぎりぎりだね。ま、いいか」と腕時計を見ながら言い、イタリアのゆるさに救われました。  

えてして、なんとか試験は終わり、残りの滞在期間数日、観光して帰りました。
イタリアは一言でいうと、落ち着いた、美しい街です。パリにいたことが昔少しありましたが、落ち着かないんですよね。フレンドリーなのは嬉しいんですが、皆、人との会話が大好きで、10分に一回は話しかけられるんです。カフェでちょっと休みたい、と思っても、また話しかけられてしまう。無視するのも辛いので、会話してしまう。  
それに比べてイタリアはそういうこともなく、重厚感のある街並みも素敵で、イタリア留学準備をこのまま進めることを決めました。

―帰国後―

さて、国立大学合格に確信を持てない私は、帰って早々に私立大学受験の準備を始めました。結果的に受験登録したのは、

イタリアでは
St.Camillus,
Humanitas University,
Universita Vita-Salute San Raffaele,
Cattolica(Roma)(まだBolzanoはなかった)
(この他にイタリア私立英語医学部にはもう1校、Campus Bio Medicoがあります)

ポーランドでは 
Lublin Medical University 

となりました。

かくして無事、受験した中からイタリアとポーランドの大学に合格した私は、また書類手続きやビサ申請をどたばたとなんとか終え、(でも、あらかじめ手順を知っていれば大丈夫ですからね。)無事、イタリア英語医学部への進学を果たしたのでした。

―現在の状況―  

イタリアについて数年。最初の3か月は慣れない生活に気が狂いそうでした(通販が日本のように必ずしもスムーズに届かない、大家さんの干渉など。笑)が、どれにも日本とは違った、つまりイタリア式のやり方、解決策があることを段々と知ってくるので、慣れてからは、問題なく、とても快適です。  

周りの日本人を含めた留学生に聞いても、自国との違いに気を病んでる人、というのはいないです。皆多少の出来事に出会うことはあるでしょうが、大問題というのはなく過ごしているようです。  

これはイタリアの方がいい、と断言できるのは、私にとっては気候でしょうか。
特に夏。年間を通して日本より涼し目ですが、イタリアの夏は湿度が低くカラりとしており、スコールの雨が頻繁に降ります。この雨後がなんともいえない爽やかさで気持ち良いです。  

後は人々のおおらかさです。良い意味で、日本のように常に人を気遣って行動することがなく、のんびりとした雰囲気があります。バスや電車でも混雑時に場所を詰めることはしようとしません。笑 自分のスペースが大切だから。笑  

イタリア人はよく遅刻するなんて言いますが、それも本当です。
教授は例え時間前に教室に着いていても、開始時間を10分過ぎるまで待ってから授業を始めます。(なぜ?) 正確に言うと、10分くらいの細かいカウントはしないんですね。30分が過ぎると遅刻の始まりでしょうか。イタリア南部になるほど長いです。

色々ゆるいのかと思いきや、皆すごく勉強熱心で、休憩時間、教授はいつも生徒に質問を受けていますし、優秀な生徒も多いです。

とりあえず言えるのは、今現在、英語、イタリア語、医学と、存分に学べている環境に、来てよかったなと、私は日々感じ、毎日が充実しています。

ここで私自身の経験談は一旦終わります。 より詳細な説明を次回からはしていきたいと思っておりますので、是非お読みいただければと思います。


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