おすすめの「鉄メロ」を紹介したい(東日本編)

この記事は、Kumano dorm. Advent Calendar 2023(https://adventar.org/calendars/9087)の8日目の記事です。

上の記事では、駅メロや車内チャイムを総合して私が定義した「鉄メロ」について紹介し、実例として馴染のあるかたも多いであろう銀河鉄道999の「鉄メロ」(実態としては駅メロ)に着目してご紹介しました。

この記事では、前の記事で定義した鉄メロ向けに作られたオリジナル系と一般に知られている曲を鉄メロ向けにアレンジ系の垣根を超え、私おすすめの鉄メロをただただ紹介するというものです。読者の方の琴線に触れるものがあれば幸いです。

北海道・東北編

まず、北海道・東北地方で採用されている鉄メロからおすすめのものをまずいくつか、コメントとともにご紹介します。

札幌市営地下鉄接近メロディ「虹と雪のバラード」

地下鉄の列車が入線してくる前に流れる接近メロディですが、なんとも期待と不安が入り混じったような、心揺さぶられるメロディが印象的です。
この曲はもともと1972年の札幌オリンピックのテーマソングであり、2030年冬季オリンピックの機運を盛り上げんとして2019年に設定されたようです。

原曲と比べて少しアップテンポで駅メロ向きに編曲されており、入線メロディとしてとても聞き心地よいものだと思います。先日生まれて初めて札幌へ向かい、このメロディが流れていることを知らずに聴いたときには思わず感激してしまいました。
札幌五輪招致は事実上の撤退か、とも言われていますがその是非に関わらず、この駅メロは使われつづけてほしいなと私は思っております。

東北新幹線福島駅 発車メロディ 「栄冠は君に輝く」

夏の甲子園でおなじみ、名作曲家の古関裕而さんが作曲した「栄冠は君に輝く」が発車メロディに!
原曲の格調高さそのままに、発車メロディらしく爽やかに感じる一曲となっています。個人的には冒頭のアルペジオ(階段を駆け上がるような装飾音符的な一節)がニクいと思ってしまいます。

このメロディは、作曲の古関裕而さんが福島出身であることから、生誕100年を記念して2009年から用いられているようです。長距離の旅立ちの背中を押してくれるような、素晴らしい曲・アレンジだと思います。
私自身生で聴いたことがあるわけではないので、早く聴いてみたいと思っています。

常磐線・磐越東線いわき駅 発車メロディ「フラガール~虹を~」「楽興の時」「春の歌」 (+旧メロディ「ます」)

福島県浜通り地方一の大都市、いわき市の中心駅の発車メロディは、クラシック曲「楽興の時」「春の歌」と、ご当地いわきが舞台の映画「フラガール」の主題歌を組み合わせたラインナップ。どの曲も旅立ちの憂いや旅立ちへの期待を思わせる(個人の感想です)よい曲です。
ちなみに「フラガール」が使われる前の1・2番線のメロディは「ます」が使われており主要駅1駅まるごとクラシック曲という貴重な駅でもありました。
私が以前いわき駅を訪れたのは2016年の年始で、まだ震災の後が少し残っていた時期だったと記憶しています(当時常磐線は竜田止まりでした)。そのような中でも、太平洋を背に雄大なメロディに続いて発車していく列車を見て元気をもらったことが思い出されます。

特急ひたち 車内チャイム 「(通称)ひたちチャイム」

常磐線の特急ひたちの車内放送前に聴ける、通称「ひたちチャイム」です。JR東日本の在来線特急のチャイムの中では(今となっては)数少ない長めのチャイムです。
前半部は普通のチャイムのように聴こえつつ、後半部は音が細かくなるという変化がありながら、最後が落ち着いて終わるのが個人的にはとても好きです。
特急ひたちは現在、最長の列車で東京都の品川駅から宮城県の仙台駅までを結んでいます。常磐線が全線開通した今、是非乗りに行きたいと思っています。

その他おすすめ

他にも、素晴らしいメロディがたくさんあります。すべて上のようにおすすめポイントを書いているととても間に合わないので、箇条書きで紹介します。

などなど。東北新幹線と常磐線には名曲が多い印象がありますので、特に乗車の際には耳を傾けて聴いてみてはいかがでしょうか!

関東甲信越編

関東甲信越地方では、鉄道事業者も駅もとても多いので、採用されているメロディの数も桁違いに多いです。
そんな中から、まずはいくつか厳選してお勧めしたいものをコメントともに紹介します。

京葉線東京駅ほか 発車メロディ「Verde Rayo V2」

いわゆるオリジナル系の発車メロディです。東京駅の他にも同じく京葉線の八丁堀駅と越中島駅、成田線の佐倉駅で使用されています。
繰り返されるアルペジオ(分散和音)がとても印象的で、京葉線東京駅が地下駅である故の反響も相まって荘厳な印象を受ける曲です。

東海道新幹線東京駅 発車メロディ「のぞみチャイム」

東海道新幹線の駅の中で(おそらく)唯一発車メロディが採用されている東京駅ですが、実はこのメロディ、もともと1990年から2003年まで使われていた新幹線のぞみ号の始発・終着駅用の車内チャイムなのです。2008年に発車メロディとして採用され、現在まで使用が続けられています。
もはや発車メロディとして使われている期間の方が長くなっていますが、車内チャイムから発車メロディへ場所を変えても、長距離旅客を見守り続けています。短いながらも明るい曲調が私はとても好きです。

東武亀戸線曳舟駅 発車メロディ「Passenger」

このメロディは、東武鉄道オリジナルの発車メロディの一つで、浅草駅や北千住駅、西新井駅などでも使用されている曲です。東武鉄道には数多くの発車メロディがありますが、その中でも人気の高い曲です。
個人的にはずっと鳴っているストリングスがいい味を出しているのではないかと思っています。
かつては東武東上線の池袋駅でも使用されており、向かい側の山手線ホームまで響く少し憂いも感じられるようなメロディが印象に残っている方も多いようです。

京急本線品川駅 接近メロディ「赤い電車」+羽田空港行チャイム「空港チャイム」

趣向の変わったメロディとして、京急品川駅のメロディを挙げようと思います。京急品川駅では、列車が入線する前にくるりの「赤い電車」のメロディが流れますが、さらに羽田空港行の電車については空港でよく聞く4点チャイムも流れます。
空港でおなじみのチャイムをまさか駅で聴くとは、と最初の衝撃は非常に大きかったように記憶しています。

その他おすすめ

そのほかにも、鉄道会社も駅も列車も多いためおすすめしたいメロディは数多くあります。以下に挙げます。

まだまだ紹介しきれない魅力あふれる曲がありますが、時間がないのでこれで関東甲信越地方を後にしようと思います。

中部編

筆者自身が中部地方の鉄道に疎いため、もしかしたら存じ上げない名曲があるかもしれませんがご了承ください。以下では、私が聞いてビビッと来たメロディをご紹介します。

中央線特急しなの他 JR東海特急車内チャイム (通称:ワイドビューチャイム」)

JR東海の特急列車の旅のおともと言えばこれ!という曲です。分散和音から始まり、旅への高揚感を演出してくれる素敵な一曲だと思います(おそらく私は鉄メロの分散和音が大好きなんだと思います)。
新型車両に置き換わった特急「ひだ」「南紀」では聞くことができませんが、それ以外の特急ではまだまだ健在です。

高山本線特急ひだ他 JR東海HC85系特急車両車内チャイム「アルプスの牧場」

上の「ワイドビューチャイム」の節で述べた、特急「ひだ」「南紀」の現在の車内チャイムがこれです。この曲は、新型特急車両HC85系の導入に伴い採用されたものですが、実は主に国鉄時代の気動車急行・特急で使用された車内チャイム「アルプスの牧場」のアレンジになっています。
アルプスの牧場はJR北海道でもアレンジされて車内チャイムとしても使用されていますが、このHC85系でのアレンジはギターを用いた非常に快活なアレンジです。
「ワイドビューチャイム」の人気が非常に高かったゆえに、車内チャイムの置き換えに惜しむ声も見られましたが、一方で「後任がこの曲ならこれはこれで素敵」などという声も聞かれ、こちらもかなり好評のようです。やはり国鉄気動車急行・特急を彷彿とさせる曲が令和に復活したことが盛り上がりを生んだのではないかと私は思っています。

近鉄名古屋駅 名阪特急(現在はアーバンライナーのみ)発車メロディ「ドナウ川のさざなみ」

なんとも物悲しいメロディが非常に印象深いこの曲。
なんと45年も前の1978年から発車メロディとして採用されている曲で、かつては近鉄名古屋駅から発車するすべての特急の発車メロディとして使われていたようです。
現在は賢島・鳥羽方面の特急に「Around the world」(サッポロビール「大人エレベーター」のCMでもおなじみ!)が、特急しまかぜに「真珠」が、特急ひのとりに「ひかりの鐘」が割り当てられ、名阪特急のうちひのとりが使用されない名阪甲特急(現在はアーバンライナーに統一)のみで聴くことができます。(他の近鉄名古屋駅特急発車メロディ→https://www.youtube.com/watch?v=d1LouXGAAog&t=63s)
長いこと使われている発車メロディだけに、多くの人の思い出が詰まった曲と言えそうです。

北陸新幹線 糸魚川駅・黒部宇奈月温泉駅・富山駅・新高岡駅・金沢駅接近メロディ「鉄道唱歌」

こちらは、北陸新幹線のJR西日本管内で採用されている接近メロディです。鉄道唱歌は上述のアルプスの牧場と同様に、国鉄電車特急列車で車内チャイムとして採用されていました。元の鉄道唱歌は、明治時代に作られた曲で、鉄道の旅を描写する歌詞が長く続く曲です。
車内チャイムでお馴染みだったこの曲から、北陸新幹線の旅が始まるとはとても素敵だな、と思う筆者でした。

西日本編はまたの機会に

本当はこの後に西日本のおすすめを書き連ねたかったのですが、9日目はおろかクリスマスになってしまったので、この続きはまた改めて書こうと思います。

それではみなさま、良いお年をお迎えください。

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