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苦土(マグネシウム)について
土壌診断の結果リン酸と苦土の欠乏している圃場が多くみられました。前回はリン酸について調べましたが今回は苦土について調べてみました。
1、マグネシウム(Mg)について
苦土は、作物の栄養となる炭水化物を合成している葉緑素の主成分です。
苦土が欠乏すると葉緑素の生成が低下し、光合成が衰えて炭水化物の合成が減ります。また、苦土はリン酸、ケイ酸との相乗効果や植物体内の重要酵素の活性剤としても大切な役割を果たしています。
2、欠乏症
古い葉や果実のなっている付近の葉で、葉脈の間や葉の縁が黄色くなったり、イチゴやバラでは葉脈の間に不規則な黒い斑点ができ、生育不良となります。
下の葉は薄く黄色くなり落ちることがあります。また果実の発育が悪く、全体的に収量が減少する可能性があります。
3、過剰症
土壌中のカルシウムに対するマグネシウムの割合が高くなると生育障害があらわれます。またマグネシウムが過剰な土壌ではマンガン、亜鉛、ホウ素などの吸収が阻害され、これら微量要素の欠乏症が誘発されます。
4、土壌物理性に与える影響
マグネシウムは土壌と土壌をひっつける接着剤のような効果を持ちます。これにより通気性の良い砂質および高有機物土壌に非常に役立ちます。マグネシウムの接着剤のような効果は、土壌凝集体の安定性と形成に影響を及ぼします。
ただし、土壌粒子が過剰に引き寄せられると、重い機械や耕作による土壌の圧縮が困難になる可能性もあります。
この点で、土壌マグネシウムと土壌カルシウムの比率を理解することが重要であり、これらの材料による施肥が土壌構造に与える影響を観察および監視することが重要です。
5、酢酸苦土
有機酸マグネシウムにすることで、2価の陽イオンであるマグネシウム(Mg)が、さらに作物へ吸収しやすい状態になります。さらに、2価のマグネシウムは、酵素の補因子となるので、酵素活性も高めます。
マグネシウムは重要な要素です。堆肥でリン酸を補いながら苦土もしっかり聞かせて吸収効率をあげていきたいです。
今年は酢酸カルマグも試してみようとおもいます。
ありがとうございました。