NO-TILL "TBACCO ROAD FARM"
新オーガニック認証でも取り入れられているNO-TILL(不耕起や表層耕起)栽培。まだまだ日本ではなじみも薄く、脊髄反射的にいやがる農家さんもいます。不耕起栽培は自然栽培で取り入れられている栽培方法でどこか非科学的で思想の強い人が取り入れている栽培方法のイメージがあるのかもしれません。
しかし前回ロデイル研究所でも不耕起栽培で育てた野菜は収量と品質も高く、土壌環境やCO2を削減するメリットを紹介しました。
今回はアメリカでNO-TILL栽培をしているタバコロードファームを紹介したいと思います。
1、農場の基本的情報
タバコロードファーム(ブライアン・オハラ)
・栽培面積 3エイカー(2.4㏊)
・春から夏に栽培期間。冬の間は緑肥作物で覆っておく。
・20年以上の栽培経験
・韓国自然農法を取り入れている
2、栽培方法の特徴
ブライアンの栽培の特徴は太陽熱を使った除草と害虫対策。そして大量の堆肥と緑肥栽培です。
まず堆肥を入れる理由としてあげるのは、ミミズが堆肥を食べて土壌を肥沃にしてくれるからです。堆肥はミミズと土壌微生物にの為に畑に散布しています。堆肥の材料としては植物性の物で藁や落ち葉、バークを混合して作っています。毎年7トン/1反もの堆肥を入れているとの事です。ブライアンは耕耘しないので、堆肥は表面にマルチングされる事になります。
そこで問題になってくるのが、ナメクジなどの害虫の問題です。
ブライアンはナメクジ対処方法として、透明マルチを使った日本でもおなじみの太陽熱マルチをオススメしています。
以前は一般的な農家のやり方のように耕耘をしていましたが、耕耘してしまうと土が乾燥しやすく、土に保持された肥料も離れてしまい、土壌微生物も少なくなる事に気がつきます。
そこで彼は不耕起栽培を始めて、毎年多くの実験を重ねながら土壌を作ってきました。そして2012年に全ての圃場で耕起栽培を辞めました。
不耕起の為のステップとして、まずは深く耕耘する事を辞めて固定畝栽培方法を取り入れて表層耕起に切り替えしました。次に耕耘機を農場から無くして最後には耕耘する事なく栽培出来るようになりました。
次回は堆肥と太陽熱マルチについて紹介できればと思います。