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フードフォレストとは?/Geoff Lawton

食べられる森(フードフォレスト)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?今回から少しずつ日本でも注目されてきているフードフォレストについて紹介したいと思います。

Geoff Lawtonは、イギリス生まれのオーストラリアで活躍しています。世界的に有名なパーマカルチャーのコンサルタント、デザイナー、教師でとして活躍している人です。

森林は、植物、動物、菌類の多様性を持つ生態系です。それらは自然によって完璧なバランスを持つように設計されました。食物森林は、異なるバランスの取れた要素が食物を生産するこのバージョンです。自然が生態系をどのように作り出すかを理解すると、生産的な種をモデルにして、最小の投入で最大の出力を得られるように持続可能な食物を生産することができます。
森林には層があります。

一番上は(1)樹冠層で、次に(2)下層の木、(3)低木と灌木、そして(4)草本層へと下がっていきます。地下には(5)根収穫物があり、地表には(6)地面を覆うものがあります。また、(7)つる植物の垂直層もあります。これらの層はすべての空間を占有するように働きます。食物森林を設計する際には、これらの層を利益のために働かせます。

設計された食物森林では、植物は気候によって変わります。亜熱帯では、タマリロが下層に機能し、この層にはフェホア、グアバ、シトラスなどの生産的な木もあります。タロ、ココヤム、キャッサバは根収穫物です。また、バナナのような大きなハーブもあります。食物森林には、アイスクリームビーン、ティプアナティプ、カスアリナなどの大型サポート種も含まれます。これらは栄養素を循環させて森林を支えます。また、アカシア、ルケーナ、カシア、アルビジアなどの下層のサポート樹木もあります。これらのサポート種の多くは、最終的には大型の生産種、ローズアップル、桑、ジャックフルーツ、ブニャ松、ペカン、マンゴーに取って代わられます。すべての層が占有されていると、システムは非常に安定します。

私たちは、サポート種を果樹と同時に栽培して食物を植え、サポート種を管理して生産種を保護し、生産性を向上させることができます。または、サポート種だけを始めることもできますが、生産種だけを始めるべきではありません。それは彼らを健康に保つために多くの投入と労力を必要とするからです。サポート種は初期の年代では質量の95%までを占めることがあり、その多くは窒素固定種です。我々はサポート種を管理し、降雨が蒸発よりも多いときに剪定することで、その生命サイクルを加速します。時間と共に、サポート種からの質量は減少し、生産植物からの質量は増加する。最終的には、森林の95%が生産種となる。これが時間と空間の中でスタックする方法です。

つまり、私たちは森林が成長する方法を操作し、特にそれを加速させて私たちの利益に働かせています。雨季には窒素固定レギュームをポラードして日光を入れ、その後、再生を通じて乾季には日陰を供給できます。最終的には、これらのレギュームをさらに低く切って生産種にそのスペースを譲ることができます。最後には、それらを地面まで切り、完全に取り除くことができます。これが私たちが倒れた森により迅速に土壌を肥沃にする方法です。
また、動物を使ってプロセスを助けることもできます。大型の草食動物は、小さな植物を植えるまでの間、エリアを放牧してクリアすることができます。ニワトリやアヒルは地面を準備するために通過することができます。木が確立したら、ニワトリとアヒルはエリアをきれいにし、低い植物のサイクルを早めるために戻ってくることができます。我々はただシステムを見守り、動物を生産性向上の計画に従って働かせる必要があります。

食物森林は、多様で安定した生態系として機能します。土壌の生産は絶えず、肥沃さは絶えず増しています。生産はノンストップです。システムは実際に時間を経て自己を複製します。この種の庭は、我々自身のニーズを供給しながら、我々を地球上で最も有益な動物にすることができます。

フードフォレストとは何でしょうか?

私たちは森のエキスパートです。森は多種多様な植物、動物、菌類がすべてが調和し、多種多様なレイヤーが相互反応する生態系として機能しています。自然に設計され、完璧なバランスのシステムとして維持されます。

そのシステムに食料生産システムを加える事を想像してみてください。そのシステムはより効率的な生産方法になります。それがフードフォレストです。

自然がどのように森林システムを設計し、自己維持し、自己複製するかを理解することで、生産的な種でそのシステムをモデル化することができます。
最小限の投入で最大限の生産量を可能にし、世界一最も持続可能な方法で食料を生産できるように出来ます。

世界中のどこにいても、それは長期的かつ永続的な状況で実際に設計および操作できる食物の森システムです。

すべての森にはレイヤーがあるため、最初はキャノピー レイヤー、つまり上部層から始めます。次に、下部層があり、その下に低木層があり、非木本植物である草本層まで下ります。そして地下層(根っこ)になります。中にはでんぷん質の大きな根っこを持つ植物があります。

そして地表面にはグランドカバーがあって、垂直に伸びていく植物もいます。すべての森にこれらのレイヤーがあります。

熱帯地方では、アブラヤシも加えることが出来ます。

さまざまな気候で変化する可能性があります。しかし、すべてのレイヤーの基本的な見本があります。フードフォレストをデザインするとき、私たちはそのレイヤー毎のステムを私たちが利用できる植物を植え付け、それぞれの機能を掛け合わせて持続可能な生産性の高い森を設計します。

ここ亜熱帯では、下層にはとしてタマリロがあります。そして、タロイモ、カカオ、キャッサバが根っこの層の植物になります。それは気候によって異なります。

次に、下層部分に食料になるフェイジョア、グアバ、柑橘類、大きなバナナなどの木を植えます。そして、アイスクリームビーンやティプアナティプ、カシュアリーナなどの森の機能性をサポートしてくれる植物も植えます。

これは大きな木ですが、この木が森の窒素固定菌などの働きで養分を循環させることで森を支え続けています。アカシアやギンネムおよびアルビジア種ような木です。

それらはすべて非常に優れています。すぐに機能して窒素を固定し、葉っぱも細かくなって地面を覆ってくれて土壌に素早く炭素を供給してくれます。

ここにはローズアップルや桑の木があります。また世界最大の果物であるジャックフルーツがあります。そしてとても大きな木の実であるブンヤパインや落葉樹であるピーカンがあって冬になると葉を落とします。

私たちは古くから知られているマンゴーを、大きな高層木として植えています。これらはすべてのレイヤーが完成して占有されている場合に非常に安定したシステム内のスペースを占有するものです。果樹と同時にサポート種を植栽し、管理します。食べれられる果樹などを保護・育成することでフードフォレストを作ることができます。

または、安定したキャノピーが得られるまで、先駆的なサポート種を植えることもできます。しかし、他の方法で使いたくありません。

果樹などの食用の植物だけ育てるために肥料などを多く投入したいとは思っていません。マメ科植物などのサポート種は初期の質量の最大 95% のバイオマスマルチを生成します。

私たちはこれらを剪定し、これらの木は土壌に窒素を放出します。なぜなら、マメ科植物は昔から知られていますが窒素固定菌をもっているからです。

窒素固定菌とは土壌中の空気から窒素を取り込み、それを植物の体に取り込む、根粒菌のパートナーであり土壌中にいます。 そして最終的には死んだあとそこから窒素が土壌に加えらます。

マメ科植物を輪作しながら肥料、土壌改良、腐植を加えていきます。

マメ科植物のマルチの層を時間をかけて積み重ねてるために、選定を行います。乾燥していて、蒸発する水の量が降雨よりも多い乾燥した期間は日陰が必要なので日陰を残します。しかし、降水量が増え、蒸発量よりも多くなるとすぐ食用の果樹などはすぐに太陽光を受けて成長していきます。

最終的に食用植物は 95% で、サポート植物は 5% になります。私たちはただ時間をかけて空間を埋めるのではなく循環スピードをアップさせます。

これらのマメ科のサポート ツリーは、枝を短く切り取ります。少し厳しいように見えるかもしれませんが、すぐにまた成長し始めます。ここで小さな芽があちこちに見ることができます。そして、それらはすべて同じです。再成長により、美しい色合いが得られます。これは暑い時期に雨が降って蒸発が起こったとき重宝する果樹の苗木です。

後でもっと定期的にカットして土に与え続けます。そして、最終的にはそれらを切り払ってしまうかもしれません。より低い位置で伐採しそれはさらに数回芽を出します。マルチを追加し続け、最終的には、地表面で伐採します。葉を成長させないでください。そこで木は枯れます。

それは私たちが選択した結果です。

私たちは実際に森をコントロールしてフードフォレストに成長するようにしています。

私たちは、その成長の仕方を自分たちにとって利用しやすいようにしていきます。ここでは、伐採された木の再成長が見られます。

亜熱帯では ほんの数ヶ月でこのようなマメ科の木に成長します。温暖な気候では年に 1 回、熱帯地方では 6 か月に 1 回、3 か月に 1 回です。

気候の中で森のサイクルをコントロールしているので、落ち葉が森の土壌に栄養を与え、木がどのように倒木するのか設計しています。

私たちはまた家畜を飼育する事で食料生産量を増やすことが出来ます。

大きな動物と小さな動物を一緒に飼育することが出来ます。小さ動物は邪魔にならないようにする必要があります。

ニワトリやアヒルを飼育すると地面をひっかいて整地してくれます。

そしてその後、木々が立ち上がると、ニワトリとアヒル修正を利用して、システムをスピードアップすることができます。そうすれば、私たちは動物を共生して利益を得ることができると同時に、生産性を高めることができます。

私はアヒルによって回復されたフードフォレストに座っています。ここのこのセクションは、メンテナンスが十分に行われておらず、非常に多くの長くて塊状の草や、雑草がはえてしまいました。周囲にフェンス、仮囲い、電気柵を設置しましたが電化すら準備で来ていません。
マスコビーアヒルを100羽ほど投入して、わずか 3 週間で、アヒルは環境を完全に変えました。アヒルは緑色のものをほとんどを食べてしまい、地面を平らにしました。

アヒルは土壌に肥料を与えて整えてくれるのでサポート種と果樹の植え替えの準備が出来ます。

このダイナミックなプロセスを使えば時間を短縮でき、私たちは多様でインタラクティブな安定性をもたらす植物の集合体全体を組み込むことができます。そしておそらく、このイベントが再び発生することなく、すぐにメンテナンスに進むことができます。

これは、動物との相互作用から再植までの時間を有効に活用しています。これは、もしメンテナンスで失敗したときにいつでも実行できます。


ちょうど 3 週間前、アヒルがここにいました。これで復旧しました。サポート種と果樹を植えました。追加のグラウンドカバーを設置し、周囲に小さな歩道を設けています。木の剪定、枝の剪定は輪郭の途中まで行っており、それはまだ途中の段階で、おそらくこれから恒久的な安定したシステムに入ります。

フードフォレストは生きた生態系として機能します。
そして、それらは非常に多様で、非常に安定しています。
そして、現代の農業には、このようなものはありません。
これほど多様で、安定していて、肥沃なものはありません。

土壌の肥沃土は一定して増加し生産力も衰えることはありません。

生産物の多様性は増加し続けます。フードフォレストシステムでは
時間の経過とともに自己複製するシステムがあります。最小の投入量で平方メートルあたりの生産量がこれほど多くなるシステムは他になく、都市農業でも実績のあるシステムです。

「世界のあらゆる問題は庭で解決できる」という私の名言を聞いたことがある人は多いでしょう。しかし、多くの人がその引用について知らないのは、私が庭と言っているのは、フードフォレストの事だということです。

フードフォレストはどこでも機能します。そして、このシステムは、世界中で永続的な安全性を提供します。私たち全員がこの同じ方向に向かえば、世界のすべての問題を解決できることを人々に理解してもらう必要があります。
フードフォレストガーデンが私たちの必要なものをすべてを供給します。

実際、私たち人類は、この地球上で最も有益な要素になる可能性があるのです。

「フードフォレスト」という森に可能性を感じていただけたら幸いです。

ありがとうございました。

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