土壌作りについて
土壌作りについての勉強会がありました。特に興味深いテーマを選んでまとめました。
1、堆肥の役割と判断基準
まず堆肥の役割5つに分けると
1、土壌団粒を作る(水溶性炭水化物)
2、豊富な有用微生物とその餌になる
3、有機のチッソを補給する
4、ミネラルを可溶化する力がある
5、水溶性炭水化物が地力として働く(太陽光が少なくても光合成の代わりにエネルギーを作り出す)→有機農業の神髄
になります。特に最後の水溶性炭水化物が地中にあることによって曇りの多い季節などでも慣行農法に比べて病気になりにくく収量も安定していることに繋がっています。
堆肥を見極めるポイント
1、匂い
強いアンモニア臭がするものは危険 未熟で生の可能性が高い
2、色の濃さ(グラデーション)
お湯でわいて、濃い紅茶か薄いコーヒーにような色合い
3、ぬるぬる感
ぬるぬるする場合はセルロースが糖化されてる証拠。
ざらざらするものは未熟な状態
4、腐敗実験
堆肥を水、ぬるま湯に浸して数日間常温で放置する。
水際にカビが生えたり、腐敗臭がしたら危険な堆肥。いい堆肥は腐敗臭がしない。
5、質の高い堆肥にはチョウチョやミツバチがよってくる
質の高い堆肥はセルロースが分解されて糖に変わっているので良い匂いがする。だから甘いにおいに誘われてチョウチョやミツバチがよってくる。
これは目から鱗の情報でした。ミツバチを飼っているので、その視点でも堆肥を観察していきたいと思います。
2、水は肥料という考え方
作物は水がもっとも基本的であり且つ重要な肥料です。表層が湿っていても、地下深いところで土が乾燥しているケースも多い。有機の多収穫栽培では少量多灌水で土を土を常に湿らせる技術が必要。枯れない程度の灌水ではなく元気に育ってもらうためにしっかり灌水を行う必要がある。ですのでテンションメーターを使って積極的に土壌水分を計測する必要があると感じました。
3、カルシウムの重要性について
・カルシウムはpH調整の為だけでは無く、病害虫抵抗力も高める効果がある。
・根を生長させる
・細胞壁を強化する
・炭水化物を移行させる
作物は生育中期から成熟期にかけて石灰を多く吸収する。石灰には同化養分を貯蔵期間に移行させる機能がある。
・異常気象に強くなる
高温、低温、乾燥に強くなる。米国ウイスコンシン大学のジワン・バルタ博士の研究によるとジャガイモの栽培で夏の高温や霜にも強くなったという。
・高糖度のゴボウ栽培に置いて根っこを病原菌から守るために石灰施肥を行う
カルシウムについては前回の記事でもまとめています。
4、緑肥作物の栽培ポイント
・緑肥の種類は繊維の多いソルゴーを使う
・飼料用の高糖度ソルゴーに炭水化物が特に多い
・ソルゴーはミネラルを施肥して吸わせる
・ソルゴーは穂が出る前に刈り取る
・緑肥は出来るだけ細かく粉砕する
・直接鋤込む場合は有効菌と一緒にする
緑肥を今年は試してみたいと考えていたのでソルゴーも試してみたいと思いました。イネ科とマメ科で相性も良さそうです。
菌体資材は花まもり菌という共生農業でも紹介した微生物が乳酸菌、枯草菌、納豆菌、酵母、酵素などが含まれる有用菌群です。
普通は1ヶ月鋤込んでからかかるという事ですがこの菌を使えばもう少し定植を早められるかもしれません。さらにマルチもしているのでなおさら分解は早い気がします。
今回は興味深い内容が多く実践したいと思える事がいくつかあったので早速今年から実践していきたいです。
ありがとうございました。