10月21日(金)FXデイトレード売買方針
【 マーケット概況 】トラスショック再び
英国政治・経済政策の先行き不透明感を背景にポンド売りが先行。高インフレの長期化や英中銀(BOE)の大幅利上げが景気後退を深刻化させるとの懸念からポンドドルは一時1.1171ドルと日通し安値を付けました。その中で大規模減税策をきっかけに市場を混乱させたトラス英首相が辞任を表明すると、ポンドを買い戻す動きが優勢に。欧米株高に伴うリスク・オンのドル売りも出て、一時1.1336ドルまで上値を伸ばしました。トラス氏の辞任は首相就任からわずか44日で、在任期間は歴代最短。
注目のドル円動向は、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いがこの日も継続。日本時間夕刻に一時150.08円まで上昇。ただ、心理的節目である150円台に乗せた達成感から利食いが出ると上値が重く、政府・日銀による為替介入への警戒感も根強いことから、24時前に一時149.56円と日通し安値を更新。ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が「年末までに金利は4%を大きく上回る」と述べ、クック米連邦準備理事会(FRB)理事が「インフレは依然として容認できないほど高い」と発言したこともあってドル買いを支えました。
ユーロドルは米国株式市場が上昇して始まるとリスク・オンのドル売りが先行。ポンドドルの上昇につれた買いも入り、一時0.9845ドルと日通し高値を更新。ただ、米国株相場が下げに転じると一転ドル買い戻しが優勢に。米10年債利回りが4.24%台まで上昇したことも相場の重しとなり、0.9773ドル付近まで押し戻された形で行って来いのジリ高。
欧州株式市場は、ロンドンでは英政治の不透明感を嫌気した売りが先行したものの、大規模減税策をきっかけに市場を混乱させたトラス英首相が辞任を表明すると買い戻しが優勢となり反発。フランクフルトは9月独生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったことをきっかけに、欧州中央銀行(ECB)による金融引き締め強化への警戒感が高まり売りが先行したものの、米国株が大幅に反発すると独株にも買いが波及したため引けにかけて持ち直し反発。
米国株式市場は、好決算を発表した銘柄中心に買いが先行するも、米10年債利回りが一時4.2409%前後と08年6月以来の高水準を更新すると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが広がりダウ・ナスダックは共に続落。
米国債券相場は、FRBの大幅利上げが続くとの見方が強まる中、債券売りが優勢となり、FRB高官からタカ派的な発言もあって続落、利回りは一時4.2409%前後と08年6月以来の高水準を更新。
原油先物は、供給懸念を背景とした昨日からの買いの流れが継続される中、ドル高が進行するとドル取引の見地から割高感が強まり、上げ幅を縮小するも続伸。金先物は、NY序盤は外国為替市場でドル安が進んだ影響で割安感から買いが先行、米長期金利の大幅上昇でドルが一転上昇すると上値が重く、行って来いのジリ安で終わっています。
【 主な経済指標 】
英国の指標は弱く出ました。
【昨日の結果と本日のデイトレ売買方針 】
昨日はユーロドルとポンドドルの戻り売りでしたが、トラス辞任のヘッドラインで串刺しとなりあっけなくストップ。-50pipsでした。
今日は英国の直近の不安は払拭されても首を挿げ替えて経済効果が出るわけもなく、野党の支持率が上がっている中で総選挙となれば混迷の極み。今年は想定外の事象が多いので、金曜日という条件もあって、絞って通貨を選ぶ事にします。目線はドル買い。ヘッジでユーロスイスの買い。
ドル円はテクニカルで買い継続のなか、介入警戒感もありますが、気のせいか緊迫感が薄く、ここで介入しないならどこで実弾投入するのか、というレベルまで踏みあがっています。目先は150.500が節目です。ここから売りを入れようと思います。押し目買いも考えましたが、押目が150の05と150ジャスト。金曜日という事でここまで押すと思わぬ調整も出るかもしれず、正直、押し目買いは怖いです。ストップを浅くしても介入時はスプレッド拡大でストップという恐れもあり、ただただ虚無かなと。今日はおとなしくユーロドルの戻り売り。返事のユーロスイス押し目買い。逆張りのドル円は150.50からの売りで週越しも視野に。
【ユーロドル】ドル買いよりもユーロ売りかもしれない。
ダウントレンドは継続中ですが足場を固めている雰囲気もあります。21EMAを下抜け、昨日は上ヒゲも長く、安心して売れる場面かなとも思います。
不安材料としては、半値戻しが先月の二番底と合致しており、三角持ち合いの中で最大に振れるとしたら0.98636が意識される事。上抜ける材料が乏しいので、地政学的リスクの軽減ですが・・・・・無いですね、多分。
昨日と同じゾーンで考えています。Fibo-Pivotが縮小気味なのでサポート3やレジスタンス3は抵触しやすいかもしれません。
【ユーロスイス】テクニカルで注文したくなりました。
安直なのですが、一目の雲を抜けました。21EMAも上向いていてアップトレンドに見えます。今月の高値を抜けて上抜けた事象を評価して、押し目買いとします。利食いは先月の高値ちょい下を狙います。
エントリーは昨日の安値付近から、ストップは水曜日の安値付近でFibo-PivotのS3下で。
【ドル円】介入通貨に落ちぶれたのでレベル感のみ
もはやテクニカルなど通用しない介入通貨の円。もうレベル感しかありませんね。動きとしては欧州前に150の50、オプションの攻防戦となっていますが、介入警戒感が頭を押さえています。日本時間内で介入が無い場合はゴマルをタッチさせる動きも出やすいので、インターバンクが残業して欧米時間に備えて日銀からの連絡待ちとなるのか・・・・見どころですね。
【 所感 知らんけど 】トラス・・・・・お疲れさん
英国の次期首相については、ブックメーカーによると、次の保守党党首の最有力候補はリシ・スナク元財務相、続いてペニー・モーダント前国防相だ。経済を巡る見解の違いから党内の亀裂は深まっており、2024年の実施が予想される総選挙を前に、どの候補が党をまとめられるかは不明。正直、誰もやりたがらないと言うのが本音だと思います。今後は、1週間後にはトラス首相から次期首相候補が指名され議会承認という流れ。ポンドは売り継続でサプライズで買われることがあっても売りが優勢になるという見解です。
トラス氏の経済政策のなかで、1970年代以来の大型減税案を打ち出した為、歳入不足が懸念されポンドは売られることになりました。これによって国債価格は急落し利回りは急上昇、ポンドドルはパリティ割れに向かう中、BOEは国債を買い支えていると、インフレ抑制へ追加利上げするのと憶測から住宅ローン金利が上昇。光熱費も確実に値上がりすることは避けられなかったため、支持率は7%まで落ち込んでしまった、という流れでした。マーケットは当然のごとく反応しましたが、トラス氏辞任は多少のサプライズであったものの、結果としてリセッションは避けられないので、対ドルでのパリティ割れを先送りできたという印象です。
ここから画期的な大逆転があるならば、プーチン失脚によるウクライナ戦争終結と原油・天然ガスの下落が材料です。しかし、棚からぼた餅はまず望めず、英国が自力でリセッション回避するのは到底無理な話。これは英国だけではなくイタリアなども深刻な状況で、EU経済圏はフランスとドイツが頼みの綱となっています。
追加:22日中国共産党大会が閉幕します。習近平の肩の荷が下りますので、23日未明からのウクライナ戦争のロシア動向に警戒しましょう。
では
今日も負けないトレードを!
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