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「HRT(ホルモン補充療法)導入を考える際に知っておきたい更年期障害のあれこれ」と「私の体験」

更年期の定義
閉経を挟む前後5年ずつ、計10年間ほどの期間を言う。そしてこの時期に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少する。 
※閉経とは:月経が永久停止する事。具体的には最終月経から1年経過して初めて閉経したと言える。
※女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)がある。
更年期障害
女性ホルモン(エストロゲン)の減少により起こる様々な症状。生殖器は元よりいろいろな器官に作用している為、症状は多種多様。
●精神神経系…うつ、イライラ、不眠、頭痛、めまい、物忘れ、耳鳴りなど
●筋・骨格系…腰痛、関節痛、肩こりなど
●血管運動神経系…のぼせ、発汗、動悸、冷えなど
●消化器系…吐き気、食欲低下、便秘、下痢など
●泌尿生殖器系…頻尿、尿もれ、性交痛など
また下記のような症状や生活習慣病なども更年期以降発症する場合も。
骨粗鬆症、高脂血症、動脈硬化、甲状腺機能異常、認知症など
更年期の治療法
●HRT(ホルモン補充療法)…経口剤、貼付剤、ジェル剤がある。
●漢方薬…加味逍遙散、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散など
●抗うつ薬、抗不安薬など
●プラセンタ注射
各人の症状に応じて選択するのが良いと思います。
【HRTの種類】
○経口剤:エストロゲン製剤、黄体ホルモン製剤、エストロゲン+黄体ホルモン配合剤
○貼付剤:エストロゲン製剤、エストロゲン+黄体ホルモン混合剤
○ジェル剤:エストロゲン製剤
【投与法】
○周期的投与法
閉経間もない方に。エストロゲン製剤と一緒にある一定期間だけ黄体ホルモン製剤を使用する。定期的に月経のような出血あり。
○持続的投与法
エストロゲン製剤+黄体ホルモン製剤、若しくはエストロゲン製剤のみを使用。使用開始後多少出血などあるが、時間の経過と共になくなる。
※エストロゲン製剤のみの投与は疾病などなんらかの理由で子宮を切除してしまっている方に適用。子宮を有している方はエストロゲン製剤+黄体ホルモン製剤の両方の投与となる。黄体ホルモン製剤を併用することで子宮体がんのリスクが減らせる為。
【それぞれの薬の利点】
◎貼付剤、ジェル剤
皮膚から吸収される為、肝臓や胃腸への負担を気にしなくて良い。ジェルは毎日腕に塗るだけ。貼付剤は週に2回貼り替えるだけ。飲み忘れなどの煩雑さが無い。
◎経口剤
種類が多い為、症状に応じての細かい処方に対応出来る。骨粗鬆症に対応してるものなどもある。
【副作用】
不規則な出血、乳房の張り、腹部の張り、むくみなど
HRT(ホルモン補充療法)によるリスク
●血栓症:肥満の人や高齢者では少し増える。
●脳卒中:高血圧の人や薬に含まれるエストロゲン量が多い場合に少し増える。
●乳がん:エストロゲンと黄体ホルモンを5年以上併用した場合わずかに増える。エストロゲンのみの使用では増加は認められていない。(下記画像参照)
婦人科受診について
初診の場合でも電話やネットなどで受診予約を受け付けている婦人科が多いです。あくまで個人的見解ですが、産科併設医院よりレディースクリニックと謳っているような婦人科に特化している個人医院の方が話しが早いような気がします。また女性医師のほうが患者に対する理解度もあるような。自分の場合ホットフラッシュという分かりやすい症状があったためか、即日薬を処方してもらえました。
以下初診時に行うであろう事。
●問診…月経の有無、閉経からの期間、既往歴、生活習慣、現在困っている症状など聞かれます。問診票に記入する場合も。
●内診…子宮頸がん、子宮体がんなどを調べる。
●血液検査…ホルモン値、コレステロール値、中性脂肪、貧血の有無、肝機能など
●乳房検査…乳がんの有無
●身体測定…身長、体重、血圧
自分の場合、乳房検査だけはかかった医院に設備が無かったため、紹介された別の医院に行き検査。後日検査結果を報告という形になりました。
【自分の場合(現在52才既婚子無し)】

2018年
・50才秋、初めての生理不順。この頃初めてのホットフラッシュを体験。また中性脂肪値も少し上がり始める。生理が来てる時はホットフラッシュにならない。

2019年
・51才春、最終月経。夏以降、ホットフラッシュ頻発。加えて初めてのギックリ腰、以降腰痛持ち。「命の母」を、試すが効かず。冬頃から手指に違和感。腫れてるような感じ。

2020年
・52才春、手指の違和感悪化、ばね指に。夏、かかりつけの内科受診、更年期障害用の漢方を処方してもらう。桂枝茯苓丸だったと思う。しばらく服用するが、これも効かず。婦人科に受診する事を決意(ちょっと大袈裟w)。
・秋(9/7)、婦人科受診。内診時に痛みを感じる。膣萎縮もあるんだなぁと。医師と相談し、貼付剤(メノエイドコンビパッチ)を選択し処方してもらう。ヘソの周りに貼る。貼り替えは週に2回。楽チン。最初は腕に塗るジェルにしてもらおうかと思っていたが、ジェルの場合エストロゲン製剤のみなので黄体ホルモン製剤も別途服用する必要がある為、楽チンな方にした。

・9/7から服用(貼付剤)を始めて1週間でピタリとホットフラッシュが止まる。腰痛、ばね指は変わらず。
・9/23に2回目受診。1回目の検査の結果を聞く。中性脂肪152(基準値50〜149)、LDLコレステロール195(基準値70〜139)と高め。FSH87.1(卵胞刺激ホルモン・閉経後50以上になる)、エストラジオール10以下(エストロゲンの一種・閉経後39以下になる)。脳下垂体から卵胞刺激ホルモンが出てエストロゲン出せよー!って言ってるのに出てないっていう分かりやすい数値w  乳がん、子宮頸がんは今のところ問題無し。ただし前回の内診時に子宮頸管ポリープが見つかったので様子見て取りますとの事。
・10/19に3回目受診。内診。かねて見つかったポリープ切除。まぁまぁの大きさ。銀杏くらいかな。(秋だしねw)  ポリープは生検に出している最中なので、結果待ち。受診の前日くらいから少し出血有り。薬の副作用にある出血と思われる。生理が終わる頃に出るような微量の出血。おりものシートで対処出来る程度の。
・10/29、微量の出血は続いている。それ以外の副作用的な症状は無し。腰痛は少し楽になってきている。ばね指は相変わらず。身体の変化で感じているのはここ最近身体が硬くなったなと感じていたのだが、柔らかく(というか以前に戻った)なってきた。また肌の張りも少し戻ったような気がする。
・11/2、婦人科受診。子宮頸管ポリープの生検結果は良性。9割がた良性と聞いていたので特に心配はしてなかったがひとまず安心。微量の出血は止まっている。次回受診は12/6。
・11/12〜13頃腹部の張りを感じる。11/14から再びの出血。今後も生理様の出血が周期的に来るって事なのか?
断続的に少量出血中。おりものっぽいものも。
・12/6、婦人科受診。血圧正常。出血に関しては半年くらいすれば落ち着いて無くなるはずと説明される。次回受診時に子宮体がん検査するとのこと。
ばね指は少し良くなってきた。腰痛も。
・12/15〜17出血量少し増える。赤みが増して生理っぽい出血。下っ腹が張っている感じ。
・12/18〜12/23微量の出血。
・12/24出血止まる。

2021年(52才〜53才)
・1/4婦人科受診。子宮体がん検査の為、内診。内診時の痛み軽減。膣萎縮が良くなってきている(って言うのかな?)ようだ。まぁまぁ奥まで検査器具を挿入。多少の違和感と鈍痛。下っ腹が重たいなぁって感じ。検査後も継続して下っ腹が重たい。
が、下っ腹の重たさは特別な事ではないようなので特に心配は無し。検査後2時間で下っ腹の重さは無くなった。
一応、抗菌薬としてクロマイ膣錠が入ってるらしい。
細胞診なので検査結果は後日。
・1/5〜7出血量少し増える。赤みが増してる。
・1/8微量な出血に。
・1/17〜26ほぼ出血無し。
・1/27〜29出血量少し増える。生理様というまでではない。腹部の張りも無い感じ。
・1/30微量な出血に。
・2/4〜ほぼ出血無し。
・2/8婦人科受診。前回行った子宮体がんの検査結果を聞く。陰性でした。
ばね指はほぼ解消。腰痛は良くなってきているが油断すると…という感じ
・2/9〜14おりものっぽいもの。
・2/15極微量な出血。
・2/20出血無し。
・3/5〜7極微量な出血。
・3/8出血無し。
・3/15婦人科受診。次回血液検査をする予定。
・3/16〜18極微量な出血。
・3/19少量出血。
・3/20出血無し。
・3/20〜4/11ほぼ出血無し。おりものっぽいもの少々。
・4/12婦人科受診。採血。次回結果。
・4/13〜24ほぼ出血なし。おりものっぽいもの少々。
・53才になる。
・4/26微量出血。
・4/28少量出血。
・4/29生理っぽい出血。下っ腹の重さなどは無し。
・5/1出血無し。
・5/4〜5微量出血。
・5/6〜9生理っぽい出血。まあまあの量。下っ腹が少し重たい。
(シールの貼り替えを忘れたりしてたの事と因果関係があるのか?)
・5/11出血無し。
・5/17婦人科検診。前回の血液検査の結果を聞く。
FSH  87.1→35.4(50以下ならまずまず)
エストラジオール 10.0以下→29.6(閉経後39.0以下)
先生からまずまずの数値になったと言われる。
・5/19微量の出血。
・5/21出血量増加。生理様。
・5/23出血無し。
・6/1少量ではあるが生理っぽい出血。
・6/6微量の出血。
・6/10出血無し。
・6/13微量の出血。
・6/15〜18軽め生理様出血。下っ腹重さ無し。
・6/19〜28微量の出血。
・6/21婦人科検診。不正出血を受けての内診。異常無し。貼付剤を厳密に日を決めて貼ってるのかを問われ、たまに1日ズレたりすると返答するとそのせいで不正出血の可能性があるので、日を厳守する事と言われる。暫く気を付けて厳守する事に。
結果はまた後ほど。
・6/29生理様の出血。
・7/3出血無し。
・7/13生理様の出血。軽め。
・7/15微量の出血。
・7/20生理様の出血。軽め。
・7/23出血無し。
・7/26婦人科検診。出血がある事に関してもう少し様子見。加齢により少し上がっていた血圧は下がった。(96-65)ホットフラッシュは無い。薬はそのまま続ける。
・8/3少量の出血。
・8/6微量の出血。
・8/8出血無し。
・9/13婦人科検診。問診のみ。次回血液検査。
・9/28少量の出血。
・10/2出血無し。
・10/18婦人科健診。血液検査。結果は次回。
・11/15前回の血液検査の結果を聞く。中性脂肪70(基準値50〜149)、LDLコレステロール224(基準値70〜139)と高い。FSH64.5(卵胞刺激ホルモン・閉経後50以上になる)、エストラジオール10以下(エストロゲンの一種・閉経後39以下になる)。
数値は相変わらずではあるが、更年期障害の症状、不正出血などは出ていないので良し。
LDLコレステロール値が高いので投薬開始。(プラバスタチンNa錠10mg「MED」)
・12/20婦人科検診。内診。昨年子宮頸管ポリープを取ったが、今のところ特に問題無し。前月から高脂血症の薬を投薬開始したので次回血液検査。

2022年(53才〜54才)
・1/24婦人科検診。高LDLコレステロール値を下げる為の投薬後の(プラバスタチンNa錠10mg「MED」)数値を見る為の血液検査。結果は次回。
・2/21婦人科検診。血液検査の結果を聞く。
LDLコレステロール値は153 (基準値70〜139)。下がっては来たがまだ高い。中性脂肪値は47 (基準値50〜149)。
※前回は中性脂肪70、LDLコレステロール224だった。
FSH38.8(卵胞刺激ホルモン・閉経後50以上になる)、エストラジオール17.9以下(エストロゲンの一種・閉経後39以下になる)。
まずまず。
・3/28婦人科検診。次回血液検査?
・3/29〜31久しぶりに生理様出血。
シールの貼付日、1日ずれた時があったので、そのせい?
・54歳になる。
・4/30ほんの少し出血。
・5/16婦人科検診。血液検査。
出血があった事を報告。次回内診。
・6/6婦人科健診。血液検査の結果を聞く。内診。
LDLコレステロール値は156(基準値70〜139)。下がっては来たがまだ高い。中性脂肪値は176c(基準値50〜149)。
食事後2時間位の採血だった為、中性脂肪値にc(乳び)がつく。
※乳び
http://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/60.html
一応緩やかに値は下がってきているという診断を受ける。
内診は異常無し。
・7/11婦人科健診。
軽い問診で終わる。
・8/29婦人科健診。
軽い問診、今まで5週間分だった薬を6週間分にしてもらえないかと訊いたら許可を得たのでラッキーだw


※ばね指:妊娠時や更年期などのホルモン変化がある時期、手をよく動かす仕事や生活(家事など)をしている人がなりやすいそう。腱鞘炎の一種。仕事が料理人で趣味が和太鼓の自分。なるべくしてなったとも言える。
【友人Aの場合(51才)2020年】
不眠、うつなど心的症状。
まずは漢方を試したらしい。…効果無し
HRT(ホルモン補充療法)…効果無し
睡眠導入剤…効果有り、だが今は辞めている。
現在はジムに通い運動…完全に良くなった訳ではないが、多少眠れるようになった模様。
【友人Bの場合(52才)2020年】
かつて辛くない程度にホットフラッシュはあったが、今は無い。膝の痛みがあるのでグルコサミンやるか考えていると言っていた。更年期障害用の薬は一切用いていない。軽いジョギングなど行なっている。
最後に
自分は仕事柄(料理人)、夏の厨房の暑さに耐えきれずHRT(ホルモン補充療法)を選択。始めて良かったと思っている。まだ始めて間もないし、そんなに色々なケースを知っているわけではないが、更年期の症状が身体に現れる人にはHRT(ホルモン補充療法)は効く可能性大。心の方に現れる人にはあまり効かないのかも。友人には効かなかったがネットなどの情報によると漢方は効く場合がありそう。
それから今まで婦人科系の検診はほぼスルーして(ダメな大人だw)きたのだが、実際行ってみるとそんなに嫌な感じではなかった。お医者さんとの相性もあると思うが。乳房検査の時、マンモグラフィとエコーをと言われたが、マンモは…と私が渋っているとリスクを説明してくれた上でやらないという選択肢をくれたのはありがたかった。
読んでいただきありがとうございました。また身体に変化などあれば書き足します。

https://menolabo.astellas.com/menomagazine/menopause/estrogen-progesterone.html?twclid=11490978160154144774

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