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たかがメロンソーダー

なぜ、メロンソーダーなのかと思った。
途中で分かった、色で選ばれたのね。
いや、昨晩見たドラマの話だ。物語の起点がメロンソーダーだった。ドラマの途中でそれが解明される時に、アップにしなくても鮮やかな緑色が目を引きつけた。上手い、と思った。

イチゴが赤で、パインが黄色で、メロンが緑。私が子どもだった昭和30年代、私が飲んでいたのは水に溶かして飲む粉末ジュース(もちろん果汁0%)だった。当時の贅沢は喫茶店でメロンソーダーを飲ませてもらうこと。どっちにしてもメロンの偽物。
イチゴもパインもメロンも高かった。特にメロンは別格で、家で「メロンよ」と言われて食べていたのは瓜だった。
私のメロン観は、メロンそのものではなくこれらのメロンジュースもどきによって形成されたのだ。大人になって高級なメロンを食べたが、ぼんやりした味でメロンらしくないと思った(刷り込みの威力)。

自然体が尊ばれるこの時代になっても、人工着色メロンソーダーは売られているのが不思議だ。
色の勝利だ、と思う。あの鮮やかな緑色がなかったら、今頃メロンソーダーは廃れていただろう。メロンを絞っただけの本物のメロンジュースしかなくて、もちろん、ドラマなどお呼びでない。


メロンソーダーの色について検索したら、こんなサイトがあった。

◎岩瀬商店(株)サイト
https://www.iwase-shoten.co.jp/colorname-263/

これを見ると、ドラマとメロンソーダーの関係がより鮮明になってきた。
無印良品から出ているメロンソーダーは天然着色料を使った今時の色。
あー、でもこのドラマには合わない。

私がメロンソーダ―だとしたら(どういう仮定だ)、無印良品みたいな色合の年代だと思うが、何者かになろうともがくドラマを見ている内に、私のメロン色(?)の彩度と明度が上がった気分になった。
メロンソーダーこそ、エバーグリーンの象徴なのだな。


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