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† 1月4日、木曜日。 まだまだ寒く雪降り積もる中、無情にもサラリーマンやOLは今日から仕事である。 しかし、自営業の真城姫羽と、音楽教室でドラムを教えている月川史也は、至って暇であった。 そんな2人が暇だと言う事は、無職生活を謳歌している龍堂永志が大変忙しく、非常に迷惑していると言う事である。 「じゃあ、早速やりますか?毎年恒例の、年末年始報告会。そう言えば今年は、記念すべき5周年だね!」 姫羽はそう言って、器の中の餅に黄粉をかけた。
4月30日 木曜日 ―現実― ○ キーンコーンカーンコーン。 鐘の音。 授業が終わり、生徒は放課となった。 校庭に立つ桜並木の花は全て散ってしまい、今は緑の葉が青々と茂っている。 「帰ろ…あれ、ど、どうしたのっ?もしかして、また具合悪くなっちゃった?」 思絵は、いつも一緒に帰っている礼名に声を掛けた。 しかし、礼名は机に伏せたまま動こうとしない。 「ごめん、思絵。すぐ治るから、もうちょっと待ってて…」 礼名はそう言