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「旅行番組の向こう側」春名真依出演

この企画を聞いた時に思い浮かべたのはビートルズの「マジカルミステリーツアー」なんですよね。タイトルを聞くとすぐにメロディが思い浮かぶ超有名な楽曲。アルバムもめちゃくちゃ売れたけど、ビートルズのメンバーが台本なしで映画を作ったら面白いモノができるんじゃねー?的なアイデアで作られた映像作品は、それはもうひどい出来で、ビートルズのメンバーがバスに乗って旅行しても何も起こることはない。彼らは音楽で圧倒的にすごい魔法を使えても、バラエティ力やトーク力がある訳てもないというシビアな現実を世間に知らしめてしまった訳ですが、その点、春名真依さんはロケ番組のキャリアが圧倒的で、それはもうこれからが楽しみと言うしかないのであります。(私の中ではビートルズもたこやきレインボーも同列なんですよね)

この番組のいいところは、旅の目的が「ささやかなこと」だと思うんです。
あの時、食べそこなったものが食べてみたいとか。でも、時間が経過してるわけで、それがあるとは限らない。普通の旅番組だったら、それが今でも販売されてるか事前に調べて、先方にアポを取って...という段取りをするのが普通だと思うし、その段取りがなかったようにみせるのが演出というもの。
でも、本来の旅は、予定通りにいかないことをどれだけ楽しめるのかということこそに価値があると思うのです
思い通りにいかないことに実はすごい意味がある。
そして、寄り道して見つけたこと体験したことこそに特別な価値がある。そこでかけがえのないものと出会ったり、気づかされることもある。

「旅番組の向こう側」というタイトルから感じられるのは、そういった本来の意味での旅なんじゃないかと感じました。

「記憶をたどる旅の物語」は、エンタメの普遍的テーマのひとつでもある。小説でも映画でもドラマでも名作や秀作がホントに多くて基本はずしがない。最近だったら「葬送のフリーレン」がそうですね。古いドラマでは倉本聰の「幻の町」、演劇だったら岸田戯曲賞を受賞した宮沢章夫の「ヒネミ」がある。映画だったら数え切れないほどにある。
旅番組というバラエティで、このテーマをあつかうというのは、とても面白いと思うのです。

春名真依さんは、おそろしいまでのメモ魔として知られてますから、きっとそこからたくさんの旅がうまれると思うのですが、私が得に印象深いのは春名真依さんがはからずも泣いてしまったり、身体をはるようなロケをしたシーン。
つかたこレインボーロードでは、勝負で負けてしまって動物園でエミューの餌やりをしたり、海岸で海辺の生き物を見つけるというミッションで撮れ高を気にするあまりにひたすらボケて、その結果、ランキングで最下位になってしまったり、関西サイクルスポーツセンターではトレーニングマシンのような自転車がまったく動かせずに泣き出してしまったり、ムチャミタスではブルーメの丘の巨大アスレチックで、「たこやきレインボーのメンバーや!」といって勇気を振り絞ってチャレンジしたシーンも印象深いです。
もうホントにいくらでも出てきますが、いちばんいって欲しいなって思うところが関東になってしまいますけど、ももクロのリリースイベントで春名真依さんがスカウトされたショッピングモールかなーって思います。春名真依さんの出発点といえる場所で何を語るのか聞いてみたいって思っています。

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