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内閣不信任案決議提出決定!〜前後の話題〜
決戦の金曜日6月16日は、14時まで永田町に居ただけでも盛り沢山でした。前日の夜、岸田首相が「解散はない」とハッキリ述べた事から、ムードはだいぶ変わっていましたが、まだ、この日の午前中には、緊迫したムードが漂っていた事は強く印象に残っています。
この日の泉代表の言葉は、本会議を含めると5回発信されています。後からわかった事も含めてこの日を認めて行こうと思います。
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1、立憲民主党 泉代表定例記者会見
前回のブログで、10:30からの記者会見の模様については記録させていただきました。泉代表は、これから臨時執行役員会を開いて、内閣不信任案を出すかどうかの最終決定を行うと述べました。その為にいつも11:30まで行う記者会見を11:10で切り上げたのです。
▼参照:会見動画(オフィシャル)※記事は前回のページをご覧ください。
https://www.youtube.com/live/cdXlHHPLBuc?feature=share
この日もいつものように冒頭発言と質疑応答を行いました。解散はなくなったとはいえ、気を抜かない、という気構えと、解散権を容易に振り翳した内閣についての疑念を述べられました。解散風はあくまでマスコミの噂であり、岸田総理はずっと解散を否定していたわけですが、泉代表は、全て岸田総理の責任としてお話しされました。
この日は、不信任決議案より前に、他野党との合同法案の提出がありましたので、それに触れました。国家公務員の人事院と公務員庁設置や、国家公務員の働き方に関する重要法案です。社民党や国民民主党との共同法案です。前後関係について記者から問われ、「配慮は当然あった」と答えられています。
▼当該法案の提出の模様(オフィシャル)
質疑応答の時間には、もう一つ、ちょっと驚くことがありました。NHK記者から代表が知らされた事には、この日の早い時間に、立憲民主党の議員が53名同意したと言う「野党一本化を望む有志の会」が、執行部に断らず会見を開いたと言うのです。これも詳細は後述します。
何も聞いていなかった泉代表は、メンバーが誰なのか記者に尋ねました。記者は小川淳也さん、小沢一郎さん、手塚よしおさん、と答えました。相次ぐ内外からのプレッシャーに慄くかと思いきや、泉代表は「言うは易しだが、私だってそうしたい。早速、仲間達の意見を聞いてみます!」と、クッションに着地する様な柔らかな言葉で対応しました。
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2、臨時役員会後、不信任案提出決定ぶら下がり会見
11:30頃、臨時執行役員会(代表・代表代行・幹事長・国対委員長・政調会長・選対委員長・常任幹事会長・参議院議員会長)での正式な決定を受け、記者達に報告を行い質問を受ける短い会見(ぶら下がり会見)が行われ、提出の意義が説明されました。
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https://cdp-japan.jp/news/20230616_6287
質問に答える中で代表は、『格差是正のためには税制を本気で変えていくことが必要』と強調し、現政権には税制に取り組む様子がないことから『国民生活を無視した政治に対し、NO!を表明することは当然』と判断したことを伝えました。
他党に対しての呼びかけとして記者に問われると、こう答えました。
「内閣不信任案は1国会1回のみ許されている。”全体的に見てこの政権を信任するのかしないのか”を表明できる唯一の機会なのです。これをどう活用するか、各野党が自問自答するべきです。内閣不信任案の重みを正しく理解してもらい、最終的に自分達の立場を決める判断をして欲しい。」
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後に出されたTBSの詳細記事によると、泉代表は解散の可能性が否めない状況の中、我が身を顧みず、内閣不信任案決議を準備していたそうです。その様子を調べて確認した岸田首相は、解散をしない考えをはっきりと木曜日夕方に、周囲に述べた様です。
でも、待ってくださいよ。
内閣不信任案ならば、内閣総辞職の間違いでしょう?
それなのに、なんの話。。。
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3、本会議前の「代議士会」に於ける宣誓
この代議士会と言うものを実質、初めて目の当たりにしました。これらは代議士会は本会議の前に行われるのでしょうか。お互いの意気を上げるために集まり、登壇者に決意表明させる会でした。筆者にとっても珍しい風景です。
登壇者は本番での拍手や野次に対抗して励ましの声かけや後見・見守りをお願いするのです。10分から15分で終わります。
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難しいことはあまり言わず、飲み会での挨拶のように元気に全体に語りかけ、着席している党員は拍手と掛け声で励ましたます。
この日は賛成討論の石川香織(北海道選出)、最年少の馬場雄基(福島県選出)が、泉代表の前にマイクを持ちました。
「緊張して昼に何を食べたのか覚えてません!」
「頑張りますので、ご声援、宜しくお願いいたします!」
・・・といった発言でした。
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国会議事堂本会議場でも、「よし!」とか聞こえますよね。あれを予め、お互いに近いところでやるようなもの。楽しそうでした。立憲民主党の議員の皆さんの仲の良さや、国会の活気がよくわかる場面でした。
ですから、若い方を党員に募るのに、関心を持っていただく材料になるのかな、と思われました。
5、本会議(不信任決議案読み上げと趣旨弁明、及び賛成討論)
本会議が始まると、一番最初に泉代表による、内閣不信任案決議の趣旨弁明です。冒頭、衆院解散をちらつかせながら結局は解散せずに、国会議員だけでなく、全国の自治体を混乱させた岸田総理に対し「まるで火遊びだ」「自らの権限と影響力を理解していない」とその職掌に対する軽々しい考え方を指摘しました。
筆者にとっては、実際に立憲民主党の国対が解散に合わせて動いていたことを物語る一節です。これに関しては加味する情報がありましたので後述します。助けてもらったのにそんなこというの?って、山本太郎さんの懲罰動議に関しても「最初から仕組まれた冤罪やん、おまんら俺に一体何すんのや!」と、ね。無理も無いっす。まあ、泉さん一気に5Kgも痩せたらしい。自分の地位だけじゃない、解散となれば衆議院議員みんなクビですからね。
▲泉健太代表の部分のみ聞きたい方は、shiminjichiさんの動画をどうぞ
細部においては、今国会に於ける岸田政権の所業には、多くの問題があることをあげました。上記のオフィシャル記事から引用しますと、泉代表の趣旨弁明内容は目次にして以下の通り。
(1)防衛政策の戦略性に欠ける
(迎撃できぬトマホーク400発てどうなの?)
(2)子育て支援策の財源
(社会保険料を上げて可処分所得を減らせば意味なし)
(3)天下り規制問題
(省庁OBを介しての天下りが後を絶たぬ。共同法案有り)
(4)経済対策
(物価高・電気代・燃料費高騰・中小企業経営難への補填足りぬ)
(5)マイナンバーカード問題
(不具合山積から根本問題懸念、一旦立ち止まれ)
(6)総理側近の相次ぐ辞任
(国民の付託の意味取り違え、内閣運営の自覚気薄)
(7)調査研究広報滞在費改革
(文書交通費、数期に渡る先送り。自らを律する気配なし)
(8)人権を尊重しない政治
(入管法・LGBT法・憲法審議における意識の低さ)
(9)同性婚の法制化
(理解に止まらず、個人情報保護法に鑑みた法整備必要)
特に、防衛費を現状の2倍であるGDP比2%にすることについて「中身が真に戦略的に効率的に使われているのか真摯に議論して国民の理解を得なければいけない」とし、特に復興特別所得税の流用を批判しました。急すぎる防衛力整備に関する財源確保のスキームは財政民主主義を揺るがすものであり禁じ手であると述べました。
説明責任に対する姿勢・隠ぺい体質・再考できない性質の内閣では、直面する安全保障環境に臨機応変に立ち向かえないとして、効果的な強化は望めないだろう、と評しました。防衛費で国民の生活分野、農業など他の予算を強烈に圧迫をすれば、むしろわが国の日本の将来を危うくしていく、と訴えました。
内面的なものとそこから導き出される結果の話をしており、一般の方にとってもかなり、毎日の生活の中での経験から、しっくりくる内容ではないでしょうか。この辺は、皆同じ気持ちですよね。。。
また、今特に国民の注目が集まっているマイナンバーカードに関し、従来の健康保険証を廃止し一体化するにあたり「医療情報とプライバシーに密接に関連し、また生命と健康に関する情報をめぐるトラブルでもあり、極めて深刻な事態だ」と述べました。立憲民主党は従来の保険証の存続を厚生労働省にも申し入れをしましたが、政権はかたくなに拒み続けているようです。
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マイナンバー制度を押し付けたいが為に、認めようとしません。
まあ、内容的にまあ、創価(公明)推進の気配も強いですが。
さて、泉代表の後ですが、自民党の伊藤達也議員が、岸田政権を庇う反対討論を述べ、次に立憲民主党では、泉代表と同じ北海道出身の石川香織議員が賛成討論を行いました。
石川議員は冒頭に、「岸田首相が自ら解散風を吹かせるとは珍しい。自作自演の一人芝居だった」とこき下ろしました。ここでも立憲はメディアの意図的な情報頒布やその煽り暴走を批判することを避け、岸田総理一人の責任にしようとしています。何かありそうですね!?
これは後ほどジャーナリスト鈴木哲夫氏の表現を持って証明して行きますが、立憲民主党の中にも16日の解散を望み、之をマスコミや一部与党と内通しながら、強引にムードで推し進めようとした塊があったことを、暗に示していると、筆者は思っています。
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石川香織議員は賛成討論で、立憲民主党が提案している法案のアピールをしながら、財政、子育て、入管法、大臣辞任劇、マイナンバー、食糧安全保障など、満遍なく問題点に触れて、泉代表の不信任案決議をサポートしました。
特に第一次産業の割合の大きい北海道出身として、酪農家については「生産基盤を弱体化させることに予算をつけている!」と非難し、「お金を出せば食料が買える時代は過ぎ去っている」、と強く警告を発しました。これは非常に今時議論であります。
最後には、「政治の側が姑息な手を使うことは許されない。経済政策にしても、トリクルダウンなど起きなかった。空虚な政治が席巻しても、クールを装っている場合ではない。我々は暑苦しいほどの情熱を持って政治に当たるしかない!」と強い意気を示し、喝采を浴びました。
その後、維新の堀場幸子議員が岸田政権は「可」であると評して反対討論、共産党の宮本徹議員が賛成討論を行い「軍事栄えて民滅ぶ」と断じ、インボイス制度についても指摘しました。次に公明党の岡本二成議員が反対討論、国民民主党の浅野哲議員が「公務員法に協力したのに不信任案をその後に出すなど、立憲民主党には騙されたように思えてならない。悪質な行為だ!」と罵る反対討論へと続きました。
まあ、なぜ、不信任案決議が悪質なのか?吃驚しちゃいましたね。
今回、共産党を除く他野党は棄権したり、与党追随で反対したり、でしたので、内閣不信任案は共同提出にはなりませんでした。事前に協力要請がなかったと言う言い訳もあれば、自党の三代表の懲罰動議に賛成した立憲民主党に反発する、れいわ新選組などもありました。
6、本会議後、泉代表のぶら下がり会見の模様
全ての賛成・及び反対討論を経て、投票、否決、その本会議終了後、泉代表のぶら下がり記者会見です。この時間、筆者は既に永田町を後にしており、配信で拝見させていただきました。
泉代表は「即否決されてしまったものの、国民の皆さんと問題を共有できたはずだと思っている。そして、立憲民主党は国民のために働いている政党だと示すことができたと思う」と口火を切りました。
「国民生活にもっと予算を投じなくてはならない。なのに現政権は、防衛増税、社会保険料と、生活に喘ぐ一般国民の負担を増やしている。また、今回の解散騒動でもわかるように、解散権を軽く扱った。国会議員の存在を軽んじている。各法律の審議においては当事者に寄り添わない。そのような政権のあり方には不信任を示すしかありません。」
そして、維新の会、国民民主党、れいわ新選組と言った他野党から「年中行事のようで意味がないように思われるので、賛同しない」と言われたことについて「それは、国会のルールや一つ一つの技の意味、重要性、重みというものを理解していないからです。ひいては民主主義をよく理解していないと言うことになりますから、大変残念です。」
「そういう政党はですね、年中行事が馬鹿らしいのであれば、代表質問もやめればいい、議員立法もやめればいい、他の法案採決もやめたらいい、全部、国会の年中行事ですから、くだらなく思うのであれば、全部やめたらいいんです。」
結構、キョーレツ、と言うか、辛辣になってきました。親や部活の先生に叱られる感じです。しかしここはベテランとして言うべきを言ったと言えるでしょうー。国会運営の細部の意義については、玉木さんより詳しい泉代表です。尊敬する政治家を見つめて学んできたんでしょう。国会議員の矜持とロマンがあり、過去の国会と未来の国会がクロスします。遥か昔の幼い頃の、「決意」さえ感じられます。
防衛費とその財源案については、可決といえどもこれで許したわけではなく、全国で衆院選まで、「運動」として訴えていくつもりだと決意を述べられました。こう言った事では、支持母体である市民連合との連携は、今後も続いていく事でしょう。
続いて記者に、他の野党が不信任案に賛成しなかったことは、本来どう言ったことなのか?と解説を求められ
「それはつまりは、信任ですよ。政府の今の在り方に賛成したと言うことになる。つまりは具体的に言えば、防衛費に賛成、社会保険料の引き上げに賛成、本当に欲しいところを外したような子育て予算にも賛成、文書通信費にもあのままで賛成。そう言うことです。」
「その姿勢が各野党から示されたんです。日本はこれで大丈夫でしょうか。あなた達は、この内閣を信任できるのか?じゃあ、今までの言論闘争は、一体何だったのか?まさに貴方達こそ、“やってるフリ”はするけど、全体としては賛成?まさにそれ、口だけじゃないですか。」
「内閣を信任すると言う事も、とても重たいことです。各野党のトップには、良く自覚して頂きたい。」と、言うような事を答えました。
しかし冷静に考えてみれば、これだけ酷い、三権分立を無視するような岸田内閣は、羊の皮を被った狼と同様です。その意味で考えれば、国会開催前から重要法案の道筋を決定し、事実上の作業を始めてしまっていた言語道断の内閣を看過する方が、どうかしていませんか?
結局マスコミに弄ばれ、懲罰工作に足元を掬われて、国民の方を向いた判断ができていなかったのは、どちらでしょう?今回はまんまと、撹乱及び離間工作にも応じてしまい、残した足跡からすれば「信任」も「棄権」も、大きな判断ミスだったのではないかと。。。
だって、、、教科書から大きく逸脱したこの内閣の在り方で良いと思いますか?臨時国会終了後、防衛費の増大・原発再稼働及び永遠の日米共同研究への予算付けが決定されたんですよ?和平の国が、額ありきの防衛費増大。上司の米大統領に褒められる事で、総理大臣が自分の地位を守っています。
国民の生活も命の保障も蔑ろにされ、長く日本国民を守ってきた日本国憲法が踏み倒され続けているのです。選挙だって全国で投票場の早仕舞いや、夜半過ぎのコピー票積み上げなど、公正でありません。
結果から見ると、不信任案を出さなかった野党は、「解散風に怯えて勇気も萎んだのかな?」なんて言われそうです。不信任→解散、を本気にして、自分の身分を守ろうとしたという側面もありますからね。
結局は、自民党の遠藤総務会長の悪態を騒ぎにしたマスコミの取り上げ方もむしろ何処かの策略ではないのか?と、思わざるを得ません。
7、立憲民主党のルーツ、市民連合から申し入れが!!
さて、ここで泉執行部の記者たちへの発表内容とは異なる意思を有しているとする党議員が集まり、独自の意見表明があったと言う別のプレッシャーはどうなった?と、皆さん今でも思っているでしょう。そうー、此処で一旦、午前中の話題に戻ります。
この日の早い時間に、立憲民主党の53名が賛同する「衆院選における野党候補一本化に努力する有志の会」が突然の記者会見を行いました。
泉代表が、マスコミに調教とも言えるバッシングを受け、マスコミを本気にした若手に「他党に構うな、背水の陣を引け」と突き上げられ、「わかりました、野党共闘はしません」なんて言わされたばっかりですが、そうすると党内がざわついて「それでは収まりが付かない」と言う野党共闘思考の議員達がの集まった、と言うのです。
コレは党内クーデターではないのよ、と小川氏は言っています。
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泉代表に言わせるとまさに、「他党支持者への依存」を切実な必要として表現した様にも見えました。「16日に解散かもよ」とストレスをかけられていた所属議員は、任期半分にも満たないのに目の前に選挙がきたのかと憂い、これまでの票を失うのではないかと不安な心中を吐露したような形にも見えました。
依存と言われても、、、支持母体なんだよなあ。。というわけで。
実は、前日15日に、立憲民主党が結党した時の支持母体である市民連合から「やはり投票するには統一候補が欲しい」という正式な申し入れがあったので」と言うのが真相の様です。
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懇談を重ねてきた手塚仁雄議員(市民連合めぐせたが選挙が、支持母体の市民連合に対して窓口となり、市民連合に支持されて来た議員たちが「そこに確かに呼応している」と言う絵図を、市民達に見せたもの、と言えると思います。
合併前の立憲民主党は、立憲デモクラシーの会と市民連合が母体になり、集団的自衛権に反対を唱える大学生たちとその父母によるキャンペーンの応援を得て、初回にして議席を伸ばした政党です。彼等は文字通り、政治に憲法を守らせる事を求めていました。
決意したのは、枝野さんや長妻さん、辻元さんらでしたが、決して枝野前代表のカリスマだけで大勝したわけではありません。彼等の街で繰り広げたキャンペーンが無党派層をも惹きつけたのです。学者も、その先生に付いている学生や有識者達も多く「彼等」の中に含まれます。
つまりは、立憲民主党の初期の支持者自体が「政策を何としてでも実現しなくてはならないのに、共産党では勝つこと自体が許されない」と感じていた、野党統一候補を望む方達で、アカデミズムな方々を多く含んでいるのでした。
実際は、維新の会も、国民民主党も、れいわ新選組も、下克上を目指していますので、今後の選挙における共闘には取り合いません。候補者を降ろすトップダウンが確かに問題なく遂行されるのは、共産党しか今の所ありません。実質的には、税金の拠出を特定企業や外国ではなく、国民生活の方に向けるという内容で、政策はいくつも折り合うところがあります。候補者の予想得票数が予め開くと予測される選挙区には、調整が入るのかもしれません。
8、本会議後、国民民主党の玉木代表会見
珍しく、控え室での代表会見が放映されました。さすがは玉木さん、分析というか認識がクリアでしたので、「今回の解散騒ぎは、日テレとフジテレビが流して解散風がワサワサしたものであって、政治家の側は揺さ振られ過ぎだったね。どんと構えて、むしろ今、必要な政策に向かいわなきゃいけないのに」と、サラリと仰いました。
次の解散のタイミングは秋と言うのが、メディアを始めとする諸説では一番強い説ではあるとしながらも「総理は今回、揺さぶりと引き締めを内外に対して行われたのかな。むしろ黄金の3年間を手にしている、という原点に戻ればいいんじゃないかな。」と力を抜いて仰いました。
しかし、トレンドである憲法改正については熱弁で、「次の選挙までに国会の招集権なども含めて憲法改正を成し遂げる必要があるのではないでしょうか?それまでは選挙は無い、解散しない、というスタンスにするべきかもしれない」とまで、語気を強めて仰いました。
少し落ち込んでいる風もあり、泉代表の会見の影響で、叱られた様な心持ちになっているのかな、と感じたところ、記者の質問には毅然と
「他党のスタンスに対し、決めつけた発言をすると、野党の分断が進んでしまうよ」と、少し淋しそうに仰いました。「泉代表はとても頑張っているのに、党の人間達が彼の足を引っ張るなんて、なんて政党なんだと思いますね。」と、立憲の弱味を突きました。
何故、不信任決議に反対したのか?中身は良く見たのか?との問いに、
「我々だって身分が掛かってるんだから、不信任案に協力して貰いたいのなら、それなりに野党としての汗のかきかたがある筈です。93年の様に本当に不信任案を成立させる気があるのであれば、成功率を高める努力があるでしょ。事前調整は全くありませんでしたからね。」
「それに何故、防衛費財源確保法案が通った後に、内閣不信任案決議なの?って思うよね。実際は国対の駆け引きもあったのだろうけど。」
本当に「実質信任」で良かったのか?との問いに、
「討論でも述べたが、100%信任ではない。我々は与党に心を開いてもらって政策を実現する事に重きを置きたい。不信任案決議も、フォーマットに沿ってやるばかりでは、既に有権者に響かなくなっているのではないかと思うんです。それを繰り返していても何も物事が動かない中でむしろ、与党の中に手を突っ込んで掻き回す位の事はしなくちゃ何も出来ないと言う風に僕は思ったんです。」
お、、思わぬ本音を口にしました。なんとそんな事を思っていたとは。小さなワンマン政党ならではの身の軽さ、という利点を、玉木代表は存分に活かしたいのだな、と思いました。しかし当然、民意のボトムである立憲民主党は、そんな事をするべきではない、立場が違うとはこの事ですね。
ただ、今回の少しばかりしょげた玉木代表の様子を見て、やはり解散があれば、今回、維新と国民民主党の躍進も望めていたのかな?と、勘ぐりたくなりました。6/9のニコニコ動画では非常に元気があり、自身の展望を思い切り話しています。
このインタビューで、野党共闘の為に候補者を降ろすなどとは、公募をしているので言えない、と野党の選挙協力をハッキリと突っぱねています。また、ここで玉木代表は、自分を財務大臣にしてくれれば、三年で国の有り様を変えて見せると豪語しています。
そっか、、大臣になりたかったので内閣に気に入られようと従っていたのですね。少し、訳がわかった分ほぐれて来ました。まあでも、それは大義ではなく、動機、ですよね。全体的な日本をご覧になられているのかなあ。自己実現の狭い枠に留まらないで頂きたいのですが。
9、鈴木哲夫さんに聞く、選挙の現場の様子
今回、解散がなかったことに関して、ジャーナリスト鈴木哲夫さんが、現場の実際では、特に選挙の準備がなされていなかったことを話していました。後半、電話インタビューでは泉健太立憲代表と、自民党の石破茂議員が出演しています。
▼解散突風の裏事情」鈴木哲夫+中野知子+七尾功(ニコニコ生放送)
泉代表は「立憲民主党を応援してくれるという野党共闘の話は聞く」と有志の会の主張を、一部受け入れています。しかし野党全般に渡っての共闘は無理ですよねえ。
後ろの方では、「今回は、マスメディアの動きが面白かったですよ」との七尾さんの言葉を皮切りに、政治部の報道の仕方の特徴など、議員や事務方という現場を置き去りに、何処と何処が連携して解散風を吹かせていたのか、視聴者に疑問を投げかけています。
どうも、鈴木さんの判断では公明党関係者の証言も含めて選挙の現実味は全く無く、岸田総理はあまりにも強硬な「雰囲気押し」を見かねて、15日にそれを制止するための声明を出したとお考えでした。
実は、私もそのように捉えていました。総理は解散を望んでいず、再三、公的な発言では「考えていない」と言っていました。解散風を吹かせれば「噂だけで十分、野党が痛む」という話を聞いて、意地悪にも、ちょっと話に乗るフリをしたのかな、と見ていました。
▼郷原信郎弁護士✖︎鈴木哲夫「解散風の内幕」
更に、鈴木哲夫さんの話を聞いてみましょう。岸田総理の頭では「これでいつでも解散を言えるようになった。これを威力に、多少フリーハンド可能」と思われたのかも、と。
情勢調査では、今解散すると自民党の議員の3分の1が帰ってこれないと言われていましたし、岸田総理はやりかけの仕事をしたかったのであって、本音としては今国会での解散は考えたくなかった筈です。
自民党内の勢力が「何か」を決議すると、岸田総理は解散せざるを得ないだろうという話もありましたので、その勢力に勝つか負けるかの瀬戸際だったと考えることもできます。
ただ、泉代表の趣旨説明で強く怒りが発せられたように、立憲と自民の水面下での調整という意味では、国対もそれなりの対応を始めていました。記者達はそれを取材していたのでありましょう。しかし実に「それが何だったのか?」という問題はあります。
▼フリーになられた宮原健太さんの番組で、国会日程の不自然さを指摘
プロから見て、参議院での日程調整がおかしかった(与野党が解散に向かっていた)という指摘がありました。
参議院の日程が天皇陛下の外遊を見込んで16日に防衛費政策の採決で合意していたことから、立憲も「受けて立つ」という姿勢を一時的に見せたことがわかるそうです。
玉木代表は、国会終了後すぐに触れていましたが、れいわ新選組の山本代表もまた、同じ部分に着目されていました。
防衛費財源確保法案に関し、なぜ衆議院のような「委員長解任決議案」や「大臣問責決議案」のプロセスを参議院で踏んでいないのか?と指摘をし、立憲民主党は芝居じみている!と、れいわ新選組が声を大にして不信任案決議を棄権した理由としています。
まーほんと、こんなところで、適当なヤジリSNS隊員の、山本太郎のうましか説は、アッサリと崩れ去ってしまうのであります。詳しくは彼の弁明演説原稿をお読みください。
ところで、解散は泉代表の進退が直接かかってしまうので(擁立が追いつかない今、選挙になれば代表辞任が確定する)周囲も非常にデリケートになり、執行部の記者対応も「最後の最後まで見極める、それまで白紙」と厳しく引き締められていました。
代議士会でお見かけした安住国対委員長は大変に”憔悴”しておられました。これで良かったのか?と思われたか、或いは何かが失敗に終わったか、そんな風情でした。国対もこの二つの件の日程の駆け引きがそこに気を取られ、闘いに於いて気が散ってしまったのかもしれません。
結果的には日テレが大声で吹聴した「不信任案決議が、解散を示唆する引き金になる」という噂を大きく報道したことで、デリケートな状況を産んでしまったと言うことのようです。日テレと拡散はフジサンケイですので、これはもう、防衛費増税=財源確保法案を無事にすんなり通すためには、何でもやったという内容になるのではないでしょうか。
ですから今回の解散風は、マスメディアによる国会闘争の撹乱だったと言うこともできます。
理論破綻しているにも関わらず、マスコミ記者と重職の間で、互いに言論だけが様々に動いていた。それが国対調整にまで及んでいた、しかし選挙関係は動いていなかった、という異常事態です。
一体どこの指令でここまで本人達(総理から各議員や事務方まで)を無視した成り行きが生まれるんでしょうか。
泉健太さんは、最初から我が身を顧みず、不信任案決議の準備を進めておられたと言う事で、全くあっぱれでございました!!
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