8/25 立憲民主党 泉代表定例会見よりpick up【ALPS処理水の放出開始について】
泉代表会見の冒頭は、現在、最も注目が集まっている、24日のALPS処理水の放出開始についてでした。
これまで、代表会見でも強調されて来たのは「地元の住民や漁況に理解が得られないうちは放出しないという政府の約束だったので、政府はそれは守るべきである」という理念です。
民意に寄り添った柔らかな表現による発信になっているという感じ。世論の変化に沿っての路線変更も可能にしながら、若干バッファーを持たせて、といった、とても上手なご発言だと思います。
しかし岸田総理大臣は、前日、東電との打ち合わせのみで、地元の漁業者に会わずに東京に戻って来てしまいました。東京で翌日に漁協と話し合いが持たれましたが、はっきり言って、地元の漁業者の顔がまともに見れなかったということだと思うんですね。
泉代表は「政府は、安全だ、と言い切って欲しかった」と仰いましたが、勿論、そういう問題ではありません。ここのところの様々な方面からの情報提供によって、政府も胸を張って「安全です」とは言えない見地に至ってしまった、ということがはっきりしてしまったと言うことではないでしょうか。
大手マスコミの集まる代表記者会見では、処理水のことは今までも何度か、質問が出ていましたが、「風評被害」「現代の科学的見地」という言葉も使われ、「汚染水」という呼称は非難されているというムードはありました。ですので、マスコミ対策として泉さんが慎重な答弁をするのかと、最初は思っていたのです。
この事について、今回の記者会見では、① 日テレ記者が、「泉代表は岸田さんが行かなかった所を、行って意見を聞くのか?」(ならば御党には何かできるのか)と尋ね
② 産経新聞の記者が、「代表は汚染水という言葉を使う党議員をどう思っているのか?」と質問する事で価値観を固定化
③ FACTAの宮嶋さんが「東電はあり得ないほど良くやっている。科学的には本当に問題がない数値」と仰り、
時勢に日和見な ④ 堀田喬カメラマンに至っては「だから立憲はどうしようもないと言われるんだ、異論を何とかしなさい」と、統制を奨める始末。
しかし、今回の微妙な言い廻しからもわかるように、立憲民主党では既に、放水に関する見解の立場は政調部会で固めてありまして、その本意をクローズアップしてみれば結局、IAEAの審査で認められた処理水を信用し、理解する姿勢でおり、放出自体は容認しているという考えだ、と言っていいでしょう。〜国際機関の判断を信用する、政府と東電は努力して、濾過・処理をしてくれたんだ〜この表現の傾向は、岡田幹事長の方がより強いです。
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「もしも自分達が政府だったらどうする?」という検討組織<ネクストキャビネット=次期内閣>を設置してからの立憲は、必ずこのような意識を持つようになっています。最近、立憲さんが安全保障関係についても良く口にする、この「現実路線」とは?
これは地元の方々の生活を潰せないこと、日本の漁業、第一次産業の壊滅を恐れての事でもあると思います。陸に積み上がり続ける処理水のこと、これもいずれはなんとかしなければならないということも、政府に同情する立憲民主党の「現実路線」なのでしょうか?
週末の、泉代表の旧TWITTERでの中国政府に対する「水産物全面禁輸に対する撤回要求」の呟きは、311以来熱心に情報を集めて来られた市民や研究者たちから「大本営発表を支持するのか?今回は中国のいうことの方が余程化学的だろう、間違っているのは汚染水を放出する政府、困るのは風評被害ではなく政府の努力不足の末の決断による実害だよ。支持できないよ。」との大バッシングを受けています。
本当に、岸田大本営発表をアシストする姿勢なのか?ちょっと周囲を見渡してみました。
実は、泉代表は北海道の出身ですが、国民民主党時代からの同僚であり、常任幹事会のTOPを勤めている「執行部」の一人、北海道選出の徳永えり議員のFB投稿にこんなものがありました。
泉代表の北海道はご実家のある故郷である上に、徳永えりは仲のいい同僚ですよね。これはグッと来ちゃうでしょう、やっぱり。でね、この写真にホタテの写真があります。北海道のホタテは中国への輸出(香港経由)が主な出荷先なのですって。中華料理にエビとホタテは使いますもんねえ。漁業者がこれで、閉業に追い込まれるのが目に見えているわけです。
なのでとても、彼らの生活や立場を追い詰めることができないのかなあ、と、泉さんの性格を思うと、そんな気もしました。
それからもう一つ。なんでも、事故を起こした時には民主党政権だったわけですが、その頃に、ALPSという、ろ過装置による処理とその後の海洋投棄というのは決まったようなんですね。だからかな?
なるほど、泉代表は鳩山内閣の政務官という経験があり、当時の政務官ではありませんでしたが、やり始めた民主党としての立場から、終わりまで方針には責任を持つべき、というようなお考えもありそうです。当時の閣僚である岡田さんも幹事長ですし、そういう話になるでしょうね。
記者達は、それを知っていて、立憲に寄り添う質問をしたのですかね?
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そうとは知らず、クミチャンネルの私筆者は、この件についてれいわ新選組の23日発出の声明文の一部を引いて、掻き消された専門家(フィリピンや太平洋諸島、アメリカの海洋研究機関100の集まりである諮問機関、サイエンスインサイダーなどの記事等)の材料が立憲の中(部会)では吟味されたのかと問いました。
党内の議論の結果を発表するように綱領で定められているため、泉代表はこれには直接コメントせず、直接、政調の該当部会に問い合わせるよう、答えが返ってきました。目はかっと見開いていたように見えました。しかし、そういうのは織り込み済みで、上記の2点により立場を決めてるんでしょう。
しかし今、思い返すと、入管法の時に山本代表に暴力沙汰捏造のセットまでされていたことも、アルプス処理水の欺瞞を暴き、「海洋放出するな」と訴えるその内容が大きく響き渡って、市民や専門家が息を吹き返して動き出したので、その正当性を無効にするような作戦、与党側の思惑があったのかもしれませんね。(彼らは実際、こういうのをよくやるのですよ。)
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一方、元グリーンピースジャパンに所属し、過去の福島の原発事故の後、そのように真実が隠蔽され、国民の健康が阻害されることを悲しんで一念発起して議員になった、れいわ新選組の山本太郎代表は、5月の東日本大地震復興特別委員会・6月の環境委員会に於ける質疑で『これはまごうことなき汚染水でしょう?放出してはいけない』という立場で、他に濾過できずに放出される約210種類の有害物質の事を明らかにし、規制に関して抜け道を行く、政府と東電の考え方の「欺瞞」を暴く質疑をしています。
1、参議院東日本大地震復興特別委員会 5月24日
告示濃度限度の定義設定についての欺瞞、および、世界の科学誌に懸念を寄せるPIF太平洋諸島フォーラム専門家パネルの問合わせに日本政府が真摯に答えていない事について。
2、参議院 環境委員会 6月15日
飲料水の基準じゃダメ。生態系濃縮のリスクを考慮した基準を策定すべき。
御用でない海洋学者達が警鐘。数十年に渡る海洋生物汚染調査できるのか?
3、【声明】「汚染水」の海洋投棄を撤回し議論のやり直しを求める
8月23日公開
https://reiwa-shinsengumi.com/comment/18546/
いやあ、山本太郎さん、真に国民の役に役に立とうとしていますし、情熱を傾けた議員調査権での調査による質疑は圧巻です。
国民党もそうですが、小さな政党はこのようにトンがって、主流以外の情報を入れていくという大切な役割があります。ですから、こういった政府にとっての「異論」は、決して押し潰してはならないし、もしそれが事実ならば大変!と、調査や検証の方法を改めて確認するのが政府のすべきことです。
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その他にも、数名のフリージャーナリストから、説明や記事がいくつか上がっていますし、市民団体も、説明会・勉強会の動画を出されています。
と、言うわけで、311以降、市民達はマスコミを当てにせずに、直接専門家を呼んで講演会などを開き続け、だいぶ専門家に近い知識を身につけています。普段、動画など見る時間もないマスコミの皆さんも可哀想だし、忙しい議員さんは複数の新聞の内容をチェックするだけで精一杯でしょうが、
市民を素人とか陰謀論者とか決めつけていると裸の王様になりかねませんよ
と言う訳で、勉強していない方が勉強している人に抗う時、ある種の政治力が使われる場合があります。警察は与党議員が何とかする、とでも言うのでしょうが、『強盗か弾圧か』そんな風に言われたら、社会的な信用はおしまいです。
自民党だろうと、心ある議員が個別に調査や異論者へのフォローに奔走し情報収集するのは、必要な事だと、私は思います。御用記者たちは、彼らを非国民扱いし、堀田さんに至っては「黙らせろ」位の勢いで価値観を固定化しようと泉代表に迫ります。
〜しかし、これで党を除籍させられるとか、あっちゃなりませんよね。
泉代表がなんて仰ったのかといいますと「様々な考え方の議員がおり、議員は独立した活動がありますので。しかし党としての見解はあるので、岡田幹事長が確か注意はしていたと思うのですが・・・」
さて、「立憲民主党の場合はどうですか?泉代表は、岸田さんの代わりに、当地へ行くのですか?」とマスコミ記者に問われ、「我々の仲間たちが現地で走り回って、当事者の話を聞いています」とのことでした。
公式ニュースを覗いて見ると、以下の記事はすぐ見つけることができました。今後は、全国各地でも、漁業者の嘆きを受け止める議員が必要になってくるでしょうね。
立憲民主党の一部の党議員は、ネクストキャビネットの環境大臣である近藤昭一さんを含め、日韓議員共同での声明を外国人記者クラブで行なったあべともこ議員など数名は、処理水の成分を心配する市民の側に立ち「汚染水」という表現を使い、放出に反対しています。
▼日韓野党の有志議員が処理水放出反対で共同声明7/12
(@TBS NEWS DIGで概要を素早く確認)
▼「日本政府は海洋放流計画中止を」日韓野党の有志議員共同声明7/12
隅々まで正確に知りたい方へ @外国人記者クラブ会見全編
先日、小西議員とのお話会の後、もう一人ご参加であった女性とお茶をして見ましたところ、「立憲にも、たまに全体主義的なところも見られる」とのご見解がありました。私もそれは、各地域や地方で各議員事務所の対応が硬直しているような所に、そう感じることがありますね。
しかし、泉代表・岡田幹事長になってからの立憲はやや、常識的に、大らかになっているとは思います。今は、岡田幹事長は一応は党議拘束に外れた議員の対外的な発信ついて「注意」はするそうです。が・・・・。
党の最終決定を忘れずに行動するように推奨し、各議員に意識付けをしますが、各議員のアイディンティティや各支持者との関係や、見解、思想、を厳しく取り締まるような「言論統制」に至るまでの措置は取らない執行部だ、と私は見ています。
しかし、どんな問題でも、情報が出揃ったとは限らないし、様々なタイプの議員が揃っているのもウリなのだから、各議員は「党の見解としては・・だが、私はそうは思わない」と断って、主張すればいいんでしょうね。
泉発言:
岸田総理が、地元の皆さんと会わず、理解を得たと言う確認を怠って放出した件。2015年に「地元の理解を得ずに一方的に放出しない」と政府自ら言っていたのに、その約束を果たさずに、漁協が反対という立場を翻していないにもかかわらず、強引に放出した、その政府のやり方は間違っている、と、言わざるを得ません。
直前に福島県を訪れたにも関わらず、其処であえて「誠実な対話」がなかったことを我々も大変遺憾に思います。民主主義ですから、国会議員や政府には、説明、理解、対話、取り組んでいかなくてはいけないのは当然のこと。
最近の岸田さんは、まるで聞く力でなく「議論から逃げる力」ばかりが発揮されているように思います。最近それが目立っていますね。
処理水を貯留したタンクの容量が足りないという話がよく出ていますが、タンクの増設限界などというものは、何年も前から予測可能ですよね。一年前までに地元との間で、何をやっておかなくてはならないか、計画性を持っていれば沢山のことができたはずなのに、今になってドタバタで一気呵成に、地元との対話もなしで放出という実施に入っていくなんて。
政府のやり方としては大きな間違いだと言わざるを得ません。
中国側の措置も全面停止ということで極端である。これには強く講義をします。科学的な根拠や冷静さを欠く表現です。中国の輸入禁止は撤回されるべきものであり、G20もありますので、国際的なレベルで発言訂正の申し入れを望みます。