脱サラした。平日ランチのシャンパンの味は。
先月末で、会社を辞めた。
これからは、ひとりで仕事をしていくことになる。
新しい仕事の打合せの帰り道、
目黒川沿いのイタリアンでランチをすることにした。
ランチセットを注文してから、
メニューの端にある
「グラスビール、グラスシャンパン」
の文字に気づき、ふと、思った。
午後は家でワークするだけだし、
そういえば、飲んでも誰にも何も言われないじゃないか。
おずおずと店員さんに声をかける。
「あのー、グラスシャンパンも、ください。」
なんだ、このこそばゆさは。
やましいことなんてしていないのに、なんだか負い目を感じる。
腹痛と理由をつけて学校休んだのに、プリンとか食べちゃってる感覚。
昼からシャンパンなんていうと、
リッチな社長たちか、
セレブな奥様たちの特権だと思っていたからか。
私が後にしたオフィスで働く
仲間たちの姿が脳裏によぎる。
Macを開き、打合せ後のアイデアをまとめながら、
パスタを頬張る。
作業しながらランチしてしまうところは、
サラリーマン時代と何も変わらない。
やってみて分かったことは、
平日昼のシャンパンはあまり美味しくないということだ。
ちょっと考えれば当たり前の話だが、
やってみなければ分からないこと。
変わったと感じたのは、
1時間後までにオフィスに戻らなくていいことと、
必ず領収書を切らなくてはならないということだ。
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