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耐えるのだ。呑めない日々を!

税も上がり、身内には渋い目で見られるが堂々と言おう。

私は、お酒が大好きだ。

と言っても、ビールは嫌い。焼酎も苦手。ウィスキーやバーボン等の洋酒も、飲まず嫌い。
それでも、私はお酒が大好きだ、と公言しよう。
体内にお酒を入れた時の、熱くなる体、脱力する肩、徐々に沸き立つ高揚感、根拠の無い無敵感……。
一口飲んだ時に、

ああ!幸せッ!!

と心で叫ぶと同時に、今から始まるであろう体と心の羽ばたきに胸を躍らせる。

特に愛するのが日本酒。次に缶チューハイ、ワイン(スパークリング、白、赤の順)。とは言うものの、本当は、日本酒の次にジンを愛している。
しかし、私の財布はいつも軽いので、バーに行って本物のジントニックを飲む、という事は人生でただの一度きりしかない。
大衆リカーショップで最も安いジンを買い、最も安い炭酸水で割る。それでも美味しいと、私は思える。
だが、本物をただの一度しか飲んだことがない限り、愛している!と叫ぶには少し恥ずかしい気がするのだ。

仕事が無い日は、昼でも飲む。夜でも飲む。家でも外でも、遠慮無く飲む。
美味しそうな食べ物を見かけては、「酒と一緒に楽しみてぇ〜」と思う。良さそうな酒屋を見付けては、とりあえず入って何かしら買ってみる。

お酒の無い人生なんて!

そう、思っていた。
しかし、私は妊娠した。
妊娠してしまった、と言うと、さすがに良心と両親が咎める。
喜びと同時に、「あっ、お酒飲めんやん」と、まずそこに気が付いた。

コロナ禍も明け、やっと同僚達と飲みに行く楽しみが出来たというのに。缶チューハイも、色んな種類が次々と出てきているのに。クラフトビールに、興味が湧いてきたのに。日本酒用の酒器も、素敵なものを探しに行こうと思っていたのに……。

いやいやっ!
こんな事を考えていては母親失格だ!
お酒なんて飲めなくても良い!やっとできたこの子を、我が腹で大事に大事に育もう……。
ほぅら、言ってる間にお酒を飲みたくなくなってきた(悪阻)。見ただけで吐き気がしてきた(悪阻)。あっ、この料理酒のニオイがもう無理、オェッ!(悪阻)
良かった。私はちゃんと母親だ!

と、安堵し、身体がお酒を拒否したのは、始めのほんの数ヶ月のことだった。
今はと言うと。

ああ〜〜ッッ!
飲みたいッ!
飲みたい飲みたい飲みたいッッ!!
日本酒とタラ白子ポン酢!キュッと!
ジントニックとシャウエッセン!グイッと!
ストロングゼロと唐揚げ(もちろんレモン有り)!プハッと!
サイゼリヤでワイン!クイッと!

お酒を摂取したい。でもできない。
ちゃんと飲まないでいる自分を褒めたい。励ましたい。
そんな私のために、この気持ちを消化して昇華するために、書こうと思う。
お酒の思い出と、今飲みたいお酒を。

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