【異郷日記】12/11/24 読書とクロサワで満たされた
朝4時に目覚めるが起きれない。10時間寝てから起きてヨガ。朝練。その後に朝ごはん。
長く置いていた友だちのラインに返事を書いた。文化とアイデンティティ、個人としての文化へのアウェアネスの話など。いろいろ考えることが多くてすごく時間がかかってしまう。
ランチを家人と取ったあと、読書。おもしろい。久しぶりで乾いた紙が水を吸収するように読んだ。以前に図書館で借りて途中になり、自分であとから大きめのスーパーで売っていたので買った、トラウマを脳科学と実体験から紐解く内容。人間の日常で示す細かな行動がいかにトラウマ反応であるかを見定め受け入れる視点がすごくよくわかる。夢中で読んで、英語なのにかなり早くページをめくり理解できるほど。
ヨガプライベートの話では、迎合の話と映画の話。そんな話をしながら、東の空に溢れるように浮かぶ入道雲を見ていた。家人が刈る芝の匂いもする。黒澤映画を見るために出かけるので、早めに夕食をとった。コンポストを片付けるために外に出たら、風が吹いていて、故郷でも嗅いだことのある、風と芝と夕方の混じった匂いがした。
映画館についたら、なぜかグミが食べたくなってしまう。家人はアイスを食べていて、いらないと思ったが、かじったら美味しかった。黒澤の一瞬一瞬の画と演出と、志村喬さんの表情で語る演技に惹きつけられ、意外と開放的でカルチャーがミックスされたようなしかし過去に目を背けるような派手さとそれがまた際立たせる哀愁の漂う終戦後の日本、昭和の市役所や日本の葬儀の異国感にどっぷり浸って、グミは結局開けないまま、モノクロであることも気にならずに、あっという間に時間が過ぎた。意外なことに、我々の他の観客はみな若い人たちだった。最初に縦書きのキャストの紹介があったためか、最後にエンディングロールなどなく、ピシリと終わったのも時代を感じてよかった。大学時代に、7人の侍と、羅生門を見て、夢でみたような光景だと思っていた。今日もあとでそう思うだろうが、モロクロなのに多彩な印象なのは、登場人物が多いながらも人物像の描き分けが明確だからだろうか。黒澤のすごさ、なぜ評価されているのかわかった気がして、余韻に浸りつつ帰宅した。