正社員じゃなくても生き抜けるはなし
就職するなら、正社員じゃないとダメ!
…と思っていませんか?
以前よく「どうしても正社員として働きたいんです!」という相談を後輩から受けたことがあります。
その時、その後輩は私の部下のひとりで、契約社員でした。
私は思わず「なんで正社員が良いの?」と聞くと、「えっ…!?」とその後の言葉が続かなかったんです。
・・・そう、一般的に日本では「正社員で働かなくては!」という呪縛があるのかもしれません。
でも、この時代、別に正社員じゃなくても、否、むしろ正社員じゃないほうが自由でお得だったりすることもあります。
ということで、今回は「正社員以外の働き方」についても書いてみます。
なぜ正社員が良いのか?
例えば、正社員であるメリットは、よく以下のようなことが言われていますよね。
<正社員のメリット>
✔ 簡単にクビにならない。
✔ 会社の福利厚生を最大限に享受できる。
✔ ローンが組みやすい。
✔ 各種保険が付く。
✔ お見合いなどの際の信用度が高い。
✔ 年配者に受けがいい ・・・など
さて、これらは実は一昔前の認識だったりします。現状はどんどん変化していますよね?
「簡単にクビにならない」は、会社として、正社員であればそんなに簡単にクビにできないのは本当です。
ただ、大企業も潰れている昨今の状況から、ある日突然「急にリストラ対象になる」ということは正社員でも誰もがあり得ることです。
そして、「会社の福利厚生を最大限に享受できる」も、企業次第です。
以前は社員だけが組める財形(利率の良い社内預金)などが人気でしたが、バブル以降は、そのうまみも少し減っています。中には企業年金自体を解体してしまっている大企業も近年多くなっています。
また、正社員として勤続年数が長くなると退職金が増えたり、自動的に昇進する場合もあります。が、近年の人材市場の影響は既に既存の年功序列制度を崩しつつあります。
そして目玉でもある「ボーナス」も企業の業績次第なので、近年は昔ほど期待できない状況ですよね…?
「ローンが組みやすい」「お見合いなどの際の信用度が高い」「年配者に受けがいい」は、確かに今もあります。
ただ、ローンは金額によっては派遣でも契約社員でも、以前に比べると細かく見てくれたりして借りられる幅が広がっているようです。
(ちなみに私は契約社員の時に、3000万の住宅ローンを組んでます。)
お見合いでは、やはり「定職がある」「働いている」点が条件としてふるいにかけられやすいので、結婚相談所などのマッチングではこぼれる可能性があります。
でも、個人的な紹介などを介する場合は、きちんと働いているという実績があれば、意外に障害になることは無い場合もあります。(個人の魅力はその分必要ですが。)
そして、年配者の考え方は以前から変わらない人も多いので、やはり「正社員で働いている」ということで判断される場合も。
そして「各種保険が付く」に関しても、実は正社員でなくても加入は可能です。
社会保険・厚生年金・雇用保険は、基本的に正社員が加入できるものですが、派遣社員や契約社員も会社と相談すれば加入が可能です。
ただ企業の規則もあることから、「契約社員は勤務3か月以降に加入可能」という条件が付くこともあります。
派遣社員は、勤務期間や勤務先によって加入できるはずです。(派遣会社の雇用状態によって変動はあります。)
・・・さて、ここまでで正社員でいるメリットが潰されつつあります。
正社員でないことで得るメリット
ということで、以下は正社員じゃない状況で得ることのできるメリットについて、私の実体験をもとに挙げてみます。
<正社員じゃないメリット>
✔ 退職がしやすい。
✔ 会社の規定での昇給・昇進制度に従わなくてもいい。
✔ 会社の政治や人間関係に巻き込まれにくい。
「退職がしやすい」は、派遣や契約社員、嘱託職員にはたいていの場合、期限が決っています。
そのため、期限が来たら更新せずに「辞めます」と言いやすいです。
また辞意を表明した際に、勤務先から引き留められた場合は、給料交渉もしやすいです。
例えば、
「引き留めていただいてありがとうございます。ただ、現在はつぎはもう少しお給料の高いところに…と考えて就職活動中です。もしこちらで昇給があり得るなら、是非今後ともお願いしたいと思っております。」
・・・というような形で、控えめに交渉のチャンスが作れます。
(私は毎回、コレで上げてもらってました。笑)
まさにこれで「会社の既定の昇給・昇進制度に従わない」で、お給料を上げることができるわけです。
更に交渉次第では、昇進も可能だったりします。
私も実際、アシスタントで入って契約期間の際にマネージャー昇格に成功したこともありました。
そして最後の「会社の人間関係」ですが、これはその人の性格などにもよりますが、「実は、私は第三者」という態度が取れるかどうかにかかっています。
でも正社員なら拒否できませんが、派遣や契約は「実は、私は第三者」という立場で回避することは可能です。
(派遣社員でも、ガッツリ絡んでいる人もいましたが。。。苦笑)
私が正社員をイチオシしない理由
私は、後輩に上記のような正社員をイチオシしない理由をざっくりと説明しました。
そして、現状から何が不安で正社員になりたかったのかを明確にしたところ、彼女は正社員じゃない解決策を見つけていきました。
後輩は「正社員になると給料がもう少し上がるハズ」と考えていたようです。
その当時の正社員の昇給制度を教えたら、なんと年間で月給が1000円も上がらない!(苦笑)更に、そのためのエバリュエーションを会社の規定で毎年提出しなければならない…ということを知って、ビックリしてました。
ということであれば、この会社では「契約社員として契約期間内に目標を達成して、条件交渉したほうがよくない?」と話をして、私から宿題を出し、それを達成で来たら1年後に話そう!ということで納得してくれました。
・・・結果としては、彼女は1年経つ前に寿退職しちゃったんです。(涙)でも、仕事に対する取り組み方が変わっていくのを感じました。
ちなみに、私は年俸制の契約社員として働くことが多かったのですが、1年ごとに自分のプレゼンテーションをして昇給交渉し、お給料は毎年上げていただいていました。
このやり方を学んだのは、外資系企業にいた時でした。
以下の記事↓で、私が正社員にこだわらずに働いてきた実例と、どんなふうに交渉してたのかを、少しだけ触れています。参考までに。
正社員で働いている場合、多少の安心感はあるかもしれませんが、その安心感は今の時代「根拠にならない」というのがあります。
だったら、職よりも自分に根拠を付けていくほうがずっと効率的で、会社のタイトルが亡くなっても働ける可能性が広がります。
正社員になる努力をするよりも、自分の出来る範囲を広げたり深めたほうが、実は将来的な昇給に近道だったりすることもあります。
ということで、正社員で働いていなくても、今の時代は全然大丈夫!ということをお伝えしたくて今回は書いてみました。
もちろん現在、正社員で働いている場合も、常にそういうことを意識しておくだけで、「万が一のリスク回避」にも役立つと思います。
正社員じゃないとダメ!という自分に掛けている呪縛を解いて、明るく楽しく、今の自分に可能な立場で働いていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。