鍵盤ハーモニカの「音域」、どうする!? ピアニカ vs. メロディオン【もにコラム moni-column】 #0
皆さん、ぐっもニカ〜!🎹 MONICA MUSIC FACTORYです。
MONICA MUSIC FACTORYは、2021年2月から活動をスタートした新しいメディアコンテンツです。
そして、もうすぐ、MONICAのメインコンテンツにあたる鍵盤ハーモニカ「アンサンブル楽譜」が販売開始します!
楽譜の販売に先立ちまして、今回からコラムの連載も新しく始めていきます。
その名も、「モニコラム moni-column」。
MONICAの新作楽譜や、鍵盤ハーモニカにまつわるテーマを設定し、皆さんにより深く音楽を楽しんでもらえるようなコンテンツをお届けします!
鍵盤ハーモニカの「音域」どうする問題
さて、そんなコラム連載の一発目が、どうして第1回ではなく「第0回」目なのかといいますと。
私は編曲家(アレンジャー)として、まだひとつも販売していないのに、鍵盤ハーモニカの楽譜を書くにあたって早くも困っていることがあるんです。
鍵ハモ愛好家の皆さん……。
鍵盤ハーモニカって、「音域」はどうすれば良いんですか?
もっと厳密に言うなら、「どのメーカーの」鍵盤ハーモニカの音域を基準に考えれば良いのでしょうか。
鍵盤ハーモニカという楽器には、大手メーカー、つまり非常に多くのプレイヤーに愛されている楽器の種類が、主にふたつあります。
ヤマハが開発する「ピアニカ」と、鈴木楽器が開発する「メロディオン」です。
ピアニカ派か、メロディオン派か。
「きのこ派かたけのこ派か」並みに激しい論争が勃発しかねない、鍵盤ハーモニカ業界の最難関問題であります。
とは言っても、メーカーの好みの問題は、プレイヤーの皆さんが自由に考えてくだされば解決するお話です。
ですが、「音域」の問題は人の好みだけで解決することはできません。
例えば、ピアノ(グランドでもアップライトでも)。ヤマハだろうとカワイだろうと、あるいはスタインウェイだろうと、現在のピアノはいずれのメーカーも88鍵盤でおおむね統一されています。
あるいは、リコーダー。ソプラノリコーダーとかアルトリコーダーとか、色々な音域を持った楽器があると思います。が、「ソプラノ」リコーダーという名前であるなら、どのメーカーの楽器を選んでも演奏できる「音域」は一緒のはずなんです。
ソプラノリコーダーの、「ソプラノ」の部分の定義が変わることなんて、ありえないんですよ。
そんな大事件は、鍵盤ハーモニカでしか起こらないんです。(言い過ぎか……?)
メロディオンの「音域表」を見てください。
(引用画像のリンク)
「ソプラノ」って名前の楽器が、ふたつもみっつもあるじゃないですか。ひとつじゃないではありませんか。
「ソプラノ」という名前の楽器が複数あるなら、当然ソプラノという「音域」の定義も変わってしまいます。
「音域」で楽器を分類する意味 〜鍵ハモ”七不思議”
そもそも、ソプラノとかアルトとか、「音域」で楽器の種類を増やす意味ってどこにあると思いますか?
リコーダーでも、あるいはサックスでも構いません。ちょっと想像してみてください。
普段アルトサックスを吹いている人が、わざわざソプラノサックスに持ち替えるときってどんな時ですか?
アルトサックスでは出すことができない音域、つまり、アルトサックス「よりも高い」音域を出すために持ち替えるんですよね。
だだっ広くすべての音域を網羅できるような楽器はピアノくらいですが(『ひとりオーケストラ』楽器はやはり最強である……)、リコーダーやサックスは、「音域」で楽器の種類を増やしてあげることで、それぞれの楽器の負担を減らしてあげているわけです。
一台の管楽器で全ての音域を網羅するためには、相当な長さ・大きさの胴体と、複雑な運指のキーが必要になってくるのではないでしょうか。
……それでは。
「ソプラノ」の鍵盤ハーモニカって、37鍵盤の鍵盤ハーモニカよりも高い音が出せるんでしょうか?
メロディオンなら、出せます(ただし機種による)。
ピアニカなら……出せません(機種自体が存在していない)。
ピアニカの最高音は、どんなに頑張っても「アルト」と同じ。「アルト」よりも出せる音の幅が狭まってしまうだけなんです。鍵盤の数が32から25に減るだけです。
……これ、鍵ハモ”七不思議”のその1に数えてしまって良いですか?
より多くのプレイヤーに演奏してもらうために
このように、鍵盤ハーモニカはプレイヤーが持っている楽器のメーカーによって、「音域」が大きく変化してしまう、なんだか安定しない楽器です。
あなただけの『領域展開』をする楽器と、そう捉えれば良いのでしょうか。(えっ? 『領域展開』をご存知ない? 鬼滅は読むのに呪術はお読みにならない??)
これから鍵ハモのアンサンブルを書くぞ! と張り切っている身としては、そのことに不便を感じることは少なくありません。
ですが、鍵盤ハーモニカに限らず、この世のあらゆる楽器は、時代の変化と共に進歩し、少しずつ姿形を変えていく「生きもの」なんです。
まだ楽器の「規格」が確立されていないということは、まだまだ鍵盤ハーモニカは発展途上、これからさらにより良い楽器として成長していくポテンシャルを秘めた、ダイヤモンドの原石みたいな楽器だということに他なりません。
信じてるぞ、ヤマハ、鈴木楽器!
皆さんが今お持ちの鍵盤ハーモニカは、どの「音域」に対応している楽器でしょうか?
もし良かったら、あなたにとっての「鍵ハモ音域」を、ぜひMONICA MUSIC FACTORYにお知らせください。
(私の鍵ハモ音域は32と37、ときどきメロディオンバスです。)
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最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!
これからも「もにコラム moni-column」と、MONICA MUSIC FACTORYを応援よろしくお願いいたします!!
それでは、またお会いしましょう! ぐっばいニカ〜🎹
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