「楽譜」という作品の構造 〜《かえるのうた》の譜例をもとに
皆さん、ぐっもニカ〜🎹
MONICA MUSIC FACTORYです。
楽器を演奏したり、歌を歌ったりする人にとっては特に欠かせない、「楽譜」という存在。
作家が「文章」を書いたり、イラストレーターが「絵」を描くように、世の作曲家・編曲家たちは遥か昔からずっと、「楽譜」という作品を作り続けています。
「音楽」は目で見ることができないものですが、作曲家たちが音楽を「楽譜」というメディアに変換させたことによって、本来は形が残らない音楽を「形あるもの」として保存することができています。
録音技術が十分に発達し、mp3やWAVといった音声データとして音楽を保存することも容易になった、大変便利な時代ではありますが、未だに「楽譜」というメディアは各音楽ジャンルで大変需要が高く、楽譜があちこちで流通する時代は、まだまだ当分続いていくでしょう。
「楽譜」という作品の中身について
音楽そのものには関心があっても、自分で楽器を演奏するわけじゃあないような大半の方は、自発的に「楽譜」を見る機会は少ないと思います。
ただ、一度も楽譜を見たことがない、という人もあまりいないのではないでしょうか。あなたが最後に楽譜を見たのはいつですか? 学校での音楽の授業ですか? 合唱コンクールとか卒業式の歌とか、皆さん何かしらの形で楽譜に触れる機会がありましたよね。
音楽を奏でるための「楽譜」ですから、当然そこには、どんな音を演奏すれば良いのか、「音符」がたくさん書かれているわけです。「ドレミ〜」って書いてあるわけです。
……まあ実際には、楽譜なのに音符がひとつも書いていない、へんてこな楽譜もちらほら存在しています。そういった特殊な楽譜については、先日別の記事を書きましたので、お時間ある方はぜひお読みください。
ともかく、楽譜に「音符」が書いてあるのは当たり前として、「音符」さえ書いてあれば、楽譜はひとつの「作品」として成立するのでしょうか。
もちろん、歌のメロディさえ書いてあれば、人はその歌を歌えるわけですから、一応は楽譜として成立するでしょう。
ですが、巷で流通している楽譜には、たいてい、音符以外にもごちゃごちゃと色々な情報が載っています。
楽譜に書かれた、すべての情報を真面目に読んだ(見た)ことはありますか?
今回は、音楽雑誌「月刊ピアノ」のフォーマットも参考にしつつ、皆さんおなじみ《かえるのうた》のアレンジ楽譜を、パパッと書いてみました。
さて、《かえるのうた》というとても短い曲の楽譜に、いったいどれほどの情報が記載されたのでしょうか。
譜例:《かえるのうた》 鍵盤ハーモニカ・ソロアレンジ
こちらが、私がアレンジした《かえるのうた》の楽譜になります。
MIDI音源も「おまけ」しておきました。実際に音を聴いてみたい方はぜひダウンロードしてください。
さて、五線に書かれた音符の他に、どういった情報が載っているでしょうか。
※注意:この楽譜は一例です。こんなにたくさん情報を載せていない楽譜もあれば、もしかしたらこれよりもたくさんの情報が載っている楽譜もあると思います。
……全部読めましたか? 画像が(文字が)小さすぎて読めませんか?
本当にいろんなことが書かれています。たった一枚にどれだけ詰め込んだんだお前は!(自己満足)
演奏時間25秒くらいしかない、こんな短い曲でも、楽譜をきちんとした形で人にお見せするために、世の「楽譜クリエイター」たちはこれくらいはたくさんの情報を載せる作業を毎回してるわけです。
「楽譜」に本当に必要な情報はなにか
今この記事を読んでいる皆さんも、もし私のように、noteにご自身の言葉で文章を書くような機会があったならば、文章全体の構成とか、構造とか、多かれ少なかれ意識するのではないでしょうか。
楽譜も、作品全体の構成は非常に重要です。
ひとつの楽譜に、どんな情報を、どれだけの量を載せるのか?
情報が不足しているのは良くありません。かといって、情報過多なのもいかがなものか……と思います。先程の譜例の「演奏ポイント」みたいに。
かえるくんが水に落っこちるエピソードなんて誰に需要があるのか。(MONICA MUSIC FACTORYの楽譜にも、毎回こういうポエマーな文章を載せようと検討していたのですが、私は後から恥ずかしくなったので止めることにしました。)
もちろん、技術的に演奏のコツが書いてあること自体はとても良いことだと思うのですが……「情報」の選択はなかなか難しいですね。
同じ曲のアレンジ楽譜でも、色々な楽譜を見比べてみると、「音符」から読み取れる情報とは別の、何か新しい発見があるかもしれません。
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最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました!
それでは、またお会いしましょう! ぐっばいニカ〜🎹
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