音大生が「おもちゃのチャチャチャ」を鍵盤ハーモニカで吹いて気が付いたこと【もにコラム moni-column】 #1
皆さん、ぐっもニカ〜🎹 MONICA MUSIC FACTORYです。
不定期連載「モニコラム moni-column」では、MONICA MUSIC FACTORYが販売するアレンジ楽譜や、鍵盤ハーモニカにまつわるテーマを設定し、皆さんにより深く音楽を楽しんでもらえるようなコンテンツをお届けします!
今回は、「音大生」としての立場で書いた文章が若干多いです。あらかじめご承知おきください。
「おもちゃのチャチャチャ」を吹いて気付いたこと
保育園で以前、20分ほどのプログラムを組んで小さな演奏会をしたことがあります。
それは「アウトリーチ」という種類の音楽活動にあたる内容だったのですが、その演奏会で私は、子供たちの前で鍵盤ハーモニカを使って何曲か演奏することになりました。
一曲は、鍵ハモ吹きどころか、音大生やクラシック音楽関係者にとってもド定番の、「リベルタンゴ」を演奏しました。
ピアソラとか、アコーディオンの曲はやはり鍵盤ハーモニカで演奏すると「映える(ばえる)」んですよ。あまりに定番だけど、やっぱりこの曲は外せなかった。
そして、そのリベルタンゴとは別に、子供たちと一緒に歌って手拍子できる曲が吹きたいなあ〜と思い、私がチョイスしたのが「おもちゃのチャチャチャ」だったんです。
……率直に言って、鍵盤ハーモニカのおもちゃっぽいサウンドに合いそうだなって思ったんですよ(全世界の鍵ハモ吹きに怒られろ)。
鍵盤ハーモニカって、演奏の仕方には色々選択肢があるじゃないですか。
「片手弾き」にするのか、それとも「両手弾き」にするのか。楽器を手で持つか、それとも机やお膝の上に置くのか。
私はそれまで、「片手弾き」ばっかりやってたんです。
鍵盤ハーモニカを人前で演奏する機会があるときは、一人ではなく必ず他の楽器(特に管楽器)の仲間と一緒に演奏現場に赴いていたんですね。
そうすると、ヴァイオリンとフルートでデュオするような感覚で、いつのまにやら鍵盤ハーモニカでも他の楽器と旋律的なアンサンブルをする、「メロディ楽器」としての使い方ばかりしてしまっていたんです。
「伴奏楽器」としては使わなかった。だってピアニストもそこにいるんだもの。
でも、本当は鍵盤ハーモニカってそういう楽器じゃないですよね。
「鍵盤」ハーモニカだもの。ピアノみたいに両手で演奏できるし、和音を奏でることだってできる。
「おもちゃのチャチャチャ」は、とにかく音を「重ねまくる」ことを意識して演奏しました。
長三和音、「ドミソ」の「ミ」を、オクターヴで重ねて演奏してやりました。
右手と左手で「メロディ」と「ベース」に弾き分けたりしません。ベースラインなんて知ったこっちゃない! と、メロディをユニゾンしまくって演奏しました。
四声体? 二声体? 大学や「和声」の本で学んだ知識およびアレンジ技術は、全て丘の上に置いてきた。
クラシック音楽の世界では、「和声」の観点に則ってみれば、同じ音を重ねるなんてご法度なんですよ。お前は「連続五度」を犯した回数を覚えているのか?
でも、鍵盤ハーモニカで「おもちゃのチャチャチャ」を演奏したときは、むしろ音を重ねまくったほうが、最終的に良いサウンドが生まれたなあと実感できたんです。
どうしたって!「アニメソング」は…唐突に趣味のお話
ところで、私は以前から「鍵盤ハーモニカアンサンブルの楽譜を売るぞ!」としつこく告知をしているわけですが。
初めは、「クラシック音楽」のアレンジ楽譜の販売からスタートしようと思っています。
……え? ポップスとか歌謡曲とかじゃないの?
今流行りの「紅蓮華」とか「炎」とか書くんじゃないの?
そう思われていた方、期待されていた方、もしいらっしゃったのであれば大変申し訳ありません。
いずれはポピュラー音楽のアレンジ楽譜もお届けしていきたいとは思っているのですが……まずはクラシックから入らせてください。
いや、好きですよ、「紅蓮華」。
私はそもそもアニメとかアニメソングとか、サブカル方面には昔から関心が高いので、むしろああいった音楽は巷で流行る間でもなく、たくさん聴いています。
アニソン大好きです。どのくらい好きかって、カラオケ店に行けば必ず最初に「アニソンランキング」の項目をチェックするくらいには好きです。
そして、アニソンやポピュラー音楽が大好きだからこそ、私は知っているんです。
そういったジャンルの、「今」ものすごく人気がある音楽が、「十年後」も人気があるとは限らないことを。
カラオケの「アニソンランキング」の上位層は、ここ五年十年ほど、ほとんど顔ぶれが変わっていないことを、私は知っています。
(……とはいえ、これこそ個人的な見解ですが、「紅蓮華」に関しては十年後もアニメソングの名曲として残っていく、非常に「息」の長い作品になるんじゃないのかなと、私は直感的に感じています。LiSAさんの曲の中でも傑作でしょ! あれは!)
ポピュラー音楽、アニメ音楽、歌謡曲も、いずれは「鍵ハモアレンジ」やりますよ!
鍵盤ハーモニカに「クラシック和声」は通用するのか
やはり、「名曲」とか「定番」とか言われているクラシック音楽たちは、何百年の時を生きているだけのことはあるんです。作品としてのキャリアが全然違うんですよ。貫禄が違う。
鍵盤ハーモニカを「アンサンブル楽器」として広めたい! 鍵ハモアンサンブルのレパートリーを増やしたい! と思っている身としては、クラシック音楽のアレンジは決して避けては通れない道でした。
ですが、「おもちゃのチャチャチャ」のエピソードでもお伝えした通り、鍵盤ハーモニカは作曲編曲の観点から見ても、必ずしもクラシック音楽の音楽理論が通用するとは限らない奥深い楽器だと感じています。
鍵盤ハーモニカによって、クラシック音楽がどうリアリゼーションされていくのか。
今後のMONICA MUSIC FACTORYの活動を、あたたかく見守っていただけると嬉しいです。
↓ 以下、販売を予定しているアレンジ楽譜です ↓
♪パッヘルベル作曲/カノン
鍵盤ハーモニカ・アンサンブル|32鍵盤用、四重奏(バス・オプション付)
演奏難易度:★★★☆☆(ふつう)
♪サティ作曲/ジュ・トゥ・ヴー
鍵盤ハーモニカ・アンサンブル|32鍵盤用、三重奏+バスパート・オプション
演奏難易度:★★☆☆☆(易しめ)
♪ドビュッシー作曲/月の光 〜JAZZ arrange〜
鍵盤ハーモニカ・アンサンブル|32鍵盤用、二重奏+ピアノ伴奏
演奏難易度:★★★★★(難しい)
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最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました!
引き続き、次回の「モニコラム moni-column」もお楽しみください。
またお会いしましょう! ぐっばいニカ〜🎹
"MONICA MUSIC FACTORY"は、2021年2月に新スタートしたメディアコンテンツです。
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