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Reバースの「参考書」
チャート式!親方です。
まずはこちらをご覧ください。
Shion Ch. 紫咲シオン - YouTube
わかんない!
ターゲット
本記事では、どのようにしてカードを評価すべきかという点について少しだけ掘り下げます。わずかに数学の話が出てきますが、Reバースプレイヤーの多くは数学が得意だと耳にしたので、心配はないでしょう。
数IA
不確実性
Reバースは不確実なゲームです。多くのカードゲームは不確実なゲームですが、Reバースはとりわけ不確実なゲームです。これはReバースというゲームの優れたところなのですが、多くのカードゲームが不確実性をコントロールすることを求めてくるのに対して、Reバースは不確実性に寄り添うことを求めてきます。われわれが不確実性と向き合う時に助けになるのが、確率の概念です。
期待値
不確実性の中で、カードを評価するにあたって大切な情報の一つが期待値です。なぜなら期待値が高いカードほど強力なカードだと言えるからです。
期待値とは下記のことです。
確率論において、確率変数の期待値(きたいち、英: expected value)とは、確率変数のすべての値に確率の重みをつけた加重平均である。確率分布に対して定義する場合は「平均」と呼ばれることが多い。
わかりましたか?
数ⅡBを得意とする皆様にとってはトリビアルな内容ですね。
前提
リターンとしてゲームへの影響を考えて、0点~100点とします。0点がカスで50点が一般人、100点は神くらいの感じです。
強いカード
強いカード、すなわち期待値が高いカードとは、下記のようなグラフを描くようなカードです。
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たとえばこのカードは引いても強いしリングインしても強いです。このカードの場合は、そもそも4マナバニラの査定が4/5/8なのに4/4/9でメリットテキストを持っているので、わかりやすく期待リターンの高いカードです。
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弱いカード
弱いカード、すなわち期待値が低いカードとは、下図のようなグラフを描くようなカードです。下図のカードは、だいたいの場合で50点以下を叩き出すようなカードです。Reバースで言えば、引いても弱いしリングインしても弱いようなカードです。Reバースはこの世界とは異なりよくできたゲームなので、露骨に期待値が低いカードを印刷しないのですが、たまにふざけたカードを作ることがあります。
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たとえばこのカードはスパークしても引いても弱いです。上のグラフだとたまに100点が出ることになっていますが、このカードが100点を出すケースは想像しがたいので話を盛ったかもしれません。
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古代ギリシアから言われていることですが、期待値の高いカードがあるのであれば、期待値の高いカードを採用すべきです。なぜなら期待値の高いカードは定義上期待値の低いカードよりも勝利に貢献するからです。何か特別な制約や誓約や縛りがないのであれば、期待値の低いカードをデッキに投入することはオススメしません。
分散
カードを評価するにあたってもう一つ大切な情報があります。それが分散です。
数学の統計学における分散(ぶんさん、英: variance)とは、データ(母集団、標本)、確率変数(確率分布)の標準偏差の自乗のことである。分散も標準偏差と同様に散らばり具合を表し[1]、標準偏差より分散の方が計算が簡単なため、計算する上で分散を用いることも多い。
こちらも取るに足らない内容ですね。
インテリジェント・デザイン
カードの評価において期待値は大切ですが、カードに査定があるということは、原則としてどのカードも同じ期待値を持つようにデザインするということを意味すると考えられるからです。もし期待値が高いカードのみでデッキを構築することが可能で、デッキに入らない種類のカードが多数出現するのであれば、そのゲームのプロダクトとしての質が低いことを意味します。
そこで出てくる問題が、期待値が同じ時にどうやってデッキに投入すべきカードを選ぶのかという問題です。ここでわれわれが向き合うことになるのは、分散という概念です。
リスクとは分散である
世の中はカードゲームみたいなものなので、議論のために投資について考えます。
定期預金
定期預金はリスクが小さいカードの例です。なぜなら、リターンの分散が少ないからです。基本的に何があろうとリターンは50点です。まれに銀行が破綻して0点になることがありますが、ゲーム中に絶命するような場合なので見なかったことにしておきます。
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下記のようなバニラカードは定期預金のような分散を持つカードだと考えることができます。体感4/5/8は定期預金にしては利率が高いような気もしますし、3/7/2は後述するFXみたいなカードのような気もするので、バニラといえどもいろいろなカードが存在します。
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株
株はリスクがまあまあなカードの例です。なぜならリターンの分散がまあまあだからです。うまくいくといい感じになりますが、うまくいかないとまずい感じになります。多くの場合はそこそこの感じで終わります。
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体感として、4/5/6のキャンセルはこの種の分散を持つカードです。手札に引くとそこそこゲームにいい影響を与えますが、リングインしても最低限のサイズがあるので大きなマイナスは生み出しません。
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FX
FXはたぶんリスクが高いカードの例です。なぜならリターンの分散が大きいからです。Twitterで自慢するか有り金を溶かした顔になるかの2択で、そこそこの感じになることはあまりありません。知らんけど。
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矢野はこの手の分散を持つカードです。矢野を引いて2点を守るときはReバース最高の瞬間ですが、矢野がリングインするときはReバース最悪の瞬間です。
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水平線
われわれが伝えたいことは、期待値が同じカードであれば、分散が小さいカードを採用すべきだということです。言い換えれば、
幸せとは 星が降る夜と眩しい朝が 繰り返すようなものじゃなく 大切な人に降りかかった 雨に傘を差せることだ
ということです。
これは嘘で、星が降る夜と二日酔いの朝を繰り返すカードよりも、なんでもない夜を繰り返すカードを採用すべきだということです。われわれの主張は、期待値が同じカードあれば、分散の大きなカードを採用するよりも、分散の小さなカードを採用するほうが、勝率の安定に貢献するということです。
派手な女
しかしながら、デッキを組む際にはつい星が降る夜と二日酔いの朝を繰り返すほうのカードを採用したくなります。なぜなら、このようなカードのほうが見た目が派手だからです。よいパターンを引いたときの気持ちよさに目がくらんで、悪いパターンを引いたときは単に運が悪いだけで、このカードの採用に問題はないというアイデアを捨てられなくなるという現象は私の中でよく知られています。しかし、付き合う分には派手な女の方がいいかもしれませんが、結婚するとなると地味な女のほうが信頼できるかもしれません。
色仕掛け
派手なカードにはさらなる罠が潜んでいます。それは派手なカードは実はそのカードが期待値の低いカードであることに気づきにくいということです。われわれが主張しているのは、いついかなる場合も地味な女を選べということではありません。なんでもない夜に得られるリターンが極めて大きいのであれば、それがリスキーなカードであったとしても、期待値の観点から採用すべきだという判断に至ります。
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たとえば先に紹介した矢野のようなカードはきわめてリスキーなカードですが、期待値が高いために採用すべきカードです。なぜなら、矢野を手札に引くことで、ブロック+緑Reバース設置による1点以上のリターンを得ることができるからです。特に矢野の場合は、内藤のReコンボを発動させることでさらなるリターンを生み出します。それゆえリングインした瞬間に0点を生み出すリスキーなカードであっても採用すべき価値のあるカードです。
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期待値に関して疑うべきカードのよい例が、高コストのアタッカーです。高コストのアタッカーはしばしば、指定Reコンボと派手なテキストを持って登場します。しかしながら、うまくいった際のリターンが実はあまり大きくないということがあります。たとえば上記のカードは、本領7かつ指定のReバースを確保しているケースでのみ効果を発揮します。ですが、この時のリターンは1回パートナーアタックが増える、すなわち1点分ということになります。この1点分のリターンが、リスクに見合っているかどうかは、少なくとも矢野と比べると非常に怪しく見えます。もしかすると、分散が小さいゆえにとてつもなく地味な下記のカードのほうが、期待値が高いということがありえます。
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繰り返しになりますが、われわれの主張は、期待値が同じカードあれば、分散の大きなカードを採用するよりも、分散の小さなカードを採用するほうが、勝率の安定に貢献するということでした。それゆえ、勝率を安定させたいのであれば、カードの期待値が同じであれば分散の小さな地味なカードを採用するべきですが、別に勝率の安定に興味がないタイプのクラウドには関係ありません。分散の大きな派手なカードはたいていの場合とんでもなく気持ちいいので、派手な女を選ぶのもいいでしょう。
ちなみに私は岩谷選手よりもコグマ選手が好きです。それは下記の岩谷選手のカードの効果が派手で、コグマ選手の効果が地味だからではなく、私の好みによるものです。ちなみに彼女はアスナに似てる。興味ないね。
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セフィロ~ス
以上、ごっつぁんです。
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