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皐月八日 旅の記憶その7 弘前から五所川原
岩木山神社のお参りを無事に終え、弘前での目的はほぼ終了。街に戻って唯一残っていたミッションである弘前フレンチ堪能といきます……のはずだったのです。だったのですが、舐めてました。さくら祭り中のランチ事情を。
目星をつけていた店は満席もしくは団体客のみの受け入れという状態で、たまたま見かけて戸を叩いた店も満席御礼。完全にランチ難民です。この時点でもう空腹はマックス。昼たっぷり食べるつもりで朝食を控えめにしたのが仇となりました。しかも気温はどんどん上がっていく。つまり、体力が削られる。もう無理……。
仕方なくグーグル・マップで今いる場所から一番近くの飲食店を探すと、ラーメン屋がでてきました。まったくラーメン気分ではなかったのですが、もう店を探す気力がない。完全に「フレンチなんかどうでもいい」気分で、トボトボそちらに向けて歩き出したわけです。
だが、旅は何が待っているかわからないものですね。人生万事塞翁が馬。目的地の少し手前に、小体な蕎麦屋を発見したのです。そして、「本日のおすすめ」に祭り期間限定津軽蕎麦なる文字が。
津軽蕎麦! 字面だけでもうおいしそう!
即決で店に入りました。
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初めて食べた青森のお蕎麦は出汁の色が東京のそれよりよほど薄く、醤油の風味よりもかつお出汁の香りが前に立つタイプでした。つまり、大変私好み。天麩羅は揚げたてで中のエビも立派で甘みがあります。ナルトと海苔が入るのはご当地定番なんですかね?
蕎麦そのものは箸で持ち上げると切れるほどに柔らかい。でも、明らかに十割ではないのでつなぎは何なのだろうと不思議に思い、後日調べてみたら大豆が使われているのだとか。
蕎麦と大豆。栄養たっぷりじゃありませんか。
出汁の滋味と程度な塩っ気、噛まないでもいいほど柔らかな蕎麦は、いい加減くたびれていた私の胃にも大変やさしく、最後までおいしくいただきました。
カミサマありがとう、僕に津軽蕎麦をくれて。
ちなみにお店はこちら。
12時を過ぎると地元の人たちが次々入ってくるようなお店でした。こういうお店にまずいところなし、です。でも、蕎麦より中華そばを注文する人が多かったんですよ。きっと美味しいんだろうな。再訪叶えば食べてみたい。なんにせよ、ラッキーな出会いでした。
ちなみに、津軽蕎麦の情報はこちらです。興味ある向きはぜひ。
ようやく人心地ついたので、昨日はゆっくり見られなかった公園内の桜見物をするために弘前城に向かいました。お店からはすぐです。
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平日なので昨日ほどではないものの、やはり結構な人出です。
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でも、桜はかなり散っていて、なんとなく「宴のあと」感が漂っていました。春高楼の花の宴も過ぎにけり、ですね。
ふと見ると植物園の案内看板が。植物園大好き人間なので、これも入園即決です。そして……
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いきなりサンカヨウ発見! 初めて見た! 花弁が水に濡れると透明になる、神秘の花です。濡れているところ、見たかった……。でも、十分愛らしく、北を感じさせてくれる野草にテンション爆上がりです。
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オオバキスミレも初めて見ました。高山植物だと思ってたけど平地でも咲くのねと思ったら本州の中程まではやはり高山植物になるみたいです。やはり北国だ。(後から調べたところ、どうやら白神山地生態圏を再現したエリアでした。)
そして、こんなコーナーも。
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例の事故の直後だったので、なんとなく花壇の前で瞑目しました。あれからもう二週間経つ今日時点でも、まだ見つかっていない方々がいらっしゃいます。ご家族の心中慮るとやりきれません。人命に代えられるものはありません。何事も安全第一です。どのような業種であれ、それだけは忘れないでほしいと切実に思います。
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しばらく園内を散策した後、公園内を通り抜け、再び町中へ。
なんとなく入ったねぷた村では津軽三味線の演奏を聞くことができました。これも僥倖。津軽三味線、好きなので。
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公園周辺の散策を一通り終えたら、駅に戻ります。今日は五所川原での宿泊です。翌日、あさイチでとある場所に行くために。
弘前、素敵な街でした。ぜひ再訪したいものです。
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弘前から五所川原までは鈍行で十分なんですけど、やっぱり乗りたいですよね、こちら。
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名前に恥じぬリゾート感あふれる内装で有名な列車です。
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あこがれの列車に少し元気が出てきたものの、連日2万歩近く歩いている疲れはなかなかなもので、五所川原での夕食はホテルですまそうかな……なんて日和かけていたのですが、いざホテルに到着すると若干の余力がある。
そこで頑張って出かけることにしたところ……。
続きはまた、明日。
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