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結婚前のパートナーの協力を得て音楽活動に注力!これからお金はどう「貯める&増やす」といい?


「私の家計収支って間違ってない?」「資産ポートフォリオ(組み合わせ)って、これで大丈夫かなぁ…」。そんな疑問や悩みに人気FPがズバッとアドバイスするシリーズ「#FPさん教えて私の資産ポートフォリオって大丈夫」。

シリーズの第二弾は、なっちゃん(音楽家 兼 学生/28歳)からのご相談です。

なっちゃんは、専門的に音楽を学んでいる学生であり、フリーランスの音楽家。パートナーである彼の協力を受けながら音楽活動の幅を広げています。

これから挙げる予定の結婚式や、婚約中のパートナーとの今後の生活に大きな夢を抱いていますが、音楽活動の幅をどう広げるのかが、なっちゃんの今の課題だといいます。人気FPの飯田道子さんが、家計や資産運用の課題も含めて自分の夢を叶えるアドバイスをしてくれました!

飯田さん:本日はお忙しいところ相談にお越しいただきありがとうございます。早速ですが、まずはなっちゃんの今の状況について教えていただけますか?

家計管理は最大の味方であるパートナーが担当!

自分の夢を叶えるため、お金の相談にやって来たなっちゃん

~なっちゃん(&パートナー)の毎月の収支データ~

<収入>
・世帯収入:約550,000円

<支出>
・家賃:140,000円
・光熱費:15,000円
・通信費:20,000円
・食費:50,000円~70,000円
・生活用品・雑費:20,000円
・お小遣い(なっちゃんの分):100,000円
・お小遣い(パートナーの分):100,000円
・支出合計:445,000円~465,000円

<毎月の貯蓄>
約50,000円~100,000円ほど
・収入-支出-投資=貯蓄で家計管理をしているため、毎月の貯蓄額は変動している

なっちゃん:現在私はフリーランスの音楽家として活動していますが、2025年3月までは専門的に音楽を学びたいと思い、音楽大学に在籍しています。

私の年収は300万円程度です。今の住まいは婚約中のパートナーの彼と一緒に賃貸で暮らしています。彼は正社員として働いていますが、私は音楽で得た収入のほか、アルバイトをして収入を得ています。

飯田さん:毎月の貯蓄額は5万~10万円ほどとなっていますが、貯蓄額にかなりの変動がありますね。

なっちゃん:そうなんです。毎月の貯蓄額は決めていません。私がフリーランスということもあり、毎月の収入が安定していないため、残ったお金を貯蓄に回すようにしています。

飯田さん:どうも家計収支の金額がちょっと合っていないように見えるのですが、具体的にお金を何に使っているのか、ご存じですか?

なっちゃん:実は家計管理はパートナーである彼がやってくれています。そのため、彼がどれだけ家計のやりくりをしているのか、いくら貯蓄に回しているのか、具体的なところはわからないのです…。

飯田さん:ちなみに、お二人は生命保険には加入していますか?

なっちゃん:彼は将来の老後に備えて個人年金保険に入っています。私はいざというときの医療費に備えて、生保会社の医療保険に加入しています。


若いうちは生命保険の保険料が安いからといって、複数の保険に加入している人もいるよね。
でも、生命保険はイザというときに備えるためのもの。
自分にもしものことがあったときに困る人がいるなら、死亡保険で備えるといいし、病気やケガで働けないときに備えるなら、医療保険に加入することを考えてみて!


飯田さん:パートナーさんがしっかり家計管理をされていて安心ですね。ただ、お金の管理について口出しするのは揉める原因になってしまいがちなので、現状のままでよいという考えもありますが、何にいくら使っているのか、なっちゃんが把握していないのは問題ですね…。

なっちゃん:そうなんですよね…。この機会に、家計のことについて彼と話し合ってみたいと思います。

大学の学費は払い済み!卒業後はビジネスに集中して収入アップを狙う

飯田さん:家計の収支に、現在通われている音楽大学の学費のことが含まれていないようですが、学費はどうやって捻出しているのですか?

なっちゃんからの真剣な質問に飯田道子さんのアドバイスも熱くなっていく

なっちゃん:学費は貯めていたお金ですでに払いました。大学は2025年3月で卒業しますが、4月以降は音楽活動に積極的に取り組もうと考えています。

飯田さん:なるほど。学費のことを心配しないで安心して勉強できているのはいいですね。4月以降は具体的にどのような音楽活動を考えていらっしゃいますか?

なっちゃん:私が演奏している楽器は一般的なものではないため、持ち運びの移動に時間がかかってしまうんです。今後は自宅を使って収入を生み出せるといいなと思っています。楽器の特性上、オンラインでは人に教えにくいというのもあるので、自宅に受講生を呼んでレッスンのビジネスを始めることも考えています。

飯田さん:自宅でレッスンができると時間の節約にもなりますし、持ち運ばなくてもいいので効率的ですよね。

どのような結婚式を挙げたいか、イメージしてから貯めること

飯田さん:なっちゃんは婚約中とのことですが、結婚についてどのように考えていらっしゃるのか、教えていただけますか?

結婚式のことは楽しみな一方、ちょっと不安な気持ちにもなるというなっちゃん

なっちゃん:籍は入れる予定ですが、出産は仕事との両立を考えると、ちょっとためらってしまっています。両親も30代で私を産んでいるので、出産はもう少し先でもいいかな?と思っています。

飯田さん:ライフプランを考えるときに、子どものことを先に考える人が多いのですが、まずは自分自身がやりたいことを固めることが大切です。子ども優先で考えてしまうと、やりたい仕事ができなくなって、その結果誰かのせいにしてしまうといったこともありますので、その決断は立派だと思います。

なっちゃん:実はパートナーである彼も私と同じ音楽の道を歩んでいたのですが、今は会社員となって私を経済面で支えてくれています。彼が私にしてくれる音楽活動のサポートは、簡単にはできないものです。結婚は、応援してくれる彼のためにも、自分としてのスタイルを形作ってからの方がお互いにいいと考えています。

飯田さん:とても堅実な考え方でいいと思いますよ。ところで、結婚に向けて貯蓄はされているのですか?

なっちゃん:実は私自身、全然貯められていないのです…。

飯田さん:例えば、どのような結婚式を挙げたいか、なっちゃんの夢はありますか?

なっちゃん:結婚式は、私や彼にとって大切な人を呼んでやりたいなと思っています。また、実は彼とは一度も一緒に演奏したことがないので、結婚式でセッションをしたいなと考えています。

飯田さん:結婚式は新婦の方が主役というケースが一般的だと思いますが、いつもなっちゃんの音楽活動をサポートしてくれる彼も主役になっていいですよね。二人の初めての共同作業が演奏というのもステキです!

なっちゃん:彼には感謝しかないので、ぜひそうしたいです!

飯田さん:現実的な話になってしまいますが、結婚式にはどれくらいの費用がかかるかご存じですか?

なっちゃん:わかりません…。どれくらいかかるのでしょうか?

飯田さん:一般的な結婚式は200〜300万円程度かかるとされています。両家の家族だけで挙げるプランなら40〜50万円程度で済むこともあります。また、今では20人くらいの少人数で挙式できるホテルのプランもあるんですよ。

なっちゃん:結婚式は、招待する人数や内容でかなり費用が変わってくるんですね。どのような結婚式を挙げたいか、二人で話し合って決めます。

皆さんがどのような結婚式を挙げているのか知りたいですし、結婚式の費用がだいたいわかったら、どのように結婚資金を貯めていくといいのか、教えてほしいです。

飯田さん:でしたら、ホテルなどでブライダルフェアを開催しているので、二人で訪れてみてはいかがでしょう? 一般的には有料になるケースが多いですが、実際に提供されるコース料理を食べることもできます。

また、結婚資金の貯め方ですが、定期預金を活用して毎月積み立てていく「積立貯蓄」から始めましょう。結婚資金をいくらまで貯めていくのかは、彼と話し合って決めるとよいでしょう。


どんな結婚式にするかを決めるには、ホテルや結婚式場のブライダルフェアに参加してみては?
ただ、比較的高額なプランを紹介されることが多いんだ。
「自分たちには高額なプランは無理かも…」と思ってしまいそうだけど、実はリーズナブルなプランもあるから安心して!
自分たちの予算やリクエストに合ったプランがあるかどうか、担当者の方に確認してみてね!


プチぜいたくは月額約2万円。欲しいものでも迷ったら買わない

飯田さん:なっちゃんの音楽以外での楽しみって何ですか?

なっちゃん:仕事の区切りがついたりしたときに、1ヶ月に1〜2回ほど、彼と二人で2〜4万円前後のプチぜいたくの機会を設けています。プチぜいたくをするタイミングは、私の判断で決めるときもありますし、彼が決めるときもあります。

飯田さん:仕事の区切りのタイミングで楽しんでいるんですね。私はいいお金の使い方をしていると思いますよ。ごはんを作るのが面倒だから外食で使う1万円と、ごほうびで使う1万円では意味合いが全然違います。

それと、なっちゃんは趣味についてはどのようにお金を使っていますか?

なっちゃん:私の趣味は旅行やコスメ収集、グルメです。趣味に使うお金ですが、上限額は月2万円と決めています。買おうかどうしようか迷ったときは基本的に買いません。

飯田さん:意外と「迷ったら買う」という人は少なくないのですが、素晴らしい決断だと思います。

なっちゃん:以前の私は、迷ったら買ってしまっていたんです。でも、家に物があふれてしまうと、仕事にも集中できなくなります。そこで「物の多さ=頭の中がごちゃごちゃしている」と考えるようになり、物を増やさなくなったのです。そうすると、頭の中がすっきりして、客観的に物事を考えられることが多くなりました。物を増やさないことは大事なことだと思っています。

わからない金融商品に絶対手を出さないこと

飯田さん:なっちゃんはこれからどのようにして資産を増やしたいとお考えですか?

なっちゃん:投資に興味がありますが、やり方がまったくわかりません。投資や資産運用についてどのように勉強すればよいのか知りたいです。

飯田さん:まずは証券会社や銀行などが開催しているオンラインセミナーに参加してみてはいかがでしょう?

ひとつ気をつけたいのは、投資・資産運用を始めるときは、仕組みや内容などが全くわからない金融商品には絶対手を出さないことです。

投資・資産運用のことは、なっちゃん自身だけでなく、彼と一緒に考えて判断することをおすすめしますよ。

「仕組みや内容がわからない金融商品を絶対に買ってはいけない」と語る飯田さん

なっちゃん:実はNISAや投資信託をやってみたいと思っているのですが、「損をするのでは…」「元本割れするのでは…」と思い悩み、不安を感じています。

若い頃はリスクを取って投資をした方がいいといわれたりしているようですが、手持ちの資産のうち、投資信託はどれくらいの割合で保有するとよいのでしょう?

飯田さん:預貯金(円建て)は日本円のみで運用していますから、投資信託については、リスクヘッジを図る上でも、世界各国の株式が投資対象となっている投資信託を毎月積み立てて購入する方法があります。

まずは「積立貯蓄」と「積立投資」の両方を同時に、毎月少額で始めましょう。積立投資はNISAのつみたて投資枠を活用すると、運用益が非課税という特典を受けられます。積立貯蓄と積立投資の毎月の金額は「7:3」の割合をめどにしてみてはいかがでしょう?

投資・資産運用を始める方であれば、投資信託といった元本割れリスクのある投資商品は、保有する資産ポートフォリオ全体のうちの2~3割くらいで保有するのが望ましいといえます。ひとまず3〜5年を目標に、積立貯蓄と積立投資を続けてみてはいかがでしょうか?

■なっちゃんの3~5年後の理想的な資産ポートフォリオ


NISAには、以下の2種類があるんだ!
・成長投資枠:株(国内株・外国株)や投資信託など幅広い金融商品が一括でも積立でも買える
・つみたて投資枠:金融庁からお墨付きを受け一定の条件を満たした投資信託が積立購入できる
成長投資枠は年間240万円まで、つみたて投資枠は年間120万円まで、合計で年間最大360万円もの投資が非課税で可能なんだ!


これからはジャンルにとらわれず活動の場を広げ収入を得たい

飯田さん:これからなっちゃんはどのような活動をしたいか、長期的な展望はありますか?

なっちゃん:これからは芸術系というジャンルに絞りすぎず、自分の活動を通じてお金を生み出す取り組みができるのが理想です。音楽の仕事は辞めたくないのですが、将来的には音楽以外のことを始める決断をすることがあるかもしれません。そうであっても自分のやりたいことをやり続けたいと思っています。

飯田さん:夢が広がりますね! 音楽をはじめ芸術というのは世界共通言語です。例えばYouTubeやTikTokなどの動画共有サービスを活用して、なっちゃんの演奏を世界中に配信するのも一つの方法だと思いますよ。動画共有サービスならファン作りに役立てることもできますし、ライブ告知のツールにも使えます。

なっちゃん、ぜひ夢を実現させてくださいね。本日はありがとうございました。

なっちゃん:貴重なお話、本当にありがとうございます! 彼とのこれからの生活のために役立てたいと思います。

飯田 道子(いいだ・みちこ)さん
CFP、1級FP技能士。金融機関勤務を経て、FP資格を取得。現在は各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行う。どの金融機関にも属さない独立系FP。海外移住にも対応しており、特にカナダや韓国の移住や金融・保険情報を得意としている。

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