#595【旧ブログ2015年9月14日投稿】戊辰の足跡・鉄路六十里越(前編)

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戊辰の足跡・鉄路六十里越(前編)
2015年9月14日
http://blog.livedoor.jp/moneylight/archives/52132796.html
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こんばんは。
台風やらなんやらでまだまだ天気の悪い日々が続くトンキンでございます。

新月であった昨日、台風一過を狙って天体観測に出かけたが(今回はソロ出撃)、一切晴れずに一度もカメラを出すこと無く戦略的撤退を決めた。
2ヶ月前は長野県の野辺山に行ったので、今回は新しい観測場所探しを兼ねて群馬の山奥(下仁田)に行ったわけだが、私を迎えたのは雨。
やはり下仁田ネギさんサイドからすると、九条ネギの里から来た私は敵なのかもしれない。
ネギの恨みは百万年という言葉もあるので(無い)、キャベツ畑広がる野辺山に”転進”したが、そちらも殆ど晴れておらず、泣きながらiPodで軍歌を流して東京に戻りました。


実は先週も長野に行きました。
先週の金曜日に、出張で長野市に行った。
さらにいうと今週の金曜日にも長野にいったので、ここ1週間ほどで3回も長野にいったことになる。
もはや長野に住んだほうがいい。

で、その先週の金曜日に長野に行った際、それは日帰り出張であったのだが、私だけ長野市に残留して、翌日観光することにした。
最近出張が多く、金曜日に出張となればたまにこういう芸当を使う。
先々週は新潟に金曜行ったので、これまた自腹で1泊してぶらぶらして帰った。
営業の特権である。


さて、先週の金曜日に長野に泊まったときの話であるが、翌土曜日は長野観光はしなかった。
善光寺は御開帳のあった5月にこれまた出張で長野に行った日の夕方に行ったし、長野市は善光寺以外特に見所がない。
他に私が思いつく長野市の名所といえば、長野県庁にあったガラス張りの知事室であるが、もうとっくに田中康夫は知事を辞めてしまっている(今どうなってんだあそこ?)。

では、わざわざ長野に泊まって何処に行こうというのか。
その日は、9月5日(土)であった。
そう、夏の青春18きっぷの有効期間である。

私は大学1年の夏より、毎シーズン必ず1回分は18きっぷを使用することと決めている。
この行事はもはや私のアイデンティティに等しい。
8月はなんだかんだで土日が多忙であったため、いつ使おうかと考えあぐねていたときに、今回の出張の話がでた。

この機会、逃すまい。

ということで、長野駅を起点に今シーズンの18きっぷの旅を執り行うこととなった。



9月4日(土)

実は、長野駅からはもう18きっぷで乗れる路線は少ない。
今年の春に北陸新幹線が開業し、直江津方面へ向かう信越本線がJRから切り離されてしまった。
篠ノ井線はまだJRであるが、上田・軽井沢・高崎方面の信越本線は長野新幹線開業のころより第三セクター化している。

ただ飯山線は、長野から数駅は別料金だが、そこからはJRであるため、追加料金を三セクに払えば18きっぷを使える。
飯山線は、千曲川(信濃川)沿いを走るローカル線である。
終点は越後川口駅で、何もない。

上越線で北上すれば新潟だが、新潟はその先週に行ったので、そこから会津若松を目指すことにした。
会津若松へは只見線という、超ローカル線を使うことになる。
なんと1日に4往復しか列車がないとんでもない路線だ。
しかも、途中の只見~会津川口間は何年か前の集中豪雨で路線が流されて以来JR東日本に放置プレイを食らっており、列車が走っていない。
代行バスにのることになる。18きっぷでバスに乗るのだ。

長野から会津若松まで全てローカル線を使用するので、9時ごろに出ても到着は17時である。
ミスは許されない。
乗り過ごしたり、乗り間違えたりした瞬間、コンビニすらないようなど田舎で一夜を明かさねばならなくなる可能性がある…。



そうこうしつつも、まず飯山線に乗る。

長野09:15発 快速おいこっと十日町行き キハ110-236



ちょうどいい時間に観光列車があったので、指定券とって乗りました。
途中で添乗員(?)のオバチャンに野沢菜漬をもらいました。おいしかったです。




途中で大地震のあった栄村の駅に着きます。




十日町駅で降ろされ、駅前の薬局へ。
どうも前日に引いた風邪が悪化してきたらしい…。
せっかくの観光列車であったが、鼻水が詰まって意識が朦朧としていたのでよく覚えていない。


十日町12:27発 普通越後川口行き キハ110-231
越後川口12:57発 普通越後湯沢行き クハ115-1047

と、いくつかのローカル線を乗継、只見線の小出駅に。

小出13:11発 普通只見行き キハ40-2020

2両編成の列車で、この13時の列車を逃すと17時発の列車しかない。
しかもその17時の列車に乗ると、この日の間に会津若松に到着できないという鬼畜ぷり。

しかもまさかのまさか、座れない!
乗客たちを見ると、明らかに同業者と思しき面々。
少なくとも途中駅で降りそうな地元民ではない。
カメラをぶら下げてたり、異様に荷物が大きかったり、大判の時刻表を読みながら不敵な笑みを浮かべていたり…。

私は確信した。
こいつら絶対会津若松まで一緒だ。


風邪が悪化して病人と化していたこともあり、空席をなんとか見つけ着席したのはいいが、非冷房車という始末。
この21世紀の御時世、非冷房車ってマジかよ。

ただ、この日も非常に涼しかったので、低速ではあるが渓谷を走るその風が窓から吹き込んできて、心地よかった。
冷房車が一般的となった今、列車の窓を開けることは少ない。
その意味では、窓を開けて風を浴びるというのは、ローカル線の非冷房車でしか味わえぬものだなと思うと、これはこれで充分だと感じた。




1日4往復という絶望的な利用状況がよく分かる車窓。
このような渓谷を延々と走り抜ける。


只見14:32発 只見線代行バス会津川口行き

只見駅で降りると、代行バスに乗り換える。
案の定、途中駅で降りていったのは地元のJKと思しき二人組だけで、あとはほぼ全員そのままバスに乗り換え。
もともと只見線は、絶景を楽しめるローカル線として有名であったが、
豪雨に不通でバス代行がなされているということが、たぶん趣味者にとっては「18きっぷでバスに乗れる」という変な付加価値を付与されたということになっているのだろう。




バスの車窓から、何度か不通区間の只見線の痛々しい姿が見えた。
不通となって3年近く経つので、路盤の上には草が生い茂っており、線路があるのかどうかさえ分からない。
只見線が完全に自然に帰ろうとしているように見えるのだ。
東日本大震災から1年ほど経ってから、南三陸町や気仙沼へ、同じように気仙沼線の代行バスで訪れたことがあるが、やはりこういう復旧されない鉄道路線のボロボロな姿を見ると心苦しい。


会津川口15:27発 普通会津若松行き キハ40-534
さっきから同一行動をとっているマニアたちに対して一種の連帯感が生まれ始めたところで、再び列車に乗り換え。
これは2時間ほど乗ることになる長い列車だ。

残念ながら体調が悪かったので、2時間ほぼ睡眠に費やしてしまった。
鉄道旅行をしている人の中には、「寝てしまった部分の路線は乗った路線にカウントしない」というストイックなスタンスの人もいるそうだが、私はいつも平気で爆睡する。
誰も乗ってない中、のろのろと走っていく田舎の列車の中でぐーすか寝るのもこれまた旅情の一つであるというふうに捉え、睡眠欲にはあまり抗わないことにしている。

という言い訳もつかの間、会津若松駅へ。



会津若松駅は一部が頭端式ホームになっています。
この写真では見えないと思いますが、頭端式ホームの奥に、一部で有名な「会津若松駅ライブカメラ」があります。

ずっと前から来たい来たいと思っていた会津若松である。
ようやく実現した。まさか長野方面から訪れるとは思っていなかったが。

もう眠いので、会津若松の話はまた次回としたいと思います。
睡眠欲に抗っても損しかしませんからね。

おやすみなさい。

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