#598【旧ブログ2015年12月31日投稿】網走への片道切符(後半:試される大地編)
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注意:
この記事は、旧ブログ(http://blog.livedoor.jp/moneylight/)において、【2015年12月31日投稿】に投稿した記事を、Movable Type形式でlivedoorブログからnoteにインポートしたものです。
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また、2014年4月以前の記事については、noteの仕様上投稿日が正しく表示されません。
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網走への片道切符(後半:試される大地編)
2015年12月31日
http://blog.livedoor.jp/moneylight/archives/52139756.html
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こんばんは。
マネーライトです。
年末なのでブログ書こうとしたら、前回記事の続きを途中まで書いて保存していたのを発見してしまった。
完全に忘れてた。
ということで、前回記事の続きです。
(もう覚えてへんわ…)
前回記事:2015年11月23日
網走への片道切符(前半:津軽海峡・鉄景色編)
http://blog.livedoor.jp/moneylight/archives/52139657.html
11月1日
12年ぶりに来ました北海道。
夜行急行はまなすに乗って来たので、札幌駅は朝6時。
観光するにも何もなく、また13:00の旭川行き特急スーパーカムイに乗るまで時間があるので、
ネットカフェにて朝食と給電をすることに。
スマホのバッテリー残量に縛られる生活の馬鹿馬鹿しさよ。
とりあえず定番のココへ行くことに。

がっかりという評判を聞きすぎた上で訪れたためか、別にがっかりしなかった。
むしろがっかりがっかり言ってる人は、この時計台に何を期待していたのか。
次は北海道帝国大学へ。

この日は11月1日であったが、ちょうどよく紅葉していた。
一足はやい紅葉である(11月1日時点のお話である)。

北大にあるクラーク像は、腰に手を当てながら指を挿してbe ambitiousと言っているアレではなく、上半身だけのものである。
ネカフェでスマホ充電中に、どこいこうか調べていて初めて知った。
よくみるあの像はもっと札幌の郊外にあるらしい。

農学部本館である。
かっこええ。
本館の入口にゲバゲバしいフォントで書かれた立て看板が置いてあって
ああ神戸も札幌も同じなんだなと感心した。
札幌駅まで戻り、JRタワーにのぼったあとラーメン食べて、
スーパーカムイ旭川行きに乗車。
爆睡して何も覚えてねえぜ。

旭川駅は近代的でした。
そして次に乗ったのは快速きたみ号

網走に行くには札幌から特急オホーツクに乗ればよいのだが、わざわざ快速列車に乗ったのは…
来年3月に廃止となる秘境駅に降りに行くのだ…!
この旅の大きな目的のひとつである。
その駅名ぞ、伝説の「上白滝駅」である。
ニコニコ大百科の記事を以下に引用しよう。
上白滝駅とは、北海道紋別郡遠軽町上白滝にある、JR石北本線の駅である。駅番号はA44。
1面1線の単式ホームを持つ無人駅。
かつては2面2線の相対式ホームを持つ規模の駅だったため、立派な木造駅舎が建っている。
当駅は日本にある鉄道駅の中で、定期列車の発着が一番少ない駅となっている。発着列車数はまさかの上下1本ずつのみ。
正確には下り列車07:04発網走行き普通列車と、上り列車17:08発旭川行き普通列車の2本となっている。
上白滝駅は国道沿いにあるので、実は周囲は特に秘境でもない(とはいえ本州から見れば充分過疎っているが)。
伝説の秘境駅といわれる所以は、早朝に下り1本、夕方に上り1本しか停車しないという、
鉄道駅でありながら鉄道での訪問が極めて難しいことにある。
周囲に何があるわけでもない。
むしろ何かあればこんなに列車が止まらない筈がない。
何もないからこそ行くのである。
私の乗る快速きたみ号もこの駅を通過する。
ではどうするのか?
この2駅先にある丸瀬布という駅で降り、そこでレンタカーを借りるのだ。
丸瀬布駅は特急停車駅であるが、トヨタレンタカーのようなちゃんとしたレンタカーショップはなく、少し歩いたガソリンスタンドにあるニコニコレンタカーしかなかった。
そもそもこのJR石北本線は非常なローカル線である。
JR北海道は正直札幌周辺地区+札幌~旭川間以外は全て過疎路線といっても過言ではなく、非常に厳しい経営状況である。
人も住まぬとんでもない過疎地帯を抜け、旭川から上川、北見、そして網走へと抜ける。
まだ11月1日ですが、峠の信号場はこんな感じであった…。

気候が違う(確信)
無事丸瀬布駅に到着し、レンタカーをいま来た方向へ走らせる。
北海道は鉄道は終わっているが、道路はそこそこ整備されている。
20分ほど走らせたが、その間に一気に日が沈んでしまった。
そうだここは東経140度を越えている、日の入りも早いのだ…。
車で上白滝駅にいくと、なんと先客がいた。

列車はもう既に出発後だし、こんな駅に来ているのは120%同業者である。
これが駅の時刻表である。

下り方面の場合は、もう朝の7時には
「終電、なくなっちゃったね…」
となるわけである。
丸瀬布に戻り、特急オホーツクへ乗車。
2時間半暗闇を走りぬけ、網走についた。
11月2日
網走の朝は非常に寒い。
が、まだギリギリ秋と冬の境目だそうで、実は一周ずらすと完全に雪にやられていた。
レンタカーなんて絶対に乗っちゃダメな時期である。
観光が可能な最後の週だったわけである。
(網走は冬は冬なら流氷が見れるが)
この日はもう鉄道には乗らない。
みっちりレンタカーを使って道東を観光する。
まず向かったのは網走監獄である。網走といえば刑務所でしょ!

昔の網走監獄を移築して博物館にしたところである。
「監獄の誕生」を書いたミシェル・フーコーを卒論のテーマに選んだマンとしてはぜひ訪れておきたい場所である。
注目はここである。

五翼放射状平屋舎房というのだが…
そう、分かる人には分かるこのパノプティコンっぷり!!!
功利主義者のベンサムが考案したパノプティコン(衆望監視システム)。
囚人の牢獄を円形に配置し、中央に監視塔を立てる。
牢屋からは中央が見えないようにするが、監視塔からは全ての部屋が見えるようにする。
こうすることによって、さすがは功利主義者、最小限の監視体制で、多くの囚人を監視することができる。
ただそれだけではなく、囚人はいつどのように看守から監視されているか分からなくなるため、
常に監視されているのではないかという恐怖を抱く。
そののち徐々に、囚人たちは自分たちの心の中に看守からの視線を持つようになる。
フーコーの言葉を借りると、「看守の視線を内面化」させた囚人たちは、仮に本当に監視塔に看守を置いておかなくても、
規律正しく刑務生活を送るという理屈である。
ベンサムは18世紀の人間であるが、戦後にミシェル・フーコーが、近代社会の比喩としてこのパノプティコンを持ちだした。
話が非常に長くなるので省略するが、近代社会というのは、国民が権力の視線を内面化しているというのが特徴であり、それを規律訓練型権力と呼び、近代権力の分析に貢献したわけだ。
このようなパノプティコンの監房システムと、近代権力が生み出した学校や工場、軍隊なども同様な装置であるということらしいのだ。
なんかよくわからない(俺も良く分からない)だろうが、なぜ諸君らは中学校の自習時間で教師がいなくとも(一応はおそらく)おとなしく座って勉強していたのかをじっくりと考えてみれば、少し分かるかもしれない。
「教師が見ているかに怯えていたわけではなく、自分の意思で勉強していた!」と反論する人もいるかもしれないが、その「自分の意思」というものこそが、「自分で自分を律している」ようにみえて、教育機関という近代装置によって巧妙に作り上げられた規律権力なのかもしれない、ということだ。
自らで自らを律して行動してくれる国民こそ、近代的権力にとって有用なものはないのだ。
それは工場であれ、職場であれ、家庭であれ、そして軍隊であれ。
話が長くなりました。
完全なベンサムのパノプティコンの形式ではないが、この
真ん中に監視室が置かれ、そこから牢屋が伸びている形は、まさに効率的な監視を目的とした形である。
非常に興奮した。
ぜひ興味のある人は訪れて欲しい。
ただ、春~秋に来たほうがいい。
というのは、ここ網走監獄では「刑務所メシ」を試食できる食堂があり、それをひとつの目的として訪れたのだが、
11月は閑散期らしく、閉まっていた。
またリベンジしたいと思う。

敷地内にエゾリスがいました。
網走監獄を堪能した後は、北海道のなっが~~~~~~い国道を走る。

普段バイク乗ってるからかどうか、性格の問題なのかは分からないが、
あまり車運転したこと無いくせにスピードを出してしまう。
俺は北海道ではハンドル握らないほうがいいなと心底思ったね。
エゾジカとぶつかったら終わりだし。

国道334号(※阪神国道ではありません)
網走から1時間、車を走らせて登った先にあったのは…

屈斜路湖!
前から来たかったんだよね~
このザ・カルデラといわんばかりのカルデラ感!!(語彙力崩壊)
いったいどんだけでかい噴火をやらかしたらこんなことになるのか。
ずっとボーッと見ていた。
せっかくなので、屈斜路湖畔に降りてみた。
露天風呂があるのである。

右側が男湯である。閑散期ということもあり俺しか居なかった。
まあ露天なので足だけ。
驚いたのは、これ。

白鳥

白鳥

白鳥!!!
全くリサーチしていなかったが、この屈斜路湖には時期になると渡り鳥である白鳥が来る。
あとできたオッサン(白鳥を撮影しに来た)曰く、ちょうどこないだ渡ってきたらしい。
運が良かった。
鳴き声がうっさかったが、全然人間にビビりやがらない。
まさに白鳥の湖である。
これを見られただけでも北海道に来た甲斐があった。
帰りは女満別空港からエア・ドゥで羽田に帰りました。
いやはや、一人であったが、最高に楽しかった。
最初で最後の寝台急行はまなす、上白滝駅、網走監獄、屈斜路湖…。
またきたいですね。
さて、紅白を見ながらブログ打っていたので、4時間ぐらいかかったw
ちょうどいま紅白が終わった。
あと15分ほどで2015年も終わりでございます。
今年はいかがでしたでしょうか。
私の2015年を振り返りますと、出張と旅行で新幹線に乗りまくっていた記憶しかございません。
その他は…本当に何もなかったような気がします。
しいて言うなら、普通二輪免許を取得したことが、唯一プライベートでその他のトピックでしょうか。
ということで、マネーライト今年の漢字は、「幹」ということで…
来年は宝くじを当てて、今年の漢字は「宝」と声高に叫びたいですね。
それではみなさん。良いお年を。
1年間お世話になりました。