#609【旧ブログ2017年1月22日投稿】東條首相の算術

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注意:
この記事は、旧ブログ(
http://blog.livedoor.jp/moneylight/)において、【2017年1月22日投稿】に投稿した記事を、Movable Type形式でlivedoorブログからnoteにインポートしたものです。
あくまでブログの継続性を担保するために機械的に記録したものにすぎず、レイアウト等はほぼ引き継げておりません。
また、2014年4月以前の記事については、noteの仕様上投稿日が正しく表示されません。
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<旧ブログ記事へはこちら>
東條首相の算術
2017年1月22日
http://blog.livedoor.jp/moneylight/archives/52177929.html
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こんばんは。マネーライトです。
特にネタはないのだが、昨日1月21日が何の日かだけ伝えたくて、記事を書くことにした。


2017年1月21日をもって、私が管理している(していた?)ゲーム攻略サイト「K立ポケモン大学」は開設14年を迎えました。


ウエッ、もうそんなに経ったのか…。

説明しておくと、私は2003年1月21日、つまり小5の冬より、ポケモン攻略サイトを運営していた。
その全てが黒歴史なので詳細は省略するが、3~4年はちゃんと更新していた。
もちろん最近は放置の極みだが、閉鎖はしていない。

このブログも、もともとはこのK立ポケモン大学の中の一つのコンテンツとして始めたものだ。
サイト自体は更新を停止しているが、一コンテンツであるこのブログはたま~に更新しているので、今もサイト自体が続いていると勝手に認定している。

14年ともなると、ツイッターやフェイスブックよりも年上である。
ああ、これも去年言ってたか…。


なにはともあれ、2000年ぐらい続くように頑張りたいと思います。



けふは、神保町についてでも書こうかと思う。

東京・神保町。
ここは日本最大の書店街・古本街として有名である。
別に読書好きではないが、昔から「立ち読み」が趣味なので、休日たまに訪れる。
勤め先も神保町からそう遠くない場所にあるので、平日も何度か来たことがある。

古本街としてのイメージのほうが強いかもしれないが、新刊本もちゃんと売っている。
三省堂書店の本店や書泉グランデという大規模店舗もある。
書店だけではなく、版元各社(岩波書店や小学館、集英社など)の本社もいくつかある。

詳細な解説はwikipediaに譲るとして、今回はたまに行く古本屋のうち、ある店舗で見つけた本を紹介する。
神田古書店街 -wikipedia


それは、軍学堂というお店で発見したものだ。
軍学堂
http://www.gungakudo.com/study/

数年前に神保町でオープンしたので、古書店街の中では極めて新しいお店ではないが、軍事・戦争に関する本が並ぶ。
戦後に出版された書籍が過半数を占めるが、中には戦前に出版された本や、軍隊手帳、旧日本軍の内部資料なども並んでいる。
そこで私は、以前にこういう本を見つけた。



キング改題富士

もしかすると、日本史の資料集などで目にしたことがある人もいるのではないだろうか。
これは戦前の「キング」という雑誌である。
今はもちろん廃刊となっているが、戦前~戦中は日本で最も売れていた大衆雑誌である。
当時はネットはおろかテレビもない時代であり、主なメディアといえば新聞・ラヂオ・ニュース映画。そしてこういう雑誌。
戦前・戦中はみんなが読んでいたといっても過言ではなかろう。

戦争が始まり、しばらくすると、敵性語排斥運動が起こる。
その影響で、「キング」という外来語を排し、「富士」に改題したその記念すべき号である。

そんな有名な雑誌の記念号がなんと1500円で売られているのだから、買わないわけにはいかない。
まあ出版部数も多く、現存している冊数も多いからそこまで高くないのであろう。


昭和18年3月1日発行、とある。
1943年の夏なので、ガダルカナルからは撤退済で、既に戦局としては劣勢に陥っているが、まだ本土空襲も学徒出陣もなく、男たちはどんどん兵隊に取られてはいくものの内地はまだまだ戦場にはなっていなかった時期である。

とはいえ生活は完全に戦時翼賛体制なので、記事にしても戦争関連のものが目立つ。
というか大半がそうだ。
南方戦線における兵士の活躍談、物資不足を補う台所術、昔話が始まるとすぐに大楠公(楠木正成のこと。なぜか戦時日本ではヒーロー扱い。表1を飾っているのも日比谷公園にある楠公像)…
そんな調子だ。



小ネタコーナーも戦時ギャグである。

賢答

先生「ABCD包囲陣とはどういふことですか?」
生徒「はいつ、アメリカ、イギリス、蒋介石などを手も足も出ないやうに取り囲むことです」


日本史のテストでこう答えたら間違いなく先生から呼び出しを喰らうが、当時からもABCD包囲陣という言葉があったことがわかる。




「米英悪虐物語」という副題が付く小説。
今回の小話は、大英帝国がインドでどれだけひどい植民地支配をやってきたかということがつらつらと書かれている。
戦後は一転、今度は日本がアジア各国で大戦中やってきたことをこういう調子で読まされるわけだから皮肉なものである…。


雑誌はもう完全に戦時体制だが、広告は普通にある。



理研光学というのは、今のリコーである。
この時代からカメラを作っていたわけである。

通販のようなものも見られる。



風立ちぬで堀越二郎が使っていたあの計算尺も売っている。

さて、歴史的価値のあるものも発見できたりする。
どうでもいい人にはどうでもいいが、こんな記事を見つけた。



全文書き出そう(めんどくさいので新字体で)。

この意気で増産!
二月一日衆議院予算総会において、小川郷太郎氏の『限られた資源をもっていかに増産するか』との質問に対し、東條総理は、次のように答弁せられた。これは勝ち抜く国民のもって心得とすべき名言と神事、ここに再録いたします。(記者)

石炭はこれだけしかない、石油もこれだけだと、なにもかにもないないづくめを基本にして計画を樹てているだけでは、一たす四は五だというだけで澄し込んでいるのと同じで、誰でも出来る簡単過ぎる計算だ。これを十にも二十にも八十にもしてゆくことが、勝ち抜くためのわれわれの努力しなくてはならない点であり、これが日本精神である。現にわれわれはこれに向って邁進している。全国民がこの意気込みでやってゆくことによって勝ち抜くことができるのである。


でた!
ネットの一部界隈で有名な「東條首相の算術」ではないか!

この画像なら見たことがある人がいるのではないか。



読むだけで頭が痛くなってくる。一国のトップがこんな感じなのだからそりゃあ戦争にも負けるわと思わざるをえない文章がネットの一部界隈でウケたのだが、ちょっと前に、この東條発言の真偽について議論になったことがある。

というのも、ソースがないのではないか、当時のメディアの捏造ではないのか、果てはこの画像はコラではないのか、といった議論である。
ツイッターでの議論は省略するとして、概ね以下のブログのように検証がなされたことがあった。
ポスター「東條首相の算術」について
http://blog.goo.ne.jp/ayureiji/e/dc34f96b4db8313488a4c69ddc55d4ea

ただ、結果的に、当該発言を収録した新聞記事が見つかり、この東條発言がホンモノだったことが確認できたと記憶している。
再録、とされた上記の文章とほぼ同様の内容だったと思う。

大衆雑誌で再録されるほどの発言だったのだから、当時は広く知られたのであろう。
今から思えば、戦時日本の非論理性や精神主義をこれほどまでに表した発言はないが…。


ほかにも楽しい記事がたくさんありましたが、全て紹介していくととても足りないので、このへんでとどめておきます。
軍学堂には他にも楽しい本がたくさんおいており、こないだ見つけた中では「国防スキー : 其の本質と方法」という本が非常に気になってしまいましたが、購入せずに帰宅しました。
内容はタイトルのままで、ソ連が攻めてきたときにスキーで対抗するとかそんな内容でした。

また面白い本を見つけたら紹介できたらと思います。
おやすみなさい。

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