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第36回銀座コインオークション雑感

銀座コインオークションの歴史

 令和6年11月16日に銀座コインオークションが帝国ホテルで行われました。私は、コロナ前は毎年のように帝国ホテルに出向きオークションに会場参加していたのですが、コロナ以降は自宅でlive映像を見るなどして参加することが多くなりました。
 銀座コインと言えばコイン商としても老舗の部類に入ります(1968年創業)が、最近代替わりでオークショニアが代わったことも話題でした。
 
 銀座コインオークションは長年、何でも鑑定団でおなじみの鑑定士の弟さんがその場を取り仕切っていました。渋い声による独特のアナウンスは銀座コインオークションの看板で、日本国内のオークションの中でも特に競争が激しく落札額が高額になることで話題でした。またそれはオークショニアの手腕だけでなく、出品されるコインの質が毎回高いことの裏返しでもあります。
 しかし、代替わりが会ったことが原因かは分かりませんが、ここ2,3年は落札価格もやや控えめに落ち着いているような印象も受けます。

今回の私的目玉コイン

 今回私が私的に注目していた出品物は以下です。

1.lot399 岩倉新500円 1桁 A000169A 昭和44年~ 未使用
2.lot612 新1円銀貨(大型)明治7年 後期 深彫 NGC(PF65)
3.lot895 ヴィクトリア ゴシック CROWN銀貨 1847年 UNDECIMO PCGS(PR65CAM)

 恐らくコインオークションの花形は神聖ローマ帝国時代の12ダガット金貨や10ダガット金貨になるのでしょうが、個人的にはあまりこれらのコインには惹かれないんですよね~。
 ミーハーでもあるためやはり王道のイギリスコイン1択という感じです。
 しかし、イギリス以外のコインも毎回一応チェックはしていますので、特に惹かれる物があれば今後挙げていきたいと思います。

結果と雑感

 結果として、まずlot399の岩倉新500円札は240,000円でかなりお買い得な印象です。そもそも紙幣の記番号で200番以内はほぼ市場には出回らないことを考えると、未使用でこの価格はかなりよい買い物をしたのではないでしょうか?

 次に、lot612については私には価値は分かりません。というのも新1円銀貨はオークションに出るのがほとんど通常貨で、プルーフというのは初めて見たからです。だから、どんな結果になるのか非常に興味がありました。
 
 結果は、8,200,000円!明治7年というのは新1円銀貨でも特年で通常貨でも状態のいいものが少なく落札額は100万円を超えてきますが、それをはるかに超える落札額でした。やはりプルーフ強し!といった印象です。

 最後は、ヴィクトリア女王のゴシッククラウン銀貨です。今回出品されたのはいわゆるレアなプレーンエッジではなく、通常のUNDECIMOの方ですが、それでも状態がPR65CAMと素晴らしくいいので注目でした。
 結果は14,000,000円でやはり高額な落札結果となりました。しかし、同じく出品されていたゴシッククラウン銀貨のPF63が300万円代であったことを考えるとゴシッククラウン自体の高騰はやや収まりつつあるのかなといった印象です。

 最後に雑感として・・・。
 今回に限らず国内のオークションに海外の有名コインの出品がやや少なくなっているのを感じました。以前は銀座コインオークションならウナ・ライオンは毎年のように出品されていましたが、ここ最近は見なくなりました。
 あとは、スリーグレイセスといった珍しいパターン貨の出品も少ない気がします。
 国内オークションに海外の希少コインの出品が減った理由ははっきりしませんが、本当に価値のある海外コインは海外オークションで探さなければ見つからない時代になったのかもしれません。

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