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”金利”の解説~第1回:基礎用語編~

1.はじめに
 こんにちは!つみたてRyutaです。
現在、新型コロナウイルスの影響で投資を始められる方が増えていると思います。株式、為替、債券といった金融市場は景気によって左右されますが、その景気を予測しやすくするものが「金利」です。
ニュース等で、「短期金利」や「長期金利」というワードを聞いたことがあるかもしれませんが、現在の状況を正しく知ることによって、その後の景気を予測しやすくなります。中央銀行(日本銀行)の金融政策が、世の中の金利にどのように影響しているのか、その先の景気にどのように繋がるのか。今回から“金利の基礎“から説明し、皆さんの金融リテラシー向上に寄与できればと思います。


2.金利とはそもそも何か
「金利」を一言でいうと、「お金の賃貸料」のことです。家や車を購入する際、手持ちのお金が不足している場合、他のところからお金を借りてきて、借りたお金を返す際は、貸してくれたお礼として「金利」という貸借料を上乗せして払うと思います。
お金を沢山もっている人が、お金が不足している人に貸し、借りた人は賃貸料を上乗せして返す、その賃借料が”金利”です。

この金利の仕組みがあるからこそ、まとまったお金を借りることができ、企業や個人は高価なサービスやモノを手に入れることができます。

例えば、住宅ローンをイメージしていただくと・・・
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ある夫妻が「いつか一軒家が欲しい」と思い、”〇〇不動産”に行ったところ、売り出し中の一戸建ては3,000万円。
世帯年収は800~900万円であり、頭金の1000万円は準備できたものの、今すぐに3,000万円を支払える状態ではありません。

不足分2,000万円については、”〇〇銀行”の住宅ローンを組むこととしました。

《借入金額:2,000万円、返済期間:25年、金利:4%》
上記の条件であれば、月々の返済額はざっくりと10万円くらいです。
なお、総返済額は以下のようになります。
約10万円(月々の返済額) × 12か月 × 25年 = 約3,000万円(総返済額)
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元々の借入金額が2,000万円だったので、金利分だけだと約1,000万円です。この金利分を高いか安いかと思うかは人それぞれですが、もし、この世にローンの仕組み(金利を払ってお金を借りるサービス)がなければ、この夫妻は当分の間、一軒家を手に入れることはできなかったのです。

このように”金利”の仕組みがあるからこそ、借りた側は高価なサービスやモノを手に入れることができ、貸した側も金利を”利益”として受け取るという企業活動が成り立っています。
つまり、金利というものは各企業や、我々のような家計と大きく密接しており、経済を活性化させています。私たちの生活に欠かせない経済ルールのため、”金利”を知ることで”経済を読む”ことが容易になります。

3.金利の種類
‐1.元本と元金
各種ローンや保険等で「元本」と「元金」というワードをよく聞くと思います。まず、この違いから説明すると・・・
【元本】投資した金額
【元金】借りた金額

上記を前提に、金利には以下の2つに大きく分けられます。

【お金を投資して(預けて)受け取る金利】
私たちの身近な例では、普通預金や定期預金などの金利が挙げられます。
(例)金利3%で、預入期間1年の定期預金に、200万円を預ける。
200万円(元本) × 3%(金利) = 6万円(貸借料)

上記の例だと、預金者は1年後の満期に「206万円」を受け取ることができます。

【お金を借りて支払う金利】
私たちの身近な例では、住宅ローン、マイカーローン等が挙げられます。
ローンの案内に「〇%」と記載されていると思いますが、これはお金を借りたときに支払う金利を表しています。

‐2.金利、利率、利息、利子
ここまで、「貸した側」と「借りた側」で金利を説明しましたが、金利の他に、「利率」「利息」「利子」という言葉があり、皆さんも聞きなじみがあると思います。
以下、それぞれの意味についても解説いたします。

(1)金利と利率
金利と利率は、元本や元金に対する割合(%表示)で意味は同じですが、使われ方が異なります。
【金利】マクロ経済(国全体)を表現するときに使われる。
 (例)「市場金利が上昇した」

【利率】定期預金等の、主に金融商品の収益率を表すときに使われる。
 (例)「定期預金の利率が2%」

(2)利息と利子
利息と利子は、貸したお金(元本)に対する金利で算出される金額のことを言います。意味はほぼ同様ですが、預金の場合は「利息」、債券(※)のような場合は「利子」を使うのが一般的です。
(例)「定期預金の利息が3万円ついた」

(※)債券:国や企業がお金を借りるために発行する証書


以上、まずは基礎用語編ということで、第1回目の記事を書いてみましたが、今後も定期的に”金利”について発信していきたいと思います。

以 上

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