【シャドーイング不要論】MONEY ENGLISHでシャドーイングをやらない理由
皆さんこんにちは!
MONEY ENGLISHの大石です。
本日は英語コーチング業界の闇に深く切り込んでいきたいと思います。
まずは、生徒さんと最初にお話しする機会の中でよくあるラリーを紹介します。
こんな感じのお話をすることがよくあります。
英語コーチングサービスをご検討頂いている方でかつ、英語コーチングのサービスを色々比較・検討されている人であれば分かると思いますが、
「英語コーチング=シャドーイングやる」
ってなんかテンプレのように皆さん言いませんか?
まるで、シャドーイングというトレーニングが最新の英語学習メソッドであるかのように。
「えっ、そうじゃないんですか?」
という声が既に聞こえてきそうなので、結論から先に言いましょう。
「シャドーイングは9割以上の日本人英語学習者にとって、有効なトレーニングではない」
でも何故か、「シャドーイングめっちゃ良いよ!伸びるよ!」
って言うサービスや、英語系のインフルエンサーが多いのでなんとも困惑しちゃいますね。
ということで本日この記事では、
・何故シャドーイングが9割以上の日本人英語学習者にとって、有効なトレーニングではないのか?
・何故シャドーイングが良いと信じる英語コーチ・サービスが多いのか?
・シャドーイングよりも、遥かに有効なリスニングトレーニングとは?
この3点にフォーカスを置きつつ、お話していければと思います。
ちなみに本日お話を進めていく中で1つ大事な前提があります。
それは、
「英語学習は方法ではなく量が大事ということ」
元も子もないことを言ってしまいましたが、これが真実です。
どの方法・どんな形だとしても英語に触れ続ければ英語力は伸びます。
だからこそ、
特定の学習方法が正しい・間違っている!
ということを一切言うつもりはありません。
何故なら、どの方法でも地道に量をこなせば英語力は伸びるからです。
ただし、
昨今の「英語学習はシャドーイングが最強!」的な意味合いで語られることが多くなっているこのカオスな状況に関して、私個人的な意見をお話していこう!というのが今回のコンセプトです。
何故シャドーイングが9割以上の日本人英語学習者にとって、有効なトレーニングではないのか?
さて、ここから行きましょう。
専門的な話になってしまうと理解しにくい可能性があるので、英語初学者でも分かるようになるべくシンプルに説明していきます。
シャドーイングトレーニングとは?
さて、
・そもそもシャドーイングトレーニングとは何なのか?
・何の目的で生まれたトレーニングなのか?
ということからお話していきます。
つまり、何か英語の音声を聴きながら、音声が聴こえてきたと同時に聴こえてきた音を発音して音声に影のようについていく!! ということみたいです。(イメージが掴めない人はYoutubeなんかで検索してみてください)
また、この説明にはちょうどこんな文言もありますね。
・通訳訓練法
・難易度の高い学習法
「えっ、通訳者の練習法なの?!」
「難易度の高い学習法なの?!(私は超初心者だったのに、シャドーイングやらされました・・(泣)」
そんな声が聞こえてきそうですね。
そうなんです。
元々シャドーイングは同時通訳者が同時通訳・翻訳をよりスムーズにできるように!と編み出した練習方法なのです。
なので、難易度の高い学習法と言われています。
どのレベルの人なら有効なの?
では、どのレベルの人だと有効にシャドーイングトレーニングを実施することが出来るのかというと、
私のイメージだと、
最低でもTOEIC800点以上。理想は900点以上。
レベルの人なら、きっと上手に工夫すれば良いトレーニングになるのだろうと思います。
というわけで、9割以上の日本人英語学習者にとって有効なトレーニングじゃないと考える理由1つ目です。
(他にも色々細かいことを言えばあるのですが、皆さんも1度やってみればその理由が分かると思います)
何故シャドーイングが良いと信じる英語コーチ・サービスが多いのか?
さて、ここからは本音で行くわよ!(細木かずこ風)
では、何故そのようなハイレベルなトレーニングを推奨するサービス・人が多いのでしょうか。
考えられる主な理由は2つです。
①シャドーイングが良いと書いていた、誰かが言っているから
②自分もシャドーイングで英語力が伸びたから
シャドーイングが良いと誰かが言っているから
誰がどのような意図で言い始めたかはさておき、英語コーチングスクールの認知拡大と共にきっとこのトレーニングの認知も広がっていったように思えます。
何故かは分かりませんが、少なくとも私が知っている9割以上の数ある英語コーチングサービスでは、シャドーイングをトレーニングメニューとして採用しています。
これに関してはきっと、
「あそこの大手さんが良いと言っているんだ!」
「であれば、うちも取り入れよう!」
的な脳死の連鎖、ビジネスで言うモデリング(TTP=徹底的にパクる)的なところなのだろうと思います。(もし本当に1人1人の生徒さんの課題やレベルに合わせてトレーニングを選定するなら、9割以上の場合でシャドーイングをやろう!にはならないはずですよね)
昨今、世に溢れる英語コーチングサービス、
そこで英語コーチをしている日本人の方は多く存在し、実際に日々シャドーイング指導を行っているのだろうと思いますが、
では、現に高い英語力を持っているであろう英語コーチが英語力を上げるにあたり、初中級レベル地点で、シャドーイングというトレーニングを行っていたのでしょうか?
答えは、、「9割以上の方がNO」(あくまでも私の推測です)
なのに、指導する立場になると、再現性やその本質も理解せずに何故かシャドーイングを推すという。。カオスな状況と言えるかもしれません。
自分もシャドーイングで英語力が伸びたから
と言いつつも、実際にシャドーイングをやって伸びた人も多くいらっしゃるのだろうとは思います。なので、そこは否定しません。
が、これも結論から言うと大きく2パターンのケースがあるかなと予想しています。
ケース①:「シャドーイングがしっかり行えるレベル・ポテンシャル・粘り強さがあったから伸びた」
前述しましたが、どの方法でも大量にかつ、粘り強く行えば英語力が伸びないなんてことはありません。
ちなみに、シャドーイングが有効だと言っている人はおおよそ既に英語レベルの高い方たちの場合が多いと思います。
(初中級者が良いよ!って言っていることあるんですかね。。私は少なくとも知りませんが。。)
ケース②:「英語力が高い=開始レベル or 元々のポテンシャルが高かった」
可能性もあるかなと思います。
例えばですが、
最近WBCで世界を賑わせた野球選手の大谷翔平選手。
大谷翔平選手が少年時代にやっていた特殊な練習法が仮にあったとします。
そこからこう考える人がいそうです。
「メジャーリーガーの大谷選手がやっていたから、そのトレーニングは良いのだろう!」
①メジャーリーガーがやっている練習→そのトレーニングは効果がある。
→その可能性も確かにありますが、もしかすると効果を感じにくい人もいるかもしれませんので、必ずそうとは言い切れませんよね。
逆に、
②そのトレーニングを行った→メジャーリーガーになれる。
→これも、「そうとも限らない」ですよね。
つまり、通訳者もしくは英語が堪能な人がやっていたトレーニングだからと言って、有効なトレーニングとは限らないですし、シャドーイングを続けたからと言って、通訳者になれるわけでもないかなと個人的には思います。
シャドーイングよりも、遥かに有効なリスニングトレーニングとは?
さて、本記事もまとめに入っていきます!
結論から言うと、
「音読トレーニング」です。
もしくは、この界隈で使われているそれっぽいトレーニング名で言うと、
「フレーズリピーティング」です。
では、この「音読トレーニング」と「シャドーイング」の何が違うかというのを説明していきます。
シャドーイングのトレーニング目的とその難しさ
まず、そもそも論ですが、
全てのトレーニングには必ず意図された目的があるということです。
シャドーイングの本来のトレーニング目的等は一旦置いておいて、
世にたくさんある英語コーチングサービスが脳死的にやらせているという前提の中で、恐らく一番意識されているであろう目的は
「リスニング力の向上」だと思います。
何故、「リスニング力の向上」か?
それは、音声変化と言われる英語独特の発音規則を習得する為。
例えば、
I was born in Japan. (私は日本で生まれました)
これを普通に発音すると、
アイ ワズ ボーン イン ジャパン
のように単語それぞれで独立した発音を繋げていくようなイメージです。
一方、英語が上手い人がどのように発音するかというと、
アイ ワズ ボォ-ニィン ジャパン
のようになりますが、これは、
born + in という2つの単語の語尾と語頭の音が重なり、
bor-ninのように発音されるというわけです。
他の例も出しましょう。
I went to the mountain last week.
普通に読むと、
アイ ウェント トゥ ザ マウンテン ラスト ウィーク
一方、実際はどのように発音されるかというと、
アイ ウェヌ ザ マウンゥン ラス ウィーク
・went to => wen(t)(t)o *各語のt音の脱落し、nとoが繋がる
・mountain => 間のt音が脱落する
・last week => lastのt音が脱落する
こんな感じで、要は色々発音に変化が起こっているわけです。
発音に変化が起こると、知っている単語や文章でも聴きとれない!みたいなことがよく起こるわけですね。だから、リスニングに効果アリ。
シャドーイングは、実際に話されている発音を、音を聞きながら真似する!というトレーニングなわけですから、見よう見まねで聴こえてきた感じの音を、I went to the mountain last week(アイ ウェヌ ザ マウンゥン ラス ウィーク)っぽく、発音する練習!なわけです。
が、これが難しい。
何が難しいって、、
①そもそも見よう見まねでしかないので、本物っぽく発音できているか常に分からない
②音声のスピードが速すぎて、そもそもついていけないし、ついていこうとすると雑な発音になってしまう
③ ①と②が主な原因で、トレーニングの目的を意識しながら実施出来ない(それどころではない)
上手くできていないまま続けていても、フラストレーションは募るばかり。
何度も言いますが、全てのトレーニングには必ずトレーニングの目的があり、その目的を達成することがトレーニングの本質です。
トレーニング(例えばシャドーイング)を毎日することが目的にならないように気を付けましょう。
効果的な音読トレーニングのやり方
さて、ここまで読んで頂け方へ。
今日からでも実施できるより効果的なトレーニングをご提案します。
音読トレーニングとは、その名の通り
「声に出して英語を読む」トレーニングなわけです。
なんだ!シャドーイングと変わらないじゃん!
そう。ここまでは変わらないです。がやり方が明確に違います。
効果的な音読トレーニングの5STEP
①音声を聴く(音読は音声が付いている教材がベスト)
②スクリプトを目で見ながら+音声を何度か参考にしながら読む
(出来れば基本的な発音ルール(フォニックス・音声変化)をスクリプトにメモして読む)
③自分の音読を録音し、元音声との聞き比べて答え合わせ
④更に改善して、再度発音を練習してみる
⑤正確な発音で読めるようになったら、最後にスピードを上げて練習
要は、シャドーイングのように音声をたくさん聴きながら、それについていきつつ、音声を闇雲に真似するのではなく、ゆっくりでも良いので目で英文を追いながら正確に発音できることを目指す。というわけです。
私の生徒さんの音読教材(めっちゃメモしている)写真をちらっと共有。
先ほど紹介した音声変化でしたが、
別に音を聴きながら真似しなくても良いんです。
このメモのように、意識しなければいけないポイントを目で見えるようにした上で、まずはゆっくりでも正確に!を意識して読むんです。
音読トレーニングとシャドーイングトレーニングの決定的な差は、
スピードの制約がない(ゆっくりでもOK)ので、単語単位で発音を意識して練習することができる
だって、そうじゃないですか。
例えば練習中、1度も意識出来てもいない箇所を、先生に添削されて、ここ直しましょう!って言われても、、
「えっ、それはそう読むんですね!知らなかったです・・・」
ってなりませんか?
目で追いながら、1つ1つの単語を正確に発音しよう!という意識で練習したとすると、
「あ~!意識していたのにまだ甘かったか。。もう1度練習しよう!」
となりますよね。学びの質が大きく違います。
そして、正確に読めるようになったら今度は
その精度を保ったまま、スピードを上げて練習するんです。
〇音読トレーニングの場合
①発音の精度を上げる
②精度が上がったら、精度を保ったまま、スピードを上げる
〇シャドーイングの場合
①スピード感を意識しながら発音の精度も上げる
つまりはこういうことです。
シャドーイングがいかに難しいトレーニングなのか、改めて分かって頂けたら嬉しいです。
まとめ
さて、かなり長い記事になってしまいましたが、要点をまとめていきます。
全てのトレーニングにおいて、目的が何かを意識することが重要
多くの場合、トレーニング目的を考えれば、方法の難しいシャドーイングを選択する必要性はかなり薄い
音読トレーニングをトライしてみる(やってみると意外と面白い!?)
是非、今日から音読トレーニングにトライしてみてください(^^)
英語を身に付けて、その努力と時間をマネーに!
MONEY ENGLISH
大石
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それでは、また次回の記事で皆さまに会えることを心より楽しみにしています。
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