短距離必勝法「スピードスター」は本物か? 発売前に検証してみた
マネードラゴン投資馬券塾です。8月27日に、中山カルタ氏による『短距離特化馬券術スピードスター』(秀和システム)が発売されます。
ちょうど筆者(マネードラゴン)も、短距離戦は研究対象とし、メルマガでも配信しているため、このnoteでは注目点と、懸念される点をまとめてみました。書籍購入の判断や、オリジナルの馬券術に落として活用する際の参考になれば幸いです。
筆者(マネードラゴン)のメルマガでの短距離回収率
まず筆者のメルマガ・マネードラゴン投資馬券塾における、3月に開発した「絶対勝負レース」の短距離部門の成績を挙げておきます。
競馬予想家の能力を測るには、買い目事前登録制度に参加し「2年」連続でプラス決算を上げるのが確かなボーダーライン。その点では、上の数か月の成績は参考程度ですが、一応短距離を研究対象としていることは、伝わるかも知れません。なお、レースVTR目視確認で得た経験をベースに、AIやデータベースを活用しています。
「スピードスター」の優れた点① そもそも短距離を選んでいる
かつて、西田式スピード指数(1992年~)が発表されると、スピード指数で中穴が面白いように当たることがわかり、ファンに、そして競馬新聞の社内システムにまで浸透し、いつしか「時計」では勝てなくなりました。
しかし部分的な時計(上り3F、前半3F等)や目視修正的な時計(レースVTRで不利・有利をとらえた修正)は、本質を捉えながら同手法の競合が多過ぎないため、いまだ輝きを失わず、着順への影響度が大きいです。
なかでも、レースごとのラップの変動幅が限られる「短距離」は、データのブレが少なく必勝法が立てやすい分野。その点で、スピードスターが、ファンに人気のある芝の中距離ではなく、あえて短距離を選んでいる点では、かなり信頼が置けます。
「スピードスター」の優れた点② コース別に分析を行っている
競馬予想とは、本質的には年間に行われる全レース・全頭をいくつかの「条件」で切り取り、プラス収支を作り出す営みです。
例えば、昨年「G1」で「ルメール」の「複勝」をすべて買ったらプラスになった(実際の2023年の回収率は115%)という人は、JRAの全レースに出走した47273頭を、「G1」「ルメール」「複勝」の3条件で21頭に絞り、結果を出したことになります。
全4万7千頭(2023年の場合)を、どのような条件で絞るのかが重要で、適切な条件をかけ合わせ、回収率100超えを狙うことが競馬予想の基本です。
条件としては、上述のように、「全体時計(スピード指数)」はあまり意味がなく、「部分的な時計」は非常に重要です。もう1つ、当たり前のことかも知れませんが「コース」を条件に取ることも、必勝法作成の大前提です。
その点でスピードスターは、「新潟芝1200」「札幌芝1200」など、コースに注目している点は、必勝法の精度を測るうえで、注目してよいと思います。逆に言えば、「部分時計」にも「コース」にも触れない予想家はかなり怪しいと言ってよいです。
短距離特化馬券術スピードスター(Amazon)
以下スピードスターの懸念点も挙げておきます。書籍発売前の事前検証ですので杞憂に終わる可能性もあります。また、マナーとして検索できる状態でネット上に置くのはどうかと思いますので、有料部分としました。
スピードスターの検証の形を取っていますが、データで競馬に勝つには欠かせない観点がいくつか入っています。JRAの馬券は、購入者同士で配当金を取り合う形式(パリミュチュエル方式)のため、これらの観点が広まるスピードに制限をかけたいため、多少の対価を頂く形となっています。
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