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「ウォール街のランダム・ウォーカー」チンパンジーとファンドマネージャーの成績が同じ!?

こんにちは、MABOです

今回は、
ウォール街のランダム・ウォーカー
について感想文を書いていきます!


本書は、アメリカの経済学者、バートン・マルキールさんが書かれた本で、今回が第12版という超ロングセラー作品です。

投資界隈では有名な書籍で、多くのインフルエンサーが本書を引用・紹介しています。

ちなみにバートン・マルキールさんは御歳89歳のおじいちゃんなのですが、投資の神様ウォーレン・バフェットさんといい、スーパーおじいちゃん多すぎですね(笑)

概要

本書は大きく4部で構成されています。

第1部   株式と価値
・「ファンダメンタル」学派 vs「砂上の楼閣」学派

第2部   プロの投資家の成績表
・テクニカル分析、ファンダメンタル分析

第3部   新しい投資のテクノロジー
・スマートベータ、リスクパリティという新しいポートフォリオ構築方法

第4部   ウォール街の歩き方の手引き
・資産管理、投資方法の具体例を解説


そして、本書の結論としては、

インデックスファンドへの積立投資が最適解!!

ということです。

既に他の書籍でもインデックスファンドへの積立投資が最適解であることは示されていますが、本書では株式市場がランダム・ウォークするという観点から、より深い考察がされています

私が気になったお話についていくつか紹介していきます。


市場の狂気!過去のバブル振り返り

まずは、投機熱の高まりによって引き起こされた過去のバブルを振り返り、砂上の楼閣が如く人間は性懲りも無く投機を繰り返す生き物であることが書かれています。

特に興味深かったのはチューリップの球根が高値で取引され、投機熱が高まった末に暴落した事例です。

貴金属や金融資産ならまだしも、
なんと、チューリップの球根というのが面白いですね。

つまり、値段がつくものであればなんでもバブルが形成され得るということで、
より馬鹿な人」が高値でそれを買うことで最後は買い手がいなくなりバブルが崩壊するという流れです。

靴磨きの少年が株に興味を示したときが暴落の予兆と言われる話は有名ですよね(汗)

実は最近もバブル崩壊が起こっています。
2021年にアメリカビックテクノロジー企業のGAFAMを中心に株価が高騰しましたが、翌年の2022年にはGAFAMを含むNASDAQ100指数が最大でマイナス30%の株価大暴落となりました。

2021年末を振り返ると、投資を始めたばかりの人もみんなレバナス(NASDAQにレバレッジをかけた投資信託)に投資していました。

いま考えるとバブルの末期だったんでしょうか(汗)


ランダム・ウォークとは

本書のタイトルでもあるランダム・ウオークとは、

物事の過去の動きからは、将来の動きや方向性を予測することは不可能である

ということを意味しています。

ことあるごとに今後の日経平均は!?という予測がメディアに流れますが、ほとんど当たっていないことが良い証拠かと思います(稀に当たることはありますが常勝する人はいません)。

突きつめると目隠ししたサルが新聞の相場欄にダーツを投げて選んだポートフォリオと専門家のポートフォリオの成績がさほど変わらないことになります。

このランダム・ウォークについて様々な視点で検証されています。


投資手法の不完全性

投資手法は主にテクニカル分析とファンダメンタル分析に分かれます。

テクニカル分析はチャートの動きを分析して株価変動を予測するもので、
ファンダメンタル分析は財務状況など企業価値を算出し、現在の株価が割安か、割高かを判断するものです。

しかし、本書ではいずれの手法も不完全であると書かれています。

テクニカル分析においては、
チャート分析は当たるのか!?
という問いに「歴史は繰り返す!!」という説明しかできない。

結局は過去の実績からの予測に過ぎないので、なんだか滑稽に感じますよね(汗)

また、ファンダメンタル分析については、常にすべての情報を得ることはできないため、本質的な市場価値はわからないというものです。

確かに決算内容や四季報だけでは完全な情報とまでは言い切れないので、その通りなのかもしれません。。


ベータというリスク指標

テクニカルもファンダメンタルもダメ!
となると、何に基づいて投資を行えばいいのか??

1つの解として、ベータという指標があります。

これは、リスクの大きさを表す指標です。

例えば、S&P500のベータ値を1としたときに、S&P500の変動で他の銘柄がどのくらい変動するかを表します。

つまりベータ値の大きな銘柄はリスクが高い
⇒つまりリターンも大きくなるという感じです。

また、それを進化させたもので、「スマートベータ」というのは、ベータ値に加えて市場平均よりも高いリターンを出したいくつかの要因を組み合わせてポートフォリオを構築する方法です。
(例えば、バリュー、モメンタムなど)

さらに、「リスクパリティ」は債権や現金などの他の資産を組み合わせてリターンとリスクをコントロールする手法です。

しかし、これらの指標も実績を見ると理論通りにはなっていません。

このような結果から、一般的な投資家にとってはドルコスト平均法によるインデックスファンドへの積立投資が最適ということになります。

これらのランダム・ウォークについての検証は具体例を交えて詳細な記述となっており、株式市場のより深い理解に繋がります。


最後に個人的な感想、、、

・自称中級者が中級者になる本!
まずは読むのが大変!

400ページを超える鈍器本!
ベータなどの解説は難解で、読んでいる途中で心が折れそうになります(汗)
(私は3回くらい読み返しました。。)

インデックスファンドへの積立投資が完了し、他の投資をしようと思ったときに、
本書を読んで市場がランダム・ウォークであることを学び、どんな手法も不完全なものであることを認識する。

これによって投資に対する過度な期待や投資成果に対する奢りや、焦りがなくなる!

それを踏まえてベータなどの指標を駆使して新たな投資の世界に飛び出すきっかけになる。

という形で本書を読み進めることで投資家としてのレベルが一段階上がる!!
ような気がします。

そろそろインデックス投資に飽きて次のステップに進みたい人におすすめの一冊です!


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