再開発についておもうこと
福岡では、都市の再開発がさかんだ。
「天神ビッグバン」
「博多コネクティッド」
と名付けられた一大プロジェクトが
進められている。
一度聞いたら忘れられないような
印象の強いワードを使っている。
新しいオフィスビルや商業施設、
高級ホテルやおしゃれレストランが
どんどんできている。
観光客が国内海外から訪れ、
オフィスができることで雇用が増え、
移住者が増える。
とても素晴らしい計画だとは思うのだけど、
そして実際に福岡は人口が増加しているし、
住みやすい街としてめちゃくちゃ人気だ。
でも、学生時代の思い出がいっぱい詰まった
「天神コア」、「天神イムズ」が
なくなったのは寂しかった。
「福ビル」のTSUTAYAには
何百回訪れただろうか、
思い出がたくさんある。
丸の内で、私はよく迷子になる。
もともと地図は読めない方だが、
地上に出れば目印があって、
右か左かに進めばいいと
判断できることが多いのだけど、
丸の内だと同じ顔をしたビル群が
ずっと並んでいるため、
右も左も判断できないのだ。
グーグルマップだけを頼りに、
ぐるぐる回っていることも多い。
イムズの地下から見上げた、
吹き抜けのビルの景色が懐かしい。
ガラス張りでゆっくりと進む
エレベータはいまやどこにもない。
新しくできた大きなビルの外観は、
どれも同じに見えてしまう。
どこを見渡しても
「ただの都会」になってしまうのは
なんだか寂しいなぁとも思うのである。
大阪でも東京でも福岡でも
同じ顔になってしまうのは残念だ。
どうか、中洲の川沿いからの夜景は
変わらないでほしい。
霧島の看板だけはそのままで煌々と輝いて、
福岡の屋台たちを照らしてほしい。
なぜだか、あのネオンたちには
人情味がにじみ出ている気がする。