社会のレールから外れるとき
社会のレールから外れてしまった子はどこにいくのだろう。
一回失敗したら、正規ルートには戻れないのだろうか。
高校受験に失敗した。
大学受験に失敗した。
夢見ていた東京での生活が、静岡になってしまった。
夢見ていた東京でのキャンパスライフが、実家での浪人になった。
そういう子はたくさんいるだろう。
でもまだまだ大丈夫な気がする。巻き返し可能。
大学時代をどう過ごすか、次に何をするかで人生がらりと変わるものだ。
バイト先で出会った社員の人といい感じになり、
大学に通わなくなって留年した。
スナックでバイトして、既婚者の常連客といい感じになり、
大学に通わなくなり、そのまま退学した。
アナウンサーになりたい。
CA(キャビンアテンダント)になりたい。
丸の内OLになりたい。
学生時代は、そんなことを無邪気に言っていたのに、
「あの子の踏み外した一歩は大きかったね。」
それだけで終わってしまうものなのだろうか。
社会のルールのなかで、いつも正しく緻密なレールを引いて、
きちんと自制して、自分に課した多くの約束をひとつずつ守って、
努力し続けている友人を知っている。
そして積み上げた努力が実を結んで、
本当に多くのものを手にしているように見える。
だけど、レールから外れた子たちも優しい心を持っていた。
自分にも、人にも優しくて、人の気持ちに寄り添える子だった。
その先を進むと戻れなくなるよ。
その先には崖があるよ。
そんなことを気づいていたのだろうか。
崖に落ちても、別の道を進めるような、
そんな社会やコミュニティがあればいいなと思う。
その一方で怠惰で社会に依存している人間は嫌だと思う。
私は社会のレールから外れていってるのだろうか。
32歳無職。胸を張って言えることを何も持っていない。
友人と話すとき、結構恥ずかしい気持ちにもなる。
「また悩むよ」「また迷うよ」って声が聞こえてくる。
だけど、迷うことも悩むことも悪いことじゃないと思うし、
そういう時間があってもいいんじゃないと思いながら、
若くして多くのものを手に入れているように見える子たちは
悩んで同じ場所に立ち止まってはいなかった。
色々考えているだけではあんまり意味はない。
毎日を大切に、いまできることを積み重ねていくだけだ。
そう自分に言い聞かせて生きています。