人の手を借りる
父の自殺未遂でお気楽な日常から一転、家の中にピリついた空気が流れるようになりました。
この頃は目を離したすきに父が何かしでかすのではと必要以上に神経質になって居たかもしれません。
再発防止に気を取られるあまり母も私も外出を極力控えて
四六時中父の動きに注意を払います。
今思い返すと監視しているのと変わりないですね。
トラウマ級の出来事に遭遇し気軽な外出がままならなくなってしまいました。
でも田舎暮らしは自給自足していない限り長時間の買い出しが必要不可欠です。
山小屋からスーパーが有る隣町まで山道を下り片道40分
あちこち寄って買い物をするので一度出かけると4時間はかかります。
食料品の調達に頭を抱えている時、姉が「生協ならほとんどの物が揃うよ」と教えてくれました。
人口の少ない地域でも配達してくれるのか不安で問い合わせてみると
近くの集落に毎週水曜日に届けているから大丈夫との事。
長野に住んでよく耳にしたのは「限界集落」という言葉です。
過疎化が進み独居の高齢者が多い村があちこちに有ります。
この様な地域では宅配サービスを上手に利用している人が多いんだとか。
早速申し込み食料と日用品の確保が可能になりました。
どんなに雪が積もっても家の前まで大きなトラックで食料を運んで貰えたのがとても心強かったです。
そして長野の移住生活を支えて下さった心強い存在と言えば
父の入浴介助をお願いした二人のヘルパーさん達も忘れられません。
移住してから長野を離れるまで本当にお世話になりました。
雪に閉ざされると友人知人の来訪が途絶え、いつもお世話になって居る地元民のYさんにも時々しか会えなくなりました。
家族以外に顔を合わせてお話しできるのはヘルパーのお二人のみです。
閉塞感MAXの私たちに朗らかに対応してくださったお蔭でさほど深刻にならずに過ごせました。
父の一件で人の手を借り毎日を無事に過ごすってとても大事な事なんだと学びました。
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