見出し画像

いつか襤褸に

久しぶりに着物の生地でモンペズボンを作りたいと思いつき

棚から色々引っ張り出して来ました。

ズボンに良さそうな厚みがしっかりとある

男物の真綿紬の布で作ることに決定。 

布のど真ん中にかぎ裂きのような1cm位の穴が空いているので

この穴をどうするか考えました。

① 穴の部分で切断し他の布を足す(パッチワーク)

② 穴の上から他の小布を被せ縫い付けて隠す(アップリケ)

③ 糸を使って穴を塞ぐ(ダーニング)


①は丈や幅が足らない箇所でパッチワークする予定なので

他のやり方を取り入れたい。

②は小さな当て布の端っこを折りたたんで

縫いとめると縫い代の布が重なり厚ぼったくなりそう。

と言う事で、今回の穴は③のダーニングで塞ぎます。

以前セリアで購入した段染めの刺し子糸を使ってダーニングします。

まずは穴の裏側から薄い接着芯を貼り弱った部分を強化。

ダーニングと言えば専用の道具が要りそうですが実際そうでもありません。

私はそこら辺に転がっていた

保湿クリームの空き容器を使い輪ゴムで止めて使いました。

LED電球もカーブしてるので使いやすかったです。

あと空き缶なんかも使えそう。

ようは布がピンと張っていれば作業がしやすいので

刺繍枠の小さいのが有ればそれを使うのが

一番手っ取り早いかもしれません。

準備が出来たら早速布を織るように針と糸で穴を隠していきます。

老眼でぼやける目を凝らしながら集中して約1時間。

ハイできました~!!

段染めの糸だとこんなふうにチェック柄になるんですね😊
 目立つ穴ぼこが可愛いワンポイントになり大満足♪
玉止めが表側に出ちゃっても気にしない気にしない。


古い着物を解いてると時々丁寧な繕い跡に遭遇します。

昔の人の物に対する愛情や心意気が滲み出ていて

とても感動するんですよね。

一着の服や着物を繕いながら何代も受け継ぐって

現代ではなかなか出来ない事です。

とある世界では年季の入った野良着や布切れが

襤褸(ボロ•らんる)と言われ

ビックリな高値で取引されています。

本物だけが放つ汗臭く泥臭い美

古の人々の執念すら感じるその物への

憧れと敬意を持つ人が多いのですね。


本物の襤褸には到底及ばないけれど

私も東洋、西洋の先人の知恵に倣い

繕い物を楽しみながら

今有る物を大事にしていきたいなと思っています。


ダーニングが楽しすぎて途中の写真を撮り忘れてしまいました。

作業の工程がよくわかるこちらの

手芸メディアkoshirau(こしらう)さんの動画をどうぞ。

 
おまけ

桜が咲いていたので嬉しくてパシャリ。

毎日寒い寒いと思っていたけど、確実に春が近付いていますね。

伊豆高原駅に設けられた
<やまももの木しあわせ広場>の道祖神と桜。
こちらはご近所の熱海桜
毎年この辺りで一番早く咲く桜です。
気が付いたら8分咲きになって居ました。


いいなと思ったら応援しよう!