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カコちゃんとの思い出

10月に入っても暑かったり寒かったり不安定な毎日です。

皆さんいかがお過ごしでしょうか?

先日、「川っぺりムコリッタ」という映画をネトフリで見ました。

以前、Drop ㏌さんの記事で紹介されていて

ずっと見れたら良いな~と思っていた映画です。

全体的に軽やかでほのぼのしているんだけど

急に重さがガツンと来たりして

生きること・死ぬことをテーマにしている映画で

とても面白かったです。

そして主人公の山田(松山ケンイチさん)が炊いた

ホカホカごはんがめちゃ美味しそう。

隣人の島田(ムロツヨシさん)の言動を見ていると

ふとカコちゃんと言う人を思い出しました。

カコちゃんは私の祖父母の知り合いの娘さんで

一時期カコちゃんのお兄ちゃんが

我が家に下宿し高校に通っていたというご縁から

祖母の事を「おばちゃん、おばちゃん」と

長年慕ってくれていた人です。

「こんちは~おばちゃん居る~?」って

お土産のとらやの羊羹をひっさげ

元気よく家に入って来たかと思うと、

そのまま冷蔵庫に直行!

一通り中身をチェックして

「相変わらず冷蔵庫に入れんで良い物入れてるねぇハハハッ」

って笑うのがカコちゃんの来訪スタイルです。

お正月には必ずお兄ちゃんとお年始のご挨拶に来て

祖母の部屋のこたつでお節をつまみに

日本酒チビチビまったりしながら駅伝を見るのもいつもの事。

祖母が晩年、叔父(父の弟)の家に身を寄せていた時も

いきなり恒例の冷蔵庫チェックを叔父宅でやったものだから

そういうノリについていけない叔父夫婦から

即刻お出入り禁止令が出たみたい。

私たちが長野へ引っ越した年も、伊豆高原に移住した翌年も、

遠路はるばる年末に遊びに来てくれて

三十路過ぎの私に「ハイ、お年玉」と手渡してくれました。

「え~良いの?貰っちゃって」と喜んでいると

「おばちゃんに世話になったんだから~気にしないの」と

答えた笑顔が忘れられません。

数年前、カコちゃんは病気で亡くなってしまいました。

まだ60歳前だったように思う。

とても明るくて元気な人だったから

「ひょっこり遊びに来そうだねぇ」って母と話すくらい

未だに亡くなったことが実感できないでいます。


カコちゃん亡き後は

お兄ちゃんとも行き来が無くなったものの

毎年お中元・お歳暮・年賀状のやり取りをして

お互いの生存確認をしています。

カコちゃん兄妹は我が家にとって血縁関係はないし

友達でもないんだけど節目節目に気にかけてくれる

不思議な距離感の人たちです。

そして屈託なくグイグイ来る感じが

<ハイツムコリッタ>の住人達とどこか重なる気がします。

今はご近所付き合いが殆どない森暮らしをしている私にも

昭和味が強い濃いめの人付き合いをしていた時期が

有ったんだなぁとじんわり心が温かくなりました。

こういう事をムコリッタと言うのかな?

環境はガラリと変わったけれどささやかな幸せを感じる瞬間を

これからも大切にしていきたいです。

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